私は、地域の町会長を平成七年くらいから務めさせていただいております。もう、いいかげん次の方にバトンタッチをするべきだと考えておりまして、総会において、現在の問題点を解決して、次の方がお務めいただきやすいように町会規約の整備をしたい旨お話をしました。
しかしながら、そもそもの出席者が少なく、大半が委任状出席ですから、そのご意見を賜るには人数が少なく、各家庭に簡単なアンケートを配布して、ご意見を頂戴することにしました。アンケートでは十分に説明をしきれませんので、このブログをお読みいただくことで少しでも理解を深めていただこうかと思います。
また、普段の読者の皆様には、ご自分の地域ではどんな感じなのかお考え、あるいはアドバイスをいただければと思います。
までお願いします。
そもそも町会・自治会と言うのは、ほんわ~かしたゆる~いルールの中で、仲良く、楽しく運営していけば良いものだと思っています。
しかしながら、私の町会においては、ある特定の方々が、PTA活動などを積極的におやりになった方々が、自分たちのやり方こそ「正当」であり、自分たちのやり方こそ「常識」であり、自分たちの考えこそ正論だということで、「発言」をなさいます。
町会・自治会と言うのは、多種多様な方々の集合体です。地域地域によって、その生活水準の平準化がされているところ、いないところがあったり、同じ町会・自治会でありながら、道路や下水、ゴミのことなどのインフラの整備状況が微妙に違っていたり、さらには、それぞれの住民の教育水準による知的水準が違っていたり、仕事の内容によって特殊な意識を持たざるをえなかったり、千差万別の考え方がある中で、その団体を取りまとめながら運用、運営をしていく必要があると思っています。そのためにはほんわかとした「最大公約数」的判断を必要とするものだと思います。
私は、その時その時の班長さんたちが、決めてくださったことをサポートしていくのが会長の務めだなと思い、そういう運営にしてきました。
アンケート内容(青い文字にしています)とそれに補足をしていきたいと思います。
三山第三町会の皆様へ
記載することがない場合は、次の中で選択いただくか、その他として理由を記載してください。
○町会のことにあまり興味がない。
○特に問題ない(従来のやり方で結構)
○やることを言われればやるが積極的にはやらない。
○やりたい人がやれば良い。
○お任せします。
○その他(理由)
アンケートをしていただくにあたって、上記のような反応も想定されますのでまずは回答していただくことにしました。
○会員の資格についてです。町会の範囲の住民全員。世帯主を代表者とする世帯単位。二世帯住宅も含め建物の棟単位(玄関が一緒でも、別でも一世帯と考える)。と言う考え方がそれぞれあります。町会の重要事項決める際や、様々な部分で、「町会の意思」の基礎になります。そして、これらは、お悔やみの時の香典の基準等にもなります。
町会・自治会には、大きく分けて二通りの性質の団体があります。
町会会館・自治会館などの不動産資産などを団体が所有した場合、その税関係を含め、様々な法的な届出等の問題があります。
そのため、「法人格」をもって厳格運営、運用するための各種整備が必要です。その場合、総会や各種会議の運営のルールをきちんと決め、最も重要になってくる「議決」の資格を決めなければなりません。
国会で「一票の格差」などと言いますが、住民全員が一票を持つ場合、世帯が一票を持つ場合から始まって、「総会の投票権」が、一つのポイントになります。
また、役員の選任等に関しても、「人」なのか「世帯」なのかということがあります。
例えば、世帯が単位だとしたら、役員は「世帯」が務めるのか?ということが起きます。世帯主であるその家のご主人は、見識のある立派な方で、リーダーシップもあり、判断力も常識も良識もあって、誰からも好かれる明るい人柄だったとします。
世帯が単位だから、そこのご主人がどうしても行事等に参加できない場合、「奥様が手伝うのが当たり前」ということを言う方がいます。
そうでしょうか?
奥様は世帯が単位だったら、会長職になり得る?世間の常識では違いますよね。ということが幾つも出てきます。
そして勝手に解釈して、「悪口」を言う人もたくさんいます。
そういうこともクリアにしておいて、悪口を言われ、それを聞いた方が嫌な思いをしないようにルールを作っていくことが必要だと思います。
こう書くと、「そんなこと気持ちの問題でしょ」とか、そんなのは、「その方の受け止める気持ち次第でしょ」という方がいると思いますが、まさにそこです。
相手の取り方次第となってしまうことは、極力無くしておかないと、口さがない方の一言で、せっかくボランティアで一生懸命やっている役員の職を放棄してしまう方が出てきては困るのです。
○会費の徴収と役員(班長)についてです。高齢者のみの世帯、生活保護受給者、学生単身世帯などに会費の納入や、役員をお務めいただくことに関してです。
さて高齢化がどんどん進展してきて、高齢の方々が地域で様々な活動をして、元気に過ごしていただくことは大変喜ばしいことです。家にこもらずに、積極的に外に出て刺激を受けながら、生活を楽しんでいただきたいものです。
とは言うものの、その一方では体調が優れなかったり、病院通いが欠かせなかったりという方もいらっしゃいます。
さらには、配偶者の方を介護するケースも増えてきています。意外なところでの出費も多々あります。
またどうしても、お料理等が億劫で、出来合いのお惣菜を買っていただいたりもします。そうなると、食費もバカになりません。
そんな時に、町会の会費というものが気になります。年間3千円の会費は、月額で換算すれば、250円。たかが知れていると言われればそれまでですが、そうも感じられない場合だってあります。
年金だけの生活で、やりくりしている時に、場合によってはきついことだってあると思うのです。
生活保護受給者は、その事実を知られることも嫌な場合があります。また、その保護費の中にはコミュニティで生活をする費用が含まれているものとされているので、本来はなんら支障はありません。支給する市の担当課では問題なしと考えていますが、そうでしょうか?というのが私の意識するところです。
次に学生です。近隣に日本大学、東邦大学があり、学生さんが町会内にはお住まいです。
仕送りが前提とも思われますが、いわゆる勤労学生とでもいうんでしょうか?働きながら、奨学金とアルバイト料で暮らしているという話も聞こえてきます。
そういう学生さんの町会費をどうするべきか?です。過去のいろいろな経緯があって、アパートの持主からいただく場合とそうではない場合とがあります。それらを整理するためには、どなたから正規の会費を徴収し、どなたの分は減額あるいは免除をするかという規定が必要か否かを考えていただければと思っています。
○下総三山の七年祭についてです。神揃場が町会内にある当町会としては、県の文化財としての伝統行事を継承していくために、町会費で積み立てを行い、お手伝いもお願いしてきました。これは、祭礼時にそれぞれのご家庭に寄付をお願いしないでも済むようにという意味合いも含め、様々な意味合いがあります。
昨年、執り行われました下総三山の七年祭りですが、古くからこの地域に根ざしたお祭りで、メイン会場とも言える「神揃場」は、当町会の真ん中です。さらに言えば、町会の通り名は「神揃場」です。
この千葉県の指定無形民俗文化財は、私たち三山に住む者の誇りでもあり、後代にきちんと継承をしていかなければならない文化でもあります。
そういう意味では、個々の家庭が、個人個人が対応すれば良いではないかというお考えもありますが、祭りの時期の様々な奉仕活動や、継承のための資金提供など、それらを守っていくために何をどうしたら良いかを考えた時に、町会と言う組織で、奉仕も、資金提供もできる範囲で行って、「寄付金額」などでお互いに不愉快にならないようにすることが肝要だと思っています。
もちろん、「それなのに対応が悪い」という声も聞こえてきます。そこは少しずつ変化してきていると思いますが、「寄付」というもの。「伝統」を守ること。「文化」を継承していくことなどに「見返り」を求めるものでしょうか?
私は式年遷宮の行われた、伊勢に遷宮の直前に全国の地方議員の団体で参拝をさせていただきました。
その際に、三重県議会議員の方々との懇親会もありましたが、神宮の予算は、たしか県よりも多く、多額な予算でその運営が行われているとのことでした。
しかも、遷宮に関わる多くの関連工事なども企業が御奉納という形で、企業などが「奉納をさせていただく」ことが名誉なことだということを聞きました。
誰がいくら寄付した。誰はいくらしか寄付していない。など下世話な話は無いようです。
そんな中で、過去の経緯を踏まえて、第三町会では、湯立祭の時に、神社側(氏子総代、寅待会)からいただく予算とおおよそ同額を用意して、湯立祭のときに使います。
それでも不行き届きがあって、参加者に不愉快な思いをさせてしまったり、逆に祭りの担ぎ手から、嫌味を言われたりと、いろいろなことがありますが、それこそがお祭りです。
そのお祭りを、町会が責任を持って継承していく一端を担うことに関して、どうお考えになるかということを問いたいと思います。
○活発に活動をいただいている町会の老人クラブさざんかクラブへ、町会費から補助を行っております。さざんかクラブ会員一人あたりの補助単価を決めて、人数分をお渡ししています。
さざんかクラブという老人クラブは、町会の地域内の方を対象とした老人クラブです。
希望者によって組織され、運営されているわけですが、活発に活動をしていただいておりますので、町会としてもその活動を援助させていただいております。
しかし、その援助の仕方について、一人当たりの援助額を人数分ということになっており、それなりの額がクラブに行っております。
そのことについて、定額で援助をして、あとは受益者負担ということでいかがだろうかという意見もあります。
そこで、援助の額についてどういう考え方がよろしいかを伺いたいと思います。
クラブの運営は、58歳から入会でき、概ね60歳以上で公費の助成金がでます。
それらに、自分たちの会費を加えて、さらに町会からの助成をして運営をするわけですが、旅行などの事業においては都度、参加費という受益者負担を求めているようです。
それらのことも含めて、また高齢者が増えているにもかかわらず、会員があまり増えない現状という、老人クラブ内の世代間ギャップもあるようです。
一時問題になった「後期高齢者」という言葉がありますが、まさに前期高齢者と後期高齢者とでクラブを分けるとか、方法はあると思いますので、なんらかの会員増の工夫をした上で、さらなる方策を考えるのも一つのやり方ではあるとは思いますが、すべての運営を、クラブ自体の自主性に委ねたいところです。
○町会の問題点を含め、規約を変更するための委員会のような組織を作るべきではないかというお話がありました。
私の思いを縷々長時間にわたって述べさせていただきました。その際にご提案をいただいたのが本件です。
一見合理的かつ効率的、民主的にことを進めていくように感じるご提案です。
しかし、私は懐疑的です。と申しますのは、よく我々の政治の世界でも「やりたい人より、やらせたい人」とでも言うのでしょうか?自ら名乗り出てくださる方が必ずしも、大局的な立場に立ってものごとを捉えて、まとめ上げてくださるような方々がいらっしゃるかというと、なかなか難しいと思います。いることにはいますが、そういう方々はとうの昔に、総会の様子等をご覧になって、あまりの議論の狭さに、「御慰労をいただく言葉」を何度も、何人からもいただいております。
私は毎年度毎年度、班長さんに申し上げてきたのですが、町会・自治会の活動というのは、「正解」の無いものだと思っています。
もちつきを例に挙げさせていただきますが、お餅をつくという行為に対して、そのご家庭ご家庭の「流儀」「やりかた」があります。
もち米を研ぐところから、やり方はまちまち。研ぐタイミング。蒸すまでの時間。それをついていく。つきあがった餅をどうやってアンコをつけ、どうやって、きな粉をつけるか。
ご家庭によってそのやり方はまちまち。そこのご家庭の奥様が育った環境、ご主人様が育った環境、それぞれ違う環境で育った方々が、餅をつくことにどういう合意形成がなされて、「餅のできあがり」があるのかは、毎回毎回、ご担当に集まっていただき、話し合いをしていただくとわかります。
百人百様、千差万別なのです。そのことを十分に理解した上で、寛容に受け入れつつまとめ上げられるかというと、残念ながら、私は無理だと思います。
ご家庭の中で主導権を強引にとっている奥様とお見受けするような方々が、町会でも御発言になりますが、私は「長」として受け入れるわけにはまいりません。
そういう中で、しっかりと町会のあるべき姿を考え、バトンタッチをしたいものです。