手前味噌っぽい話で恐縮ですが、会派の仲間の立花孝志議員についてです。先日10日の一般質問で質問中に議事進行発言があり議事が止まりました。

 

 さて、立花議員はNHKから国民を守る党の党首?代表?総裁?なんだか知りませんが、single issue politicsで地方議会からという感じでNHKの受信料問題に取り組んでいます。

 

 で、先般、地方自治法の定めのある住民訴訟を起こしたのですが、このことを理由に一般質問の答弁を拒否されました。

 

 ところがなんと、日本共産党の長老議員が議事進行発言をし、質問を中断させるという議事妨害とも思えることをしました。

 

 訴訟中なら利害関係がるだろうという軽はずみな議事進行発言でした。

 

 立花議員の訴訟とは実は市議会議員の仕事の仕方として究極の形であり素晴らしいことでもあります。

 

 実は私は、行政事務の各種調査などをして行き詰まった時に、自分を納得させる方法をこちらから提案して執行機関側に提示させて無理やり納得したり、調査を手仕舞いさせたり、怒りに任せてこのブログにボロクソに書いたり、諦めたり、ということばかりです。そういう17年間の議員生活の積み重ねです。

 

 そして、住民監査請求や住民訴訟というのはプロ市民活動家などが行う行為であって議員という立場のものが行うべきではないと考えていました。

 

 もちろん全ての行政事務が公正に行われていればそうでしょう。しかし、一部の不見識、不真面目な公務員による「行政の不作為」があったり、本人は違法と思っていなくてもそうでないケースなどが散見されるようなってきている船橋市役所です。

 

 しかし、立花議員はたった1年で、自分の信念と法的な裏付けと知識で、粛々と地方自治法に則った手続きを踏んでいるのです。

 

 改めて地方自治法の解説本を読んでみました。

 

 実は本気で議員活動をして、自分が正しいと思いながら、公務員世界の壁にぶつかった時、理解ある議員を演じるのではなく、市民の立場を考えたらやはり出来得る限りの手段を取る勇気を持たなければいけないのだと、立花議員に教えられた感じがします。

 

 以前、政策法務の勉強に行ったっ時の講師の経歴の中で聞いた話で、講師は東京都の訴訟担当だった方ですが、東京都などはめちゃくちゃ住民訴訟も多かったようです。

 

 船橋市はひょっとして住民訴訟が少ないのではないか?だからこそ、あの緊張感のなさ。緊張感がなくても内部統制ができていなくても、所詮はクレーマーの域を出ない住民の対応をしていれば良い。という感じでいる市長をはじめとする幹部職員諸氏なんでしょう。

 

 住民監査請求をする勇気。

 

 住民訴訟をする勇気。

 

 議会の議員としてのバッジをつけて、税金から報酬を頂いて政務活動費を頂いて、適当に騒いで最後はお茶を濁して終わりと言う姿が議員としてのあるべき姿かを考えさせられる事案でした。

 

 しかも、議事進行発言をどう取り扱うかを協議する議会運営委員会。ショックでした。まったく初の事例であるにもかかわらず、専門書などを持ち込む委員は無し。

 

 とにかく議事を進めることだけに腐心し発言をする委員、まったく無反応な委員、議員の究極の活動に関しての議論があってしかるべきなのに...。残念至極でした。

 

 参考までに解説本の当該部分を引用させていただきます。

 

 

 

 

    第10節 住民による監査請求と住民訴訟

 地方公共団体の財務事務の執行は、地方公共団体の保有する資金や財産の変動に直接に影響を及ぼすものであり、ややもすれば不正な事務処理や事務の懈怠が生じやすいことから、自治法は、財務事務の民主的かつ実効的な統制を実現するために、住民による監査請求(以下「住民監査請求」という。)の制度と住民訴訟の制度を設けている。

 住民監査請求及び住民訴訟の制度は、住民からの請求に基づいて、地方公共団体の執行機関又は職員の行う違法又は不当な行為若しくは怠る事実の発生を防止し、又はこれらによって生じる損害の賠償等を求めることを通じて、地方公共団休の財務の適正を確保し、住民全休の利益を保護することを目的とするものであり、違法な行為又は怠る事実については最終的には、裁判所の判断にゆだねて、判断の客観性と措置の実効性を確保しようとするものである。

 

 一 住民監査請求

 1 住民監査請求の請求権者、請求の対象等

 「住民監査請求」は、住民から監査委員による監査を請求することにおいて、直接請求の一類型である事務の監査の請求(自治法75)と類似するところがあるが、両制度の趣旨や目的は異なっている(第六章第四節「3住民監査請求・住民訴訟」及び第12章第2節「3 住民監査請求による監査」参照)。また、「住民監査請求」は、「住民訴訟」の前提でもあるが、それ自体、地方公共団体の内部で財務行政の違法又は不当を糺すという意義を有する。

 住民監査請求を行うことができるのは、「普通地方公共団体の住民」(直接請求である監査の請求は「選挙権を有する者」)とされており、法律上の行為能力が認められる限り、自然人たると法人たるとを問わず、また、一人であってもその主体となることができる。

 住民監査請求の対象となるのは、地方公共団体の長若しくは委員会若しくは委員又は当該地方公共団体の職員による違法又は不当な財務会計上の行為又は財務に関する怠る事実である(自治法242 I)。違法又は不当な財務会計上の行為としては、具体的には、①公金の支出、②財産の取得、管理又は処分、③契約の締結又は履行、④債務その他の義務の負担がこれに該当する。なお、これらの行為がなされることが、相当の確実さをもって予想される場合も含まれるものである。また、違法又は不当な財務に関する怠る事実としては、①公金の賦課又は徴収を怠る事実、②財産の管理を怠る事実が該当する。

 住民監査請求の内容は、監査委員に対し、監査を求め、当該行為を防止し、若しくは是正し、若しくは当該怠る訂実を改め、又は当該行為若しくは怠る事実によって当該地方公共団体のこうむった損害を補填するために必要な措置を講ずべきことを請求することである(自治法242 I)。

 

 2 住民監査請求の手続等

 住民監査請求の手続き等については、第12章第2節「3 住民監査請求による監査」において詳述する。

 

二 住民訴訟

 1 住民訴訟の原告、請求の内容等及び制度の改正

 住民訴訟は、行政事件訴訟法5条の「民衆訴訟」の類型に属するものであり、地方公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正等を求める訴訟で、自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起するものであって、法律による特別の定めに基づいてこれを提起することが認められているものである(行政事件訴訟法5・42参照)。

 住民訴訟の制度は、昭和23年の第2次地方自治法改正で導入されたもので、アメリカにおける納税者訴訟に由来するとされる。昭和28年の自治法の改正で住民訴訟とされ規定が整備された。また、昭和38年の改正で全文改正されている。

 住民訴訟を提起することができるのは、住民監査請求を行った住民であり(自治法242の2 I各号列記以外の部分参照)、住民監査請求の手続を経ていることは、住民訴訟の提起のための必須の要件とされている。

 地方公共団体の住民が、裁判所に対し住民訴訟と提起することができるのは、次に掲げる場合である(自治法242の2 I各号列記以外の部分)。

 ① 住民監査請求に係る監査の結果又は勧告に不服があるとき

 ② 監査委員の勧告を受けた地方公共団体の議会、長その他の執行機関又は職員の措置に不服があるとき

 ③ 監査委員が住民監査請求に係る監査又は勧告を当該請求があった日から60日以内に行わないとき

 ① 議会、長その他の執行機関又は職員が、監査委員の勧告に係る措置を講じないとき

 住民訴訟は、住民監査請求の対象とされた違法な行為又は怠る事実(不当な行為又は怠る事実に係るものは認められない。)について請求することができるものであるが、地方公共団体に損害をもたらすような行為であることを要する(最高裁昭48・11・27)。住民訴訟の請求の内容等について、平成14年の自治法の改正により、訴訟類型の再構成等の改正が行われた。

 改正前の自治法242条の2第1項各号に掲げられていた請求の内容は、次のとおりである。

 ① 当該執行機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めの請求(ただし、当該行為により回復の困難な損害を生ずるおそれがある場合に限る。)

 ② 行政処分たる当該行為の取消し又は無効確認の請求

 ③ 当該執行機関又は職員に対する当該怠る事実の違法確認の請求

 ④ 地方公共団体に代位して行う次に掲げる請求

  (ア) 当該職員に対する損害賠償の請求又は不当利得返還の請求(当該職員に利益の存する限度に限る。)

  (イ) 当該行為又は怠る事実に係る相手方に対する法律関係不存在確認の請求、損害賠償の請求、不当利得返還の請求、原状回復の請求若しくは妨害排除の請求

 右の①及び③の請求の対象となる職員は地方公共団体の執行機関の補助機関としての職員であるが、④の「四号訴訟」の請求(「代位訴訟」)の(ア)の当該職員とは、当該職員の地位にある個人であって(最高裁昭52・7・13)、その職員の地位を離れた場合であっても、住民訴訟の被告等としての地位は存続するものと解されていた。

 この改正前の「四号訴訟」において、損害賠償の請求等を受ける地方公共団体の長その他の職員は、違法に職権を行使したこと等に基づく個人としての責任を問われるものであり、したがって、その損害賠償に要する費用等を当該地方公共団体の公費により負担することは認められないものであった。また、当該「四号訴訟」に応じるために弁護士に支払うべき報酬についても、当該個人が負担すべきものであり、原則として、地方公共団体にその支払を請求することはできないとされていた。ただし、改正前の「四号訴訟」において当該職員が勝訴した場合(一部勝訴した場合を合む。)には、地方公共団体は、議会の議決により弁護士に支払うべき報酬額の範囲内で相当と認められる額を負担することができるとされていた(改正前の自治法242の2Ⅷ)。

 このような、住民訴訟は、本来、財務会計上の行為又は財務に関する怠る事実の違法性をその争点としているが、これらの行為又は怠る事実の前提となった地方公共団体の施策等そのものの是非をめぐって、提訴されることが少なくない。また、住民一人であっても、これを提起できるものであることから、制度の濫用の傾向がみられるという指摘もなされてきた。さらに議会による予算の議決等の所定の手続を経て行われた財務事務の執行行為等についてまでも、改正前の「四号訴訟」により、職員個人に対して損害賠償等を請求することが認められるのは、余りにも当該職員の負担や責任が重い場合があるのではないかという意見もかねてから主張されてきたところである。こうしたことから、平成12年10月、第26次地方制度調査会は、訴訟類型の再構成を合む「住民訴訟における訴訟類型の再構成について」の答申を行った。

 この地方制度調査会の答申を受けて、平成14年に自治法が改正された。改正後の制度の概要は、次のとおりである。

  1. ①    自治法242の2第1項4号の規定(改正前については、上述④)の請求の内容は、当該職員又は相手方に損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを地方公共団体の執行機関又は職員に対し求める請求(ただし、243の2第3項の規定による職員の賠償責任の対象となる場合にあっては、当該賠償の命令をすることを求める請求)とされている(「第一段目の訴訟」。改正後の自治法242の2 I④)。

  そして、追加された242条の3において、損害賠償又は不当利得返還の請求(又は命令)を命ずる判決が確定した場合においては、地方公共団体の長は、当該判決が確定した日から60日以内の日を期限として、損害賠償金又は不当利得の返還金の支払を請求し(又は賠償を命じ)なければならない(自治法242の3 I・243の2Ⅳ)。当該判決が確定した日から60日以内に損害賠償金又は不当利得による返還金が支払われないときは、地方公共団体は、当該損害賠償又は不当利得返還の請求を目的とする訴訟を提起しなければならない(「第二段目の訴訟」。自治浩242の3 Ⅱ・243の2V)。なお、この場合、地方公共団体の長に対する請求を目的とする訴訟を提起するときは、当該訴訟については、代表監査委員が地方公共団体を代表する(自治法242の3V)。

  1. ②     当該行為の全部又は一部の差止めの請求(自治法242の2I①)について、改正前においては、地方公共同体に回復困難な損害を生ずるおそれがある場合に限るものとされていた(改正前の自治法242の2I各号列記以外の部分ただし書)が、削除された。なお、請求に基づく差止めは、当該行為を差し止めることによって人の生命又は身体に対する重大な危害の発生の防止その他公共の福祉を著しく阻害するおそれがあるときは、することができない(自治法242の2Ⅵ)。
  2. ③     原告が勝訴(一部勝訴を含む)したときに弁護士報酬の支払の請求を当該地方公共団体にできる場合について、すべての訴訟類型に拡大された(自治法242の2Ⅻ。改正前の242の2Ⅶ参照)。

なお、違法な行為又は怠る事実については、民事保全法に規定する仮処分をすることができない(自治法242の2Ⅹ)。

 

 2 住民訴訟の手続等

 住民訴訟を提起することができる期間は、1に掲げた住民訴訟を提起できる場合に応じて、それぞれ一定の日から30日以内と定められている(自治法242の2Ⅱ)。

 なお、平成16年の行政事件訴訟法の改正により、抗告訴訟における被告適格の原則が行政庁から行政庁の所属する国又は公共団体に変更された(行政事件訴訟法11 Ⅰ)自治法242の2第1項2号の「行政処分たる当該行為の取消又は無効の確認の請求」には行政事件訴訟法43条の適用があり、改正後の同法11条の準用があるので、この場合の被告は、地方公共団体となる。

 住民訴訟は、当該地方公共団体の事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する(自治法242の2V)。一の住民訴訟が係属しているときは、当該地方公共団体の他の住民は、別訴をもって同一の請求をすることができない(自治法242の2Ⅳ)。

 訴訟を提起した者が勝訴した場合(一部勝訴した場合を含む。)において、弁護士又は弁護士法人に報酬を支払うべきときは、地方公共団体に対し、その報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる(自治法242の2Ⅻ。なお、改正前の同条Ⅶ参照)。これは、改正前は「四号訴訟」についての定めであったが、改正により、すべての訴訟類型に拡大されたものである。

 

 3 住民訴訟上の論点

 実際の住民訴訟においては、様々な論点がみられるが、主要な事項としては、①財務会計上の行為かどうか、②怠る事実に該当するかどうか、③四号訴訟の「当該職員」又は「相手方」に当たるかどうか、①違法性が認められるかどうか(個々の行為又は怠る事実の違法性のほか、先行行為の違法と後の財務会計行為との関係など)、⑤議会における住民訴訟案件に係る権利放棄(第9章第2節3 2(2)「コ 権利を放棄すること」参照)などである。