平成28年第2回定例会(2)

 さて、今定例会でデビュー戦を迎える答弁者側の方々にルールを教えしましょう。

 

 絶対にやってはいけない事項。

 

 的確、簡潔、明瞭でない答弁原稿を読み上げること。答弁原稿の読み上げは、正確を期するために結構なのですが、船橋市議会には会議規則、先例申し合わせがあって、それらに則って会議が行われています。

 

 ずるいことに、先例申し合わせは現在公開をしていません。このことに関しては、「きたね~ぞ」と議会事務局長を締め上げていただいて結構だと思います。

 

 先例申し合わせは会議規則に定めの無い事項や、具体的運用方法などが決まっていないものが、申し合わせられています。

 

 これは、執行機関の皆さんが条例は議決事項だけど、規則、要綱は庁内の決裁でそ~っと決めて議会には知らせないのと同じで、議会側の報復措置みたいなものです。

 

 よくよく議会事務局長と執行機関の部長とで戦って下さい。

 

 そうしないと、議会運営のルールを間違えることになります。もし、これらの約束事を間違えると「議事進行発言」という緊急動議が私から出され、議事が止まります。

 

 さて話を戻しましょう。

 

 答弁に関するルールですが、先例申し合わせの98です。

 

98 発言予定時間の遵守

 次の事項を励行する。

・質問者(又は質疑者。以下同じ)は、通告した予定時間を配慮して質問(又は質疑。以下同じ)を考え、予定時間を遵守する。

・答弁時間が質問時間を大幅に上回るような質問は、自粛する。

・答弁者は、簡明な答弁をするよう、留意する。議長が「質問事項が多岐にわたっていますので、答弁に配慮願います」と指摘した場合は、答弁者は、質疑(又は質問)時間を大幅に上回るような答弁時間とならないよう配慮する。

・質問者は、質問中に残り1分を切ったら質問を終了することを心がける。

 

 さて一見、すべてが質問者の側の留意事項に見えます。主語が質問者になっていますからね。

 

 しかし、船橋市役所の悪い習慣ですが、「質問取り」が行われます。そして、質問の趣旨を聞いて、想定問答集でも作るのなら結構なのですが、船橋市役所の無能職員はっきり申し上げておきます。無能職員は、質問そのものを聞き出します。そして、より無能な職員は、これこれこういう風に答えれば良いですかとか、これこれこういう趣旨の内容で答えてほしいと言われると、質問者に大サービスをして、丁寧に長々と答弁をすることになります。

 

 具体的な事例を示して解説しましょう。長くなりますが、皆さんのためですから最後まで読んで理解しましょう。

 

質問者

 まず、「海を活かしたまちづくり」です。

 先日、私は船橋港よりサンセットのイベントに参加し、富士山を背景に、ディズニーランドの先に太陽が沈むのを見て、船橋三番瀬の海の景色の美しさに感動をいたしました。その帰途、荷さばき所には、鉄や砂が山積みされているもののヨットハーバーが整備され、船橋漁港の建物壁面に帆かけ船とあわせて「海を活かしたまちづくり」の標語が掲示されているのを見て、ふるさと船橋が再生しつつあることを認識した次第であります。

 15年前に策定された「海を活かしたまちづくり」の基本構想、基本計画、実施計画が少しずつ実現されていくことに、市当局のたゆまない努力に大変評価しております。

 船橋市臨海部の回遊性創出に向けた基本構想、JR船橋駅南口周辺部の回遊性創出に向けた基本構想、JR南船橋駅南口用地活用基本構想、それぞれの基本構想が平成26年8月に委託され、27年3月末日までに策定されましたが、それぞれの構成メンバー、また、その後、どのような具体的推進計画が策定され、実施されているのかお伺いいたします。

 

 質問ですが、この文字にしたものを読めばわかるのですが、「船橋市臨海部の回遊性創出に向けた基本構想、JR船橋駅南口周辺部の回遊性創出に向けた基本構想、JR南船橋駅南口用地活用基本構想、それぞれの基本構想が平成26年8月に委託され、」と質問者自身が言っております。過去において、「海を生かしたまちづくり」において、「JR船橋駅南口」まで含んでいたのか否かの発言がありません。

 

 過去においての考え方には含むものであったとしても、この場でそのことを質問者の側が、きちんと過去にはこうだったということを述べないと、質問としては成り立ちません。一見JR南船橋駅南口と海とは連動するとは思いませんから、通告の外側の問題だということになりかねません。

 

 成り立たないとはどういうことかというと、主意通告に「 (1)海をいかしたまちづくり」とあり、さらには冒頭に「まず、「海を活かしたまちづくり」です。」と本人が述べているのです。

 

 実は、ルール上第1回定例会においては通告外となっても「黙認」することとなっています。これが、第1回定例会以外の定例会であれば通告外となって、議事が止まる可能性があります。

 

 また、基本構想の受託者がそれぞれ異なっております。回遊性を図る上において、関連性があり、緻密な整合性を図る必要があると思いますが、構想策定中にどのような整合性が図られ、今後どのような形で推進が図れるのかお尋ねいたします。

 

 さて引き続きの発言中にすでに自問自答状態になっています。下線の通り受託者が異なっております。と自身で言っているということは、その委託の状況の全容もわかっている上であえて質問をしていることが推察できます。

 

 そして、わざわざそれを答弁させています。

 

答弁者

 所管事項につきまして順次ご答弁をさせていただきますが、質問が多岐にわたっておりますので、取りまとめの上ご答弁をさせていただければと思います。

 平成26年度はJR船橋駅南口周辺部及び臨海部の回遊性創出に向けた基本構想、さらには、JR南船橋駅の南口用地活用基本構想、この3つの基本構想を策定をいたしました。これら3つの基本構想を策定した構成メンバーとのことでございますが、特に委員会等の組織を設置して検討したものではなく、政策企画課から全庁的に意見照会した結果や、地元の町会、船橋市漁業協同組合等の関係団体との意見交換、さらにはJR船橋駅前と南船橋駅前で実施したアンケート調査結果等を踏まえ、取りまとめたものでございます。

 

 下線部をお読みください。事前の打合せ内容を「打合せ内容通り正確に」質問してくれていないから、こういう意味合いで答弁しますよ。という前置きをしています。持論を述べられていることに対しての反論であるのですが、この質問者は、もともと議論を深めていくとか、質問をして問題点をあぶり出すとか、問題点を是正させるとかということでもなく、自身の思いを演説しているだけで、答弁なんてどうでも良いという質問の仕方です。

 

 以下は、もう面倒臭いのでコメントしませんがこの論調で常に質問を行います。

 

 事前の打合せで、会議録に残して答弁事実のみを得るための一般質問になっています。したがって、事前の打合せでバッサリ切り捨てられないような打合せをしているとしか考えられません。

 

~中略~

 

 以上で第1問とさせていただきます。(「答弁は同じ時間でいいぞ」「1対1だぞ。質問時間と答弁時間、1対1だからな。時間守れよ」と呼ぶ者あり

 

 質問者の以上で第1問とさせていただきます。という発言に、議場内の不規則発言として(「答弁は同じ時間でいいぞ」「1対1だぞ。質問時間と答弁時間、1対1だからな。時間守れよ」と呼ぶ者あり)という記録が残っています。

 

 しかも、その手前もお読みください。

 

 ぜひ、JR船橋駅を降りると海をイメージした大きなモニュメント、そこを起点とした歴史的、文化的を生かした回遊性を持ったまちづくり。そして、海老川河口付近での巨大なモニュメントに出会い、海上バスによる三番瀬のルートなど、船橋の特徴あるまちづくりである「海を活かしたまちづくり」を早期実現を図れるよう要望させていただきます。

 

 すでに、1問目で質問の羅列の挙句に自身で回答も出ていて、要望をしています。

 

 いかにこの質問がダメかがおわかりいただけると思います。

 

 そして「海を活かしたまちづくり」全部の答弁は次の通りです。引用をしていませんが、一問一答のような箇条書きになる質問が数多くありました。

 

答弁者

 所管事項につきまして順次ご答弁をさせていただきますが、質問が多岐にわたっておりますので、取りまとめの上ご答弁をさせていただければと思います。

 平成26年度はJR船橋駅南口周辺部及び臨海部の回遊性創出に向けた基本構想、さらには、JR南船橋駅の南口用地活用基本構想、この3つの基本構想を策定をいたしました。これら3つの基本構想を策定した構成メンバーとのことでございますが、特に委員会等の組織を設置して検討したものではなく、政策企画課から全庁的に意見照会した結果や、地元の町会、船橋市漁業協同組合等の関係団体との意見交換、さらにはJR船橋駅前と南船橋駅前で実施したアンケート調査結果等を踏まえ、取りまとめたものでございます。

 その後の検討でございますが、回遊性に関しましては、平成27年度は実現可能性について検討し、基本計画を取りまとめております。南船橋駅に関しましては、平成27年度は道路と駅前広場の予備設計を進めるとともに、本市有地は地震時に地盤が液状化する恐れがあることから、そのための調査を行っております。今後も引き続き、地元の町会を初め、皆様方からご意見をいただいてまいりたいと、このように考えております。

 続きまして、JR南船橋駅の基本構想でございますが、土地の活用方法として生活複合施設や商業施設、公益的な複合施設、社会福祉施設及び回遊性創出施設というものを挙げるとともに、平成27年度は地盤調査を行っております。

 今後、臨海部の玄関口としてふさわしいまちづくりを図るため、平成28年度は現行の法規制に基づく活用方法とともに、市場性等を考慮し、法規制の緩和等によって最大限の効果が発揮される活用方法、こういった2つのケースを検討してまいりたいと考えております。

 

~以下略~

 

質問者

 2問をさせていただきます。ご答弁ありがとうございました。

 海老川上流地区のまちづくりにつきましては、もっと議論を深めていかなければならないと思いますが、(予定時間終了2分前の合図)一定の方向性が表明されたことは評価できるものであります。

 ただ、医療センターの建て替えについて、土地区画整理事業の進捗状況にあわせて適切な位置及び規模の用地の取得を求め、必要な検討を進めてまいりますとの答弁がありましたが、今までの組合施行の区画整理事業を見ていますと、相当の年数が必要とされ、どのようにその整合性が図れるのか、大変心配しているところであります。

 市長は、先番議員の質問に、概略事業計画案を2年で作成し、新駅を含めたメディカルタウンのめどを10年でつけたいとの答弁がありましたが、そう理解してよろしいのでしょうか。地元の地権者の意見を十分聞いた上で早急に実施されるよう、市長の強力なリーダーシップを発揮することを要望して、質問を終わります。

 

 2問目で、前問の答弁に基づいてその答弁に対する質問を行うのが本来であって、すでに時間も使い果たし、自分自身の答えがあり、一方的に「要望」を言い放って答弁も求めず終わる。という卑怯極まりない手法です。

 

 

 一般質問のなんたるかを全く理解せず、ただ単に市政に対してものを申すだけの時間の使い方でもあるのです。

 

 すでに1問目の答弁の最後に自説をバッサリ切り捨てない発言をさせていますが、この「今後、臨海部の玄関口としてふさわしいまちづくりを図るため、平成28年度は現行の法規制に基づく活用方法とともに、市場性等を考慮し、法規制の緩和等によって最大限の効果が発揮される活用方法、こういった2つのケースを検討してまいりたいと考えております。」

 

 ということだけが欲しかっただけにすぎません。

 

 単なる自己満足であり、せいぜいが私はこういう風に発言してますよという自己の選挙運動、自己PRにすぎません。

 

 目的がそこであって、市民生活にとって最善という結果を、執行機関に考えさせるための一般質問になっていないことだけは確かです。

 

 このことに50人の市議会議員と幹部職員30人近くを時間的に拘束をしているという、税金の使い方はいかがなものかと思います。