私が、料理人の方と話をするようになったのは、会社に入って1年経った時からです。ホテルの建設プロジェクトで計画のある段階から料理人の方が入って、レストランの計画が始まりました。

 

 私が言う、料理人の方と話をするというのは、一般の方とレストランの料理人との会話のレベルよりは、ちょっとだけ踏み込んだものだったと思います。

 

 レストランのコンセプト作りや、食材の調達、人材の確保など、メニューの作成などなどいろいろなことを教えていただきました。

 

 当時の総料理長ムッシュ鈴木には感謝です。

 

 実は、採用試験の時になんだかスケッチを描かせるというような話があった時の説明もなるほどなあと思ったものでした。

 

 さてそれから、いろいろな料理人の方々にお話を伺う機会があって、いつも楽しい食事をいただくことができています。

 

 なぜ、こんなブログを書くかというと、先ほどテレビで料理人の方の再出発の様子を取材した番組を見ました。

 

 食材の順列組み合わせ、個体差による味の違いや、香りの違いから始まってその味の特徴や組み合わせた時の味の出現や香りの出現などなど、兎にも角にも「組合せの妙技」とでもいうのでしょうか?

 

 それはまさに人間コンピューターと言うイメージです。

 

 先日も中国時代の仲間のお店に伺いまして、空いている時間に、「和牛」の話を伺いました。

 

 同じ牛肉でも、全く味が違うのはもちろん、外国産と国産とでも違うし、さらに産地によっても違うし、などと話を伺って、さらには最近のブランド牛ブームの話から始まって、業界地図まで話を伺えば伺うほど、まあ、店選びと料理人選びをしっかりとしないと無駄な出費になってしまうことがあったりするんだろうな。と感じました。

 

 よく料理は、見た目で楽しみ、香りで楽しみ、味で楽しむというような話を聞きます。しかし、私はちょっと違和感を覚えます。

 

 というのは、「見た目」の受け止め方の感性が違う人が、その後の香りや味を受け止められるのだろうか?ということです。

 

 実は日本の昔からある「寿司」や「天ぷら」などってあまり見た目にこだわれないですが、十分に楽しむことができます。

 

 中国料理も、なんとなく近いような気がします。私が会社員時代の後半「ヌーベルシノワ」なる領域が出てきましたが、基本的には、前菜では目を楽しめることがあっても、その後はど~んと皿に盛って!みたいな感じだった記憶があります。

 

 私が最近感じるのは、カウンターで、作り手の素材の話や、その背景やとお話を伺いながらいただくと、見た目と味とを同時に十分すぎるくらい楽しめることをわかったからです。

 

 オオバコのお店で、サービスをする店員が通り一遍の説明をして後は「ささっと食べな!」みたいなお店は、ご遠慮したいという感じです。

 

 そういうお店は当然でありますが、説明後に質問をしても回答が瞬時に戻ってきません。

 

 オオバコでなくても、逆に妙に饒舌なお店もねえ~って感じです。

 

 饒舌であっても、その話に信頼性を感じ取れないものって結構あるんですよね。

 

 そしてコストパフォーマンス(笑)。前述の友人のお肉のお店の「クチコミ」を読んだら、吹き出しそうになりました。評価悪っ!!

 

 その中の多くに、コストパフォーマンスが悪いということでの評価です。

 

 実は、ここ以外にも、私が最近いつもお連れいただきご馳走になるお店って、軒並みクチコミ評価低っ!!ってお店なんです。

 

 あ~、かわいそうなお客様たちだな。と。

 

 と言うより、論評できるだけの「経験」をしていらっしゃるのでしょうか?(笑)。

 

 もちろん、素人評価こそが大切でもあるこの手の世界(ネット上でのグルメサイト)ですけど、かわいそうなのが、そのお店の経営者や従業員。

 

 まま肉のお店はですねえ~、まあ、この際、ぜひ皆さんに行っていただきたいから宣伝しちゃいます。

 

 江戸匠苑

http://yakiniku-kobebeef.edosyoen.jp

 

 ムッシュ安孫子ちゃんのお店。です。経営者ではありませんが、私の会社員時代の友人が主に切り盛りしているお店です。

 

 彼は、最初が、ホテルサンガーデンららぽーとで、料理人人生をスタートさせて、その時に中国のホテルの担当にもなって、一緒に働きました。ちょうど彼が中国赴任の時、竹下登総理大臣が訪中し、記者との懇談会等幾つかの行事で当ホテルをご利用いただくということで、カラオケの機器をハンドキャリーで一緒に運んだ思い出があります。

 

 その後、戻ってきて、サンガーデンの鉄板焼き担当として活躍して、その後、金田中グループ

http://www.kanetanaka.co.jp

 

の新宿(当時)の新業態のお店で売り上げを伸ばして、銀座の岡半と兼務をしながら、仕事をし、お肉知識と技術を蓄えていった感じです。

 

 その後、友人のお店を手伝う形で、西麻布で鉄板焼きのお店で頑張って、その後に今のお店に。

 

 一貫して牛肉を扱う仕事に従事なさっていて、それも「和牛」。岡半では確か「松阪牛」、その後の鉄板焼きから今日まで「但馬牛」「神戸牛」だったと思います。

 

 で、今は嘘偽りのない、「神戸牛」を扱っています。

 

 神戸牛ブランドの話を聞き、牛肉へのこだわりや、昨今の牛肉事情などを聞けば、こちらの知識も増えて、それを基にいただくことができます。

 

 もっと言うと、自分だけの「感覚」で、「美味しい」「不味い」の判断をするのでは、自分の知識の蓄積に誤りを生じさせます。

 

 この素材やこの調理方法でのこの味は、この歯ごたえは、「これが正しいのだ」というかこういう味なんだ。と、直感で「不味い」と思ったものがこの味こそがこの素材の魅力なんだ。この食感こそがこの素材の、この調理方法の魅力なんだ。と学習しないと、様々な新しい味との出会いを楽しめません。

 

 最近流行の、パクチーですが、中国駐在中に常食に近いくらい食べていました。そしてそれは中国駐在で初めて口にする味でした。

 

 大人になって、初めて口にするものを拒否する傾向の強い人がいますが、私は何でもチャレンジです。

 

 パクチーは、私たちは香菜(シャンツァイxiāngcài)といい、コリアンダーとも言われていますね。

 

 当時は、ほとんどの日本人スタッフは、ダメだこりゃ。抜いてくれ。ってな話でしたが、宴会を繰り返すたびに中国人が「これをいっぱい入れろ。うまいから。」という感じで人民政府幹部などに言われると入れざるを得なくて、入れているうちにみんな普通に食べるようになりましたし、これがいいんだよな。という日本人スタッフが増えました。

 

 未知の味にチャレンジしないのが、日本人ですかね?(笑)。

 

 わかりませんが、話が外れましたので、戻します。

 

 江戸匠苑にぜひ行ってみてください。

 

 本当の神戸牛をしっかりいただけます。

 

 クチコミを見るとただの焼肉屋で、こりゃ高い。ってな話しです。

 

 いやいや、そういう味わい方しかできないんだったら、ただの焼肉屋へ行ったほうがいいですね。

 

 むしろ、外国産牛肉の主なもの例えば、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどの牛肉の違いくらいをわかって、肉そのものの味を感じられる方が、和牛を召し上がってクチコミを書かれることを期待したいですね。

 

 実は、ここ以外にもお寿司屋さんもそう。ご主人がクチコミを気にしていらっしゃるご様子でしたが、ランチのランチなりのメニューを低評価されて残念がっていましたが、そりゃねえ~、常識ある人だったら、ある程度ランチメニューとはをわかっていると思うんですけどね~。

 

 ららぽーと在勤中に、平常時、セール時、バーゲン時の商品をどうするべきかをテナントさんによくよくお願いしていました。

 

 会社を離れて、最近はアウトレットの話も聞きましたが、類似した話です。

 

 在職中にお願いをしていたのは、バーゲンとは、平常時に販売をしているものを、価格を下げて販売をお願いします。そのお値打ち感が大事です。と。

 

 ところが、時代の変遷と共に、アウトレット専門のショッピングセンターができるようになって、メーカーのある意味それ相応の販売方針や手法があって、随分と、複雑な状況になっているようですが、アウトレット用にもともと製造するものやアウトレットに回すのが本来目的の利益構造による値付けがあったりもするようです。

 

 飲食業の世界の「ランチ」ってなんでしょう?(続く)