さて前回に続き、図書館の指定管理議案についてです。

 

 指定管理という運営方法への転換ですが、どのように意思決定がなされてきたのかを調査してみました。

 

 なぜならば、今定例会の本会議の質問初日に市長が踏み込んだ形の答弁をしました。

 

 私は、それが正しいか否かというと、グレーから限りなくブラックだという印象を持ちました。

 

 お読みください。(下記の中継録画の文字を起こしたものです。)

 

本会議 平成28年2月29日 午前10時開議

http://funabashi.gijiroku.com/g07_Video_View.asp?SrchID=2084

 

 市長の答弁その1 このたびの計画は、教育委員会のほうでいろいろ計画を練って、計画が策定されてからいろんな議論があって私のほうに報告がありました。私としては現状の今の図書館の職員体制ですとか、そういったものを総合的に勘案した状況の中では、教育委員会のほうが打ち出した提案というものは一定の方向性が見えてきたということで、私は承認をしたわけであります。ということで、今回議案を提案をしておりますけれども、市民の皆さんへの意見というものは、それは問くことも大事だとは思いますが、市としての方向性はこういった形で提案をさせていただきたいというふうに思っております。

 

市長の答弁その2 トイレ改修のご質問です。厳しいご指摘がありました。横浜市の待機児童対策と船橋市のスピード感の話であります。この件については、ちょっと置いておきまして、洋式化ですけれども、洋式化とトイレの改修ですけれども、さきほど管理部長のほうから答弁があったように、まず、うちのほうは、今まで耐震改修を先行してやってきました。そしてそのあとで、今トイレの改修にかかっているわけですけれども、私どもとしても決して後手に回るという今ご指摘でしたけれども、決してそんな考えではなくて、ただ、やはり計画性を待ってやっていく必要がある。 トイレの改修だけやっていけばいいということではなくて、学校教育の環境については、ほかの市でやっていない部分もやったりしている。だからどっちを優先をしていくのかというところもありますので、そういった考えでやっていく必要が市政運営にはあると私は思っております。

ただ、これについては鋭意努力をしていきます。

 

 ここまで、市長が教育委員会所管事項について答弁することが適正か否かという点です。

 

 市長は船橋市政全般に責任を負っておりますが、法の定めによって、その範囲が限定的になる部分があるとされています。

 

 教育委員会の所管事項は、5人の教育委員会がその多く部分を担います。

 

 簡単に申し上げると、市長は口出しできないのです。なぜならば法の趣旨として、公選の市長すなわち政治家である市長が、公平公正でなければならない行政事務に必要以上の干渉をさせないためであります。特に教育の場には相応しくありませんから、極力避けるような法の作りになっています。それが下記の通りです。

 

 第百八十条の二 普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部を、当該普通地方公共団体の委員会又は委員と協議して、普通地方公共団体の委員会、委員会の委員長(教育委員会にあつては、教育長)、委員若しくはこれらの執行機関の事務を補助する職員若しくはこれらの執行機関の管理に属する機関の職員に委任し、又はこれらの執行機関の事務を補助する職員若しくはこれらの執行機関の管理に属する機関の職員をして補助執行させることができる。ただし、政令で定める普通地方公共団体の委員会又は委員については、この限りでない。

 

 第百八十条の五 執行機関として法律の定めるところにより普通地方公共団体に置かなければならない委員会及び委員は、左の通りである。

一  教育委員会

二  選挙管理委員会

三  人事委員会又は人事委員会を置かない普通地方公共団体にあつては公平委員会

四  監査委員

~以下略~

 

 さて、それにも関わらず、ある議員の質問に答弁をしたのが前述のものです。

 

 その答弁を聞き、船橋市の教育行政は、見た目は教育委員会が存在するが、実質機能をしていないのかどうかをチェックしてみました。

 

 この図書館の指定管理という手法で運営をすることをどのように決めたかです。

 

 このことに関わる会議体がどれくらいあったか?

 

 ですが、私の手元に調査依頼をかけて集まってきた会議体の書類は、船橋市教育委員会会議の会議録、船橋市政策会議の会議録があるだけです。

 

 自分で探すしかないなという形で、探し出したのが船橋市図書館協議会の会議録です。

 

 色々と考えていて、え~、あの会議には説明や報告をしていないのかなあと思う会議体がありましたので、明朝至急で調査しないと間に合いません。

 

 なんせ、前回のブログにも書きましたが、秘密主義ですから市のWebSite上では見つけられません。

 

 さてそれはさておき、前述した市長がどこまで口を出すのかですが、次のような法律の条文があります。地方自治法です。

 

第百八十条の四  普通地方公共団体の長は、各執行機関を通じて組織及び運営の合理化を図り、その相互の間に権衡を保持するため、必要があると認めるときは、当該普通地方公共団体の委員会若しくは委員の事務局又は委員会若しくは委員の管理に属する事務を掌る機関(以下本条中「事務局等」という。)の組織、事務局等に属する職員の定数又はこれらの職員の身分取扱について、委員会又は委員に必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。

○2  普通地方公共団体の委員会又は委員は、事務局等の組織、事務局等に属する職員の定数又はこれらの職員の身分取扱で当該委員会又は委員の権限に属する事項の中政令で定めるものについて、当該委員会又は委員の規則その他の規程を定め、又は変更しようとする場合においては、予め当該普通地方公共団体の長に協議しなければならない。

 

 ということです。ここでいう「長」は市長のことですが、市長はこれら限られたこと以外は余計な口出しはできないよ。と。

 

 教育委員会は、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」という法律で非常に細かにその与えられた権限も含め規定されています。簡単に言うと前述した5人の教育委員が合議で何事も決めていくことになっています。

 

 もっと簡単に言うと、その合議で決めたことを市長に報告すると、ほぼオートマチックに必要な予算と人の手当てを市長がしてくれるということです。

 

 その教育委員5名の権限は絶大だということです。だからこそ、議会の同意を経て人事を決めることになっています。

 

 そこには前述したように、公平公正さから始まって識見等を求められ、さらには政治的思想が偏らないように、政党要件さえも求められています。

 

 それなのに、それらを議会に説明をしないで同意を求めたことさえある船橋市ですから、危なくて仕方ありません。

 

 さて話が逸れましたが、そういう事情ですから、市長が議会で教育行政に関して発言をするというのは極めて越権であるのです。

 

 何を申し上げたいか?

 

 時まさに、高市早苗総務相が放送法違反を理由として放送局に電波停止を命じる可能性に言及したことに関して、喧しいのですが、類似しているような気がします。

 

 一般論として述べるのはなんら問題がないと思いますが、受ける側がプレッシャーと感じるようでは、その意味合いが違ってきます。

 

 教育委員5名が、「任命してくれた」市長を慮って、図書館の指定管理やトレイの改修について、それぞれの事業に関する事業の思想に関しても教育委員会議で発言を控えてしまうかもしれないことを言ってしまったと思うのです。

 

 さてずっと話を戻します。

 

 手続き論です。

 

 図書館の担当者は、かなり以前から指定管理のことは協議をしていたがなかなかまとまらなかった。と。

 

 いわゆる庁内会議(大枠の)の以前の、部内・課内の会議でもまとまらなかった。という話です。

 

 で、その後、図書館協議会→政策会議→教育委員会議→市議会となっているのですが、私は、課内会議→部内会議→教育委員会事務局会議→図書館協議会→教育委員会議→政策会議(不要のような気がする)→市議会となるものだと思います。

 

 で、政策会議の会議録を読むと、この市長部局の審議結果というのが、「提案通り了承する。」となっていることにものすごい違和感を感じるのです。

 

 この長の総合調整権というものの限定的範囲であることの拡大解釈はよろしくないと思うのです。

 

 船橋市の法令解釈に私は予てから疑問を持っています。

 

 そして法令解釈のみならず、前回、今回のブログで述べた秘密主義に関しても疑義があります。

 

 それは結局のところ法令解釈をどうするかの問題なのですが、個人情報の保護に関する法律並びに関連法令及びそれに関連する条例等、行政機関の保有する情報の公開に関する法律並びに関連法令及びそれに関連する条例等の解釈に関してですが、船橋市役所ご都合主義が色濃く出ている気がします。

 

 実は、指定管理者制度が導入されて、その関連資料等を議会の調査依頼の制度を利用して、要求した時に、時の担当部長の判断により、マスキングや非開示が決定されているのではないかと思われることが数度ありました。

 

 指定管理に限りません。前回ブログに記述した「プロポーザル方式」なるもの全てです。

 

 私はこのことに関して猛烈に怒りを覚えているのです。

 

 議決に必要な資料を求めても出してこない。そのことに関して泣き寝入りをしてきた反省をしているのです。

 

 都度改善を申し入れてても改善努力をしない文書管理の体制。許し難いものを感じます。

 

 国においては、公文書等の管理に関する法律が制定公布され、行政運営をより透明化しているにも関わらず、それを倣おうともしない姿勢にものすごい憤りを感じています。

 

 それができていないから、会議を開いても会議運営が部や課によってめちゃくちゃ。記録も残し方がデタラメ。その公開も秘密主義。

 

 行政が何をやっているのかチェックする立場の我々議会に対して秘密主義を貫き、隠蔽をしているのではないかと疑義を抱かせる行為は決して許されるものではありません。

 

 いろいろなところから、外部機関の調査等の報告書等の改ざんを求められた話なども一度や二度ではありません。

 

 こういう不透明な事務、事業があって良いはずがありません。

 

 私は、その透明化を求めていきたいと考えています。