連日の日韓合意のニュースを読んで、私自身はこの産経の記事に総てが書かれていると思っています。


 これが政治というものであり外交ではないでしょうか?


 いわゆる保守派の方々がおっしゃっている論調は十分理解しますし、むしろ私はそちらの方の考え方です。


 しかし、両国の保守派の方々の意見で話し合い、譲り合わなかったら、結論に導けるのでしょうか?


 僕は無理だと思います。むしろ日本人の気質からして、いうことは言ったとしても、もっと情けない妥協案を飲むことになるのではと思います。


 そんな中、何を獲るか?を考えて優先順位を考え、現在の国際情勢を鑑みたとき、僕は最高の決着の仕方だったと感じているのです。


 北朝鮮の情勢、中国の様々な情勢、それだけを考えても、どうなんでしょうかね?


 以下、記事中に下線を引かせていただきます。私が最も納得いく、「だよね」と感じたことなどに下線を引かせていただくことにします。そしてちょっとだけコメントも。




産経ニュースより

平成27年12月31日

対中戦略も見据え〝賭け〟に出た安倍首相 「約束破ったら韓国は終わる」「28日で全て終わり。もう謝罪しない」

 慰安婦問題に関する「最終的かつ不可逆的な解決」で合意した28日の日韓外相会談は、本当に最終決着といえるのか評価が分かれる。日本は何を得て、何を失ったのか。韓国は再び問題を蒸し返すことはないのか。若手議員のころから20年近く慰安婦問題に取り組み、過去の経緯に精通する安倍晋三首相はどんな目的と勝算を胸に、年内決着を急いだのか検証した。


 他の人に言われなくたって、わかってると思うんですよね。この経験から今回の決断もあったと思うのです。

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 韓国の尹炳世外相との会談から一夜明けた29日午前、岸田文雄外相は東京都内のホテルで静養中の安倍首相を訪ね、会談の成果や反応などを報告した。

 「大変ご苦労さまでした。韓国外相に『最終的、不可逆的な解決を確認』と言わせたのは大きい」

 安倍首相は岸田氏をこうねぎらい、合意事項について「韓国が約束を実行することをきちんと見ていく」よう指示した。韓国の歴代大統領はこれまで、何度も慰安婦問題を政治問題化しないと述べておきながら、政権運営に行き詰まると反日カードとして利用してきたことは、日本側はうんざりするほど分かっている。

 

 ここを皆さん言うんですよね。だから次のようなことがあったと思います。


 「今回は韓国外相がテレビカメラの前で不可逆的と述べ、それを米国が評価するというプロセスを踏んだ。今まで韓国が動かしてきたゴールポストを固定化していくということだ」

 こう周囲に語る安倍首相は、日本政府はこれまでの轍を踏んではいないと次のように強調する。

 「ここまでやった上で約束を破ったら、韓国は国際社会の一員として終わる」

 

 まさにこの通りだと思います。その時こそ保守派の皆様が言うような強硬手段があっても良いと思うのです。


 慰安婦募集の強制性を認めながら問題解決に結びつかなかった「河野洋平官房長官談話」や、元慰安婦に償い金を支給したアジア女性基金の時とは異なり、今回は国際社会に注視されていたからだ。


 これは笑える話もであると思うのです。向こうの大統領の告げ口外交によって、より顕在化したのはある意味良かったのかしれません。


 また、外務省高官も「これまでは韓国側が自分で『最終的』と言ったことはなかった」と前例との違いを強調する。

 さらに安倍首相は、28日夕の朴槿恵大統領との電話会談の際にも、両国間の慰安婦問題が今回で「最後」であることを強く確認した。首相は29日、周囲にこう語っている。

 「今後、(韓国との関係で)この問題について一切、言わない。次の日韓首脳会談でももう触れない。そのことは電話会談でも言っておいた。昨日をもってすべて終わりだ。もう謝罪もしない」


 私はこの部分をもってむしろ「完勝」だと思っています。電話で済ましちゃったということがです。


 一方で、文書にもしていないことを心配する方々もたくさんいらっしゃるようですが、これまた両国外相の声明発表で、全世界が見ていた。という、日本側にとって都合の良い文書なし。だと思います。


 文書にしないなら、ちゃんと声明を発表しろよな!!ってな交渉だったんでしょうね。


 ただ、こうした第三国も巻き込んだ外交ゲーム的な交渉は、国民の目には分かりにくい。安倍首相による「おわびと反省」や、韓国政府が設立する基金への10億円規模の拠出などは、日本外交の敗北だとも受けとめられた。

 「失望した」「愕然とした」「もう信じられない」「何のために首相になったのか」…。

 28日に「慰安婦問題で日韓合意」のニュースが流れると、安倍首相のフェイスブックにはたちまち反発するメッセージが書き込まれた。特に、首相のコアな支持層とされる保守層からの批判は激烈だった。

 そうした反応を事前に予想しながら、安倍首相が韓国との年内合意に踏み切ったのはなぜか。その答えの一つは、今年8月14日に発表した首相の戦後70年談話の次の一節にある。

 「日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の8割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」

 そして、28日の日韓外相会談後、首相は周囲にこう語った。

 「韓国が慰安婦問題をもう蒸し返さないと約束できるのなら、子供たちを謝罪の宿命から解放できる」


 アホみたいな自虐史観からの解放。これこそが、日本国内の保守派の一番の懸案事項ではないでしょうか?歴史教科書も、公民教科書も、一部教員の頭の中も、一部政治家の頭の中も。


 なぜ、私たちの今のこの豊かな、アジアで一番豊かな生活をもたらしてくださった英霊たちをないがしろにする徹底した「自虐史観論者」がこの国からいなくなるための基礎をどんどん築いていかなければなりません。


 教育改革も進むメドが立ち、憲法解釈も先進国になり、国連の常任理事国にもなり国際社会における地位も強固なものとなってきて、さあやるべきことを着実にひとつひとつ片付けていこうという総理の意気込みが見て取れます。非常に自信に満ち、確実に一歩一歩踏み出している政権を頼もしくも思います。

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 安倍首相は今年8月に戦後70年談話を出す直前、周囲に「謝罪外交に終止符を打ちたい」と語っていた。今月28日の慰安婦問題に関する日韓合意も、首相にとって同じ思いから進めたものだったのだろう。

 「韓国側がきちんとこっちの求めに応じなければ、こちらも彼らに与えることはない」

 「これで完全に終わりにできるかどうか。それを含めての外相会談だ」

 安倍首相は会談数日前にはこうも述べ、決着をことさら急がないという姿勢を示していた。ただ、やはり自身の手で慰安婦問題に片を付けたいという思いは強かった。首相周辺は言う。

 「韓国を黙らせるために首相は賭けに出た」

 また、もう一つ日韓関係改善に動く理由があった。東シナ海や南シナ海で膨張路線を隠さない中国の存在と、それに傾斜する韓国の現状だ。

 「慰安婦問題を引きずることが、東アジアの安全保障上、日韓両国にとってマイナスになっている。その状況を変えたい」

 安倍首相は周囲にこう漏らしており、官邸筋も「日中韓の関係を変え、韓国を日本対中韓から日韓対中国の関係に引きずり込む目的があった」と語る。

 そのための日韓交渉は、水面下で1年近く続けられていた。中心人物は谷内正太郎国家安全保障局長であり、韓国側のパートナーは李丙●(=王へんに其)大統領秘書室長だった。元駐日韓国大使で朴槿恵大統領の側近である李氏が、谷内氏を交渉相手に指名してきたとされる。

 日本政府内には、谷内氏の交渉手腕を不安視する声もあったが、安倍首相自身は「絶対にだまされるな」「確証が取れなければ前に進むな」と繰り返し指示し、細心の注意を払いながら協議は進められた。

 そして11月の日韓首脳会談では、安倍首相と朴氏は和やかな雰囲気を保ちつつ「お互い言いたいことをじっくり言い合った」(政府筋)。会談では新基金の構想についても「韓国側から打診があった」(別の政府筋)という。

 「韓国は、慰安婦問題に関する国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産への申請もしないだろう」

 安倍首相は周囲にこう語り、岸田文雄外相も28日の外相会談後、記者団に同様の認識を示している。しかし、韓国外務省は29日、こうした認識を「事実無根」と否定した。

 日韓合意を一夜にして反故にするような行動だが、政府関係者は「国内向けの発言だろう」と受け止めつつ、こう総括した。

 「慰安婦問題の行方を国際社会が見ている。最後は韓国次第だ」

(阿比留瑠比、田北真樹子)


 次はロシアとの関係に注目したいと思います。