千葉県指定無形民俗文化財「下総三山の七年祭り」について具体的に考えていきたいと思います。


 ①観る、魅せる、見せる

 ②知る、知らせる、伝える

 ③守る、護る

 ④お金

 ⑤執行


 にとりあえず分けてみたいと思います。この分け方自体思いつきですから、途中で変更があるかとは思いますが、とりあえずスタートはこれらのパートに分けて書き始めます。


 で、

 「観る、魅せる、見せる」

 です。


 今回の、七年祭りをご覧いただいた方はいらっしゃいますか?


 気持ちよく参観いただけましたか?


 そうではない方がたくさんいらしたと思います。


 私の家は、神揃場に面したところにも土地があるため、過去においては、桟敷を独自に設置し、お客様をお招きする形を取っていました。


 しかし、今年は、父が亡くなったため、あまり表立ったお祭り参加は控えようかと思い、お招きは遠慮させて頂きました。


 とは言え、氏子総代として、様々なシーンに関わった中で、より多くの皆さんにご観覧頂き、理解を深めていただき、継承していくということにご理解を賜る努力をしていたかというと「否」だったのではないかと思うのです。


 「おらが村の祭りだべ」の時代ではなくなってきています。というより、もう完全にそういう状況ではありません。


 なぜなら、期間中、広範囲にわたる交通規制をお願いします。まずはこのことに対するご理解を賜らなければなりません。


 お祭りが全く関係ないと思っている方々の方が、地域には多いでしょう。というか、交通規制が行われる区域、地域に居住、通学、通勤をしている方々の多くは全くお祭り関係なし。という方でしょう。


 その方々に「不便」を強いるのがお祭りの交通規制です。様々な形で日常生活に影響が出るのが交通規制です。


 それはお祭りだからと寛容に受け止めてくださる方もいらっしゃれば、関係ないし、バスが止まって外出に不便だ。やめてほしいという方もいらっしゃるでしょう。

 

 こういう話をすると、「いいじゃないの、お祭りなんだから。」という容認派の方々が言います。


 でも、良くないのが反対派・無関係派なのです。


 そこのところを、お互いがお互いの事情を理解しあえれば良いのですが、そうはいかないのが現代の世の中です。


 ではどうするべきか?


 理解を得るために、お祭りとお祭りの間の6年間に「周知のための活動」を切れ目なしにやる必要があるでしょう。


 なぜ、大規模な交通規制をしてまで行うお祭りなのか?


 県の文化財だからだよ。という一言では理解を得られません。


 一人でも多くの近隣地域・区域の皆さんに理解していただくことによって「苦情を言われない体制」ができると思います。


 この苦情を言われない体制とは何かと申しますと、道路交通法をはじめとする、交通規制をして、お祭りをスムースに運営することと、「観客の安全の確保」を同時に行わなければなりません。


 もっと言えば、お祭りの運営に関わる関係者の、神輿渡御による事故もあってはいけませんが、当事者の事故は「まあ、仕方ねえ~よ。」となりますが、観客の事故はとにかく避けなければなりません。


 ですから道路交通法関連法規に従って、道路の使用許可をお願いし、許可をいただくわけですが、そこには「おらが村の祭りだべ」は通用するはずもなく、許可をする警察署が「情報公開の請求に耐え得る許可」でなければなりません。


 今回のお祭りも、神輿の動線に観客動線ができる限り交錯しないことに注意を払い、観客側の雑踏をどういう形で安全確保をするかが焦点でもありました。


 そういう中で、「楽しんでもらいながら見てもらう」体制があったかということです。


 神揃場から二宮神社へのルートがゴールデンルートですが、ここには民家が張り付いており、そのそれぞれのお宅が桟敷を庭先に用意しますが、その関係者以外は、道路上で参観するしか方法はありません。


 これは前述した、神輿との交錯がある状況です。従って100パーセント安全の確保ができているとは言いがたい状況です。


 次に、神揃場ですが、関係者用の桟敷席が設置されました。これは「縁故」による販売とでもいうのでしょうか?


 あまり褒められた販売方法ではないと思います。


 これは工夫の必要があると思います。但し、その設置場所は、二宮神社の所有地でありますので、桟敷の形状が良いのか、あるいは最近の様々な技術革新で、もう少し、収容人数が確保できる観覧席が設置できるのか否かは、研究の余地がありそうです。


 また、神揃場に面した道路を通行止めにしますが、そこにも場合によっては、即日設置、即日撤去ができるのであれば、観覧席があっても良いのかと思います。

 

 今回、私がお願いして、千葉県の文化財となっている現状を踏まえ、その関係者にはしっかりと参観いただく環境を作らせていただきたいということで、自治会館にご来賓をお招きし、楽しんでいただきました。


 一方、神社境内は、「見ていただく」環境整備はできませんでした。一部の無関係の人が演芸の舞台に政治家を上がらせ選挙運動まがいのことをやっていたのには唖然呆然としましたが、まあ、そういう人だということで今後の課題にしなければいけないなと思いました。


 境内は、完全に神輿と観客が交錯する最も危険な場所となり、その対策は警備員の配置以外では対応ができませんでした。これも今後の課題になると思われます。


 これでおわかりいただけたと思いますが、関係者が参観することだけに多くの注意が払われているお祭りになっています。


 私は、そうではなくて、全くお祭りに関係のない方々が、お祭りのことを知って、家族で見に行ってみようかとなった時に、見ることができる環境整備が必要ではないかと思うのです。


 その事前の情報の中で、どんなに素晴らしいお祭りかを知ってもらえて、実際に見たら、素晴らしいね。とその魅力に魅せられて、「参加したい。」という気持ちにさせるくらいの参観の環境整備をするべきだと思うのです。