いや~、良かったなあ~とつくづく思います。
中国に駐在し、ホテル建設事業に携わっている時、国と国との間で物を動かすということがいかに困難で、時間と知恵が必要かと。
当時は、COCOM(対共産圏輸出統制委員会Coordinating Committee for Multilateral Export Controls)などというものがあったり、まあ、おおよそ資本主義経済とは無縁の国に、何を送るにも大変だったことを思い出します。
当時の中国製品の劣悪さにより、建築資材をはじめとする備品も含め、事業で必要な品物の多くを、日本をはじめとする中国から見た海外から中国に入れるのに苦労をしました。
例えば車両。日本の中古車などは当時持っていけません。中国仕様の車両でないと中国の劣悪なガソリンの精製技術のガソリンでは故障をしてしまいます。それに加えて、関税が異常に高く、当時、日本円で2百万円で購入できたトヨタのクラウン中国仕様のスタンダード仕様の車両が、輸送料、関税などを含めると日本円で5百万円くらいになるものでした。
我々駐在員の日用品をはじめとする様々なものを日本から送りましたが、通関を最初の到着地ではなく私たちが居住する街の税関にしないと、何が起きるかわかりませんから、住んでいた西安市の税関で通関をするようにしていました。
その中には、当然のごとく事前に税関職員に頼まれたものを入れておきます。すると通関業務は、その職員が担当。
通関のための時間も、関税も、ありがたい結果になっていました。
一方で効果があるかどうかは甚だ不明でしたが、「漢方薬」などは、日本の友人から頼まれ、数多く一時帰国時に持ち帰ったものでした。
これまた、わかりやすいルールではありましたが、国と国との間でものを動かすことがいかに大変かを思い知らされました。
その時に、各国間の関税の成り立ちを痛いほど研究せざるをえず、随分と関税率と国との関係というものを勉強しました。
その中では、どちらかというと日本国という国の国内産業保護の名目での、高い関税率は、最終的には、消費者に跳ね返っていて、合点がいかないものでもありました。
と同時に、会社の配慮にもよって、一時帰国時などの経由を香港もOKにしてもらっていましたから、自由貿易港というものがいかにすごいかも実消費によっても体験しておりました。