父が亡くなり、船橋市議会の歴史について語る方々も減ってきました。

更には、父がお世話になった藤代七郎市長のお孫さんが議員になる時代になってきました。父が勲章を賜った時に記した記録を掲載させていただき、私の父の側から見た船橋市議会や政界についてを残させていただきます。

 ご参考までに。ちなみにこれを書いた時、私は市議会議員2年生でした。


「洋」の違い


 オーストラリアを視察した時、老人施設を幾つか訪れました。おじいちゃん、おばあちゃんがたくさん施設に入所されていました。


 皆さん元気で、日本と違い明るい表情で歓迎も兼ねてピアノを弾いたりしながら話をしていただきました。


 私はその人たちに二つの質問をしました。各自の部屋には必ず家族の写真、孫の写真か飾ってあります。


 そこで、家族や孫に会いたくありませんかと尋ねました。答えは、私たちは子供を育て終わってこの施設に入りました。家族に会いたい時はこちらから訪問します。別に家族の方から来なくてもかまいません、とのことでした。


 私の住む三山に、四市複合事務組合の特別養護老人ホームがあります。寮母さんもたくさん知っています。私の家内が親しかったのでよく遊びに来ていました。


 入所者の中には私たちが知っている人も何人かいました。その人たちの話しが出ると寮母さんたちから必ずと言ってよいほど、入所者の家族が月何回しか来ないとか、或いは冷たいとか、話しが出ます。


 オーストラリアのおばあちゃん、おじいちゃんはもう家族の世話になりたくない、自分で暮らすのだと考えています。ところが日本のおじいちゃん、おばあちゃんは家族に施設に入れられたと思っている人が多いそうです。家族の面会がないと淋しいそうだよと、寮母さんが言いました。外人の方が自立心が強いのです。


 大変前の話しですが船橋自民党で老人施設を視察する事になり、当時の渡辺市長さんたちと新潟市へ視察に行きました。鉄筋コンクリートの立派な施設でした。しかし見学している最中に妙なことに気がつきました。


 それは入所者に笑顔が一つもないことでした。最初は緊張しているのかなと思いました。そこで市の職員に、笑いがありませんねとたずねました。


 市職員の答えは、その通りです、この人たちは新潟の田舎に住んでいた人が多いのです。皆さん木の家に住んでいました。色々な事情で入所して来たのですが、あまりの環境の変化に戸惑っているのです、と答えてくれました。


 人生の生き方に大きな違いを感じました。普通の老人ホームの場合ですが船橋市と姉妹都市オーデンセに行った時、老人ホームを二つ案内していただきました。日本の老人施設は門が有って、入口があり、玄関から入り部屋に入るようになっています。オーデンセの施設は公園の中にある建物で幾つもの入口があり、何時でもそこに住む老人たちが自由に出入りが出来るようになっていました。


 日本の場合、入居者管理が重点であり入口以外は出来ません。外国ではそこに住み生活するのであります。日本の場合、施設に老人をあずかる考え方ではないでしょうか、従いまして責任は国側にあります。また問題が生じた際、市が責任を問われます。


 デンマークの場合どうでしょうか、例えば庭も広く、老人たちが庭に咲くその花を切り部屋に飾ることも自由なようでした。日本の場合、庭の花はただ観賞するのみでしょう、花に対する考え方も違うようです。


 外国で見た公園の花壇は花の高さに高低が付けてありました。公園に来た車椅子の身障者が坐ったまま花園の花を摘めるように、子供たちが摘めるように高い花は大人や老人たちが摘めるようになっていました。


 日本では公園の花は折らないで下さい、取らないで下さいの注意事項があり花を可愛がりましょうと書いてあります。外国のように老人、身障者が自分の部屋にきれいな花を飾りたいとき花を摘めることが出来たらどんなに楽しく、花を飾った部屋の生活は明るくなると思います。早く日本もそのようになってほしいと思います。


 大分前ですが、日本の飛行機会社と外国の飛行機会社とブランケット論争が起きたことがありました、未だ解決しません。それは、飛行機の乗客が客席で寝ている場合、日本のスチュワーデスはブランケットを掛けるよう指導されています。


 外国の客室乗務員は、乗客の要求によりブランケットを掛けます。要求されない以上掛けないように指導されているそうです。


 日本的な心使いが良いのか、あるいは、外国的にあくまでも意志の表示によらなければ行為は行わない。さて皆さんはどちらでしょうか。


 オランダの都市について視察した時です。昼食を接待してくれました。外国の食事はスープから次に出る品がなかなか出てきません、3、4品で30分以上かかります。


 せっかちな私にはやりきれません。間隔の空いて出てくる品をものも言わず食べていました。


 ところが同席したオランダ人技師が怒っているのです。なぜ食事を楽しく食べないか、お話をしながら食べないかと。


 これには困りました。私はとっさに、日本は中国から儒教が入ってきましたが、その中の教えに食事中はしゃべってはいけない、だまって食べなさいとあり、私たちは小学校で食事をする時はしゃべると先生に注意されたのですと答えました。


 しかし郷に入れば郷に従えとの通り、外国ではおしゃべりをしながら食べるようにしています。


 つい最近小学校で3年生と給食を共にする機会がありました。3年生たちは実に楽しく会話をしながら給食を楽しんでいます。私も大いにおしゃべりして楽しみました。小学校時代の弁当の時間を思い出しながら。


 洋の違いと言えば、私は次の話しを聞いた時は本当に驚きました。スウェーデンの通訳の人に話を聞いた時です。40歳を過ぎた女性の方でした。


 たまたまスウェーデンのフリーセックスの話しに及んだ時です。通訳の人には、女子高校に通っている子供さんがいるんだそうです。その娘さんのボーイフレンドが家に遊びに来る。


 そしてどうもセックスをしているらしい様子が見受けられた。そこで市の教育コンサルタントの所に相談に行きました。相談員は女の人だったそうです。そこで事情をのべた所、相談員は次のように回答してくれたそうです。


 この国では高校生になるとセックスについて教育します。そして避妊についても教えてありますので心配ありません。第一セックスを野や山、外で行うよりも部屋の中で行うほうがよいでしょう。そして最後に言われたそうです。


 貴女は日本人だからそう考えるのでしょう。多分、通訳の方は納得出来なく相談員と議論したと思います。そこで相談員から最後の言葉が出てきたのでしょう。今、日本では高校生のセックスが問題になっています。果たして日本でここまで開放できるでしょうか。