さて前回の政務活動費のブログは全くまとまりの無いものでした。

少し、順序立てて考えてみましょう。


 まず、制度の背景ですが、これはどちらかというと、国会議員の「国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律」に基づく立法事務費や「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」に基づく歳費、旅費、議会雑費、文書通信交通滞在費、JR特殊乗車券、国内航空会社航空券の支給、期末手当、人事官弾劾の追訴にかかる実費、弔慰金・特別弔慰金の支給、公務上における災害の補償などが定められているのに比して、地方議会議員は、これらのことの大半が手当てされていませんので、それらと鑑みた時に何とかなりませんかね~ってな話だったようです。


 以前にも書きましたが、福利厚生社会保障関係は一切何もありません。健康保険、年金から始まって、何から何まで自分の報酬でまかないます。


 昨今の社会情勢、社会の注目度、メディア論調などから、あるいは地方自治体を取り巻く財政状況から、その仕事内容がいまひとつ明確に見えてこない地方議員は「報酬」をいただくのですが、あくまでも「報酬」であって、「給与」ではないのですね。「給与」であればベースアップや生活関連の諸手当が入っても良いのでしょうが、議員というその職務、業務等の形態からは「報酬」以外の方法は想定できないと思います。従って、そのベースというか額をいじることをここ最近はしておりません。


 社会情勢がどうであれ固定です。


 従って、昔から農業従事者やいわゆる自営業者など他の収入のある方々で、時間的余裕がある方々が議員になっていました。いわゆる「名誉職」的色彩の濃い成り立ちでした。なので、その報酬などの考えも根底にそのようなものがあります。


 そんな中、時代の変遷と共に、いわゆる「専業議員」が増加してきて、議員立法だったと思いますが、政務調査費の制度を創設してもらいました。

地方自治法に次の定めがあります。


第100条です。

13  議会は、議案の審査又は当該普通地方公共団体の事務に関する調査のためその他議会において必要があると認めるときは、会議規則の定めるところにより、議員を派遣することができる。

○14  普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、その議会の議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費の一部として、その議会における会派又は議員に対し、政務活動費を交付することができる。この場合において、当該政務活動費の交付の対象、額及び交付の方法並びに当該政務活動費を充てることができる経費の範囲は、条例で定めなければならない。


 私が不思議に思うのは、「何でも国任せ」、「国に右へ倣え」のところが多いのですから、前述のように、国会議員のそれに倣う形で条例等を策定して良いのではないかということです。


 それなのにやらないのは、自分たちの職責などをきちんと考えたことがない議員たちが真っ当な議論として収斂させていけないからだと思います。


 さて話がそれました。報酬が、固定のままで、専業議員が増えてきている中で、いわゆる活動のための経費は別枠でという話になりまして、議長会等の活動によって制度化されました。それが「政務調査費」でした。


 ところが制度化された当初の使い方が、非常にいい加減で、批判の対象になってしまったのです。そこから様々な変遷を経て、現在は「政務活動費」に変わったのですが、相変わらず、その使途等は外部の方々に曖昧模糊としている印象を与えてしまうものとなっています。


 さて、ここからは理屈っぽい話で恐縮ですが、「政務」「活動」の範囲が前述したようにこれまた曖昧です。人によって全く考え方が違います。


 さて少々ずれる話ですが、皆さん名刺ってご自分で作りますか?これまた以前書いたことがあるのですが、市役所の職員は「自費で作ります」これは日本全国お役人様の世界はそのようです。


 さて私たち議員の名刺は?


 同じです。会社員だった頃、名刺は会社から支給されていました。


 議員も個人事業主みたいなもので、自分で作ります。


 角度を変えます。「政務活動」って何ですかね?「公務」?、「政務」?、「政治活動」?

 

 私たち議員は、市民の方々お会いして、お話を聞くのが仕事の一部であります。行政に対する不満をはじめ困っていることを聞いたりします。それを行政運営に反映させたり、まさに直接的に道路の改善やちょっとした作業も引き受けたりします。


 そんな時、まず名刺をお渡しするのが「礼儀」です。一方で、それは選挙における投票行動につなげるための「売名行為」だという方もいます。

 

 どちらでしょうか?


 だから税金を使うことは如何なものか。と。なるほど。


 となるのです。


 さて、新聞。通常自宅で新聞を読むのは一部が常識だ。だから二部目の新聞は政務活動費で処理だ。と。


 あるいは、我々は通勤手当がない。だからガソリン代は政務活動費だ。と。


 政務活動の拠点が必要だ。だから事務所を借りた。「政治活動(いわゆる選挙につなげる活動)」もするのだから、家賃の◯パーセントは按分で個人的に支払うべきだ。と。


 まあ、まあ、いろいろな考えがありますね。これの堂々巡りをして収斂できないと思われるのが船橋市議会です。


 なぜなら実態と理想と世間の目とそれぞれが想いを寄せる部分が複雑に絡み合います。ですから、50人の議員の2乗、3乗の数字になっていく事例をまとめあげられないのです。


 何度堂々巡りをしたことか?って感じで思わず笑ってしまうくらいです。


 繰り返し申し上げますが、企業経営の「経費」として認められるものと、議員としての倫理上認められないものとがあるわけです。その線引きができない議員が数多くいて、自己弁護に入るのです。

 

 企業経営の論理で、「だって経費でしょ」っていう議員はもう聞く耳持てないのです。困ったものです。


 なので、ずっと戻りますが、切手を大量購入して郵便物の発送に使ってしまったら、それはそれでいいでしょ。ってなっちゃうわけです。


 一方で、金券ショップで換金したんじゃねえの?って疑っている人は、郵便物の発送に使ったとは思考がそこには絶対向かわないのですよね。


 でもまあ、普通は郵便物を大量に発送するときは、割引を使いますからね。窓口へ郵便物をエッチラオッチラ抱えていってね。

 ただし確認はとっていませんが、一説には、切手を貼らないで窓口に持ち込む郵便物の支払いに切手を使えると聞いたことがあります。


 とすれば、私は、金券ショップで、安く切手を購入して、料金の割引を目一杯使ってその支払いに切手を使いますね。


 一通でも多く出したいですしね。安く。


 まあ、そんなこんなで、政務活動費の支出に関しては、議員各位のモラルの問題で、たがとやかく言っても、悪いことするヤツはしますしね。


 なんとも難しい話です。