さて、昨日のブログに書きました、他自治体と違い、保育など子育て支援政策をはじめ船橋市の行政運営には「思想がない」ということについてです。


 この保育を例に考えてみましょう。

 待機児童ワースト10に入ってしまいオロオロしているのが幹部職員ですが、まあ、私から言わせれば自業自得。今までやっていたことがすべて間違っていたに近いでしょう。


 それによって一番不幸なのは本来入園できるはずの子供が入園できない実態です。


 このことについては、実は推測でしか表現ができないので、「仮説」として受け止めていただければ幸いです。


 まずタイトルに書いたことについてです。

 これは、保育園の仕組みと思想のなさに起因すると思われます。


 何を申し上げたいか?


 例えば、保育園の入所は年度の始まる4月からが一つの区切りになります。さて、では年度の後半に生まれた子供と年度の前半に生まれた子供では月単位で考えた場合に、その入所難易度って同じでしょうか?違うのでしょうか?


 私は少なくとも船橋市の保育行政を見ている限り、生まれた月によって「入所難易度」は違うと思います。


 「認可保育園では、仕事や病気のため家庭で保育が出来ない保護者に代わって、産休明け(生後57日目)から就学前までの児童をお預かりしています。」とホームページでは記載しています。


 まずは、この生後57日目の考え方です。


 改めて、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」を読み返してみました。


 さて船橋市の保育行政は、この法律をしっかりと念頭に置き、その骨組みが出来ているのでしょうか?「否」だと思いますね。

 まあ、基本的には「何も考えていない」が実態でしょう。


 「57日目」は、労働基準法の考え方ですね。


 私が常にこのブログでも触れさせていただいているのが、「社会機能維持者」の方々は、申し訳ありませんが、職場復帰は労働基準法に定める最低限の日数である、産休の8週間が妥当である場合が多いのかもしれません。


 一般の有職(しょく)者の方々は、前述の通称 育児・介護休業法に基づいた形で最低限1歳を基準に考えてもらうべきだと思うのです。


 行政が、保育所の入所要件において、57日目をフルオープンにしている限り育児・介護休業法の普及が進みません。


 ここで問題になってくるのが、「女性の社会進出」による「女性の活躍の機会」をどう担保するかということです。職場で中枢の仕事を担っている場合、一分一秒でも早く職場復帰をしたいのはまさにママ本人。更には会社側も早く復帰してもらいたい人材は数多くいるはずです。


 しかし、そこの部分を行政がカバーをし続ける限り、雇用側の改善努力が進まないのではないかと思うのです。それが行政の努めだというのか?あるいは企業の努めだというのか?は、しっかりとメリハリと区別をつけなければならないと思うのです。


 ちょっと角度を変えて考えてみましょう。船橋市では、例えば1歳の子供を育てるにはどれくらいの費用が必要で、どれくらいの収入があることが必要と考えるのでしょうか?


 私がここで申し上げたいのは、世帯年収がある程度あって、それは「児童福祉」の領域を越えているのではないか?というケースの場合です。前述した社会機能を維持するためのお仕事をしていらしゃる方はとりあえず、別の枠組みで考えておいてください。


 私は、その収入が憲法に定める「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」ところを基準に考えるべきだと思うのです。


 そして、その「児童福祉」から外れて、保護者の自己実現や、雇用側の都合による職場復帰の必要性に基づくのであったのであれば、それは別の側面から、別の形の対応があるべきだと思います。

 

 現在は、過去からの積み重ねで、自治体ごとに法の解釈をしている部分があります。


 私はまずは、そこの部分に、「船橋の考え方」があってしかるべきだと思います。


 少なくとも船橋市においては、過去から、その都度その都度新しい事案が出てきた際に、対応をしてきたのだと思います。そこでいう対応とは全体を見ずに、その事象だけを考え、対処をしてきたということです。


 従って保育需要の変化(保護者側の求めるものの内容や質など)が多様化し過去の対応を組み合わせると、相反することも同様に扱わなければならなくなったり、自己矛盾というか、行政内部において矛盾が生じ、それを無理やり辻褄わせをしてきた結果が、現在の状況なのだと思います。


 新たな事案があるたびに、様々な角度から検討をし、記録を残して次の事案に備えるという業務・事務を行っていないがために、新規事案の都度対応が相矛盾する状況に陥らせてしまっているのです。


 問題の切り分けや、事案の区別もできないのです。


 ですから、前回のブログで練馬区と船橋市のWebSiteの見易さの違いにつながる話だと思います。そもそもの担当者が過去の担当者が対応した「事実だけが残っている」相矛盾する状況で「考える」ことができなくなり「フリーズ状態」になってしまうのです。


 そりゃそうですよね。善良で優秀な公務員が、いきなり、相反することを同じ処理をする。同じ扱いにする。理由がそれぞれにはわかるとしても、それを組合せた瞬間にどうしていいかわからなくなる。当然ですが「フリーズ」するわけです。


 それは担当者レベルではなく、責任者レベルで、「再構築」のための「方針決定」が必要です。


 私がここでいう「方針決定」とは、まさに船橋市の子育ての考え方。あるべき姿。をきちんと示すことです。


 それがない限り、「待機児童」が減少することはありえないでしょう。


 タイトルにした、本来入園できる子供とは、私はまずは児童福祉の対象家庭の子供達が第一義的になるべきだと思っています。


 それが、就労支援、雇用者支援のための子供達が入園し定員を満たし、生まれ月の関係で児童福祉の子供が入園できないという現象があるとしたらそれはあってはならない事象だと思います。


 その考え方だって、いままで船橋市が積み重ねてきた「深く考えない」ということが、仮に訴訟などが起こって「不作為」と裁判事例がでることになっても「反論の余地」ってないのだろうなあ~と漠然と思います。


 実はこういう事案は、何度も何度も繰り返し議員間で議論して結論の出せない問題となっています。

 だからと言ってそれで良いというわけではありません。


 私は、まずは船橋市としての考え方を固めること。そして、船橋市という住民特性に合わせた保育のあり方をしっかりと考えることだと思います。