私たち船橋市議会の高橋宏議員が、そのブログにおいて記述した内容に関しまして、ご本人に対してはもとより議会に対するご批判をいただいております。
私は議長と言う立場にありますので、そのことに対し、より迅速に対応をしようと努力をしてまいりました。しかしながら、いわゆる「役所仕事」による対応の限界と、法律並びに各種制度の限界により、船橋市議会議員としての立場で、この場を通じ、説明をさせていただきます。
まず、このブログを見る方などに対して若干の説明させていただきますが、私は日頃からブログを書かせていただいております。議長という立場での情報発信は、議員という立場と一線を引きつつ、船橋市役所職員諸氏を叱咤激励しながら、市民の皆様方の直接的ご意見を確実にお届けするのが一つの仕事と考えておりました。市民の皆様の声を行政に届けようとすると、ある意味「適当にあしらわれる」ことが多いからです。私の8年間の議員生活の後、その経験則からして、市民の皆様の声を確実に届けるにはどうしたら良いかを考えた末の、ICT時代の効果的かつ刺激的な手段としてブログを書かせていただいております。
さて話題は、高橋議員のブログに戻ります。そもそも、私は、自分のブログ記述の決めてあるルールの中で、議員のことの良い部分をお知らせする場合は実名を記載し、悪い部分を言う場合は実名を記載しないということを、マナーとして実践していましたが、今回に限っては、高橋議員のブログに対して「不快な思い」、「悲しい思い」、「イヤな思い」をした方などに特に事情を説明させていただくために、今回は例外的に実名で記載させていただきます。

時系列にその動きをまずは書かせていただきます。
私のもとに、都内のフリージャーナリストの方からお問い合わせをいただいたのが8月14日の午前3時頃でした。その後、同日の午前8時頃に医療関係者の方からのお問い合わせをいただきました。市役所に登庁次第議会事務局の管理職者に本事案を注視しておくように指示すると同時に、翌日の私の日程を勘案したときにその優先順位としては公務を優先したいため、16日の2時間程度の時間を除き、どの時間帯でも良いので当該議員から事情を聞きたかったので、「日程調整をするように」とも指示を出しました。更に、市長執行部局(市議会は二元代表制といい、市長など行政の執行機関などの監視機能を持ちますから全く独立した議決機関と言う位置づけで、簡単に申し上げますと、市長などの指図は受ける立場にありませんし、ましてや市長などと上下関係もありません)の担当課に協力を求めるために関係部課長に、学術的にみて、いかがなブログ内容なのかをチェックして欲しい旨依頼をし、所用のため市役所を出ました。出先からも特段のアクションが起きたりしていないかを確認の電話を議会事務局に入れておりました。それでも当該ブログをチェックするとアクセス数はうなぎ上りでした。同時にTwitterも同様だったように記憶しております。また同僚議員から、当該ブログお読みになった方からの苦情メールが届いた旨の連絡をいただきました。そして、14日の深夜に共同通信社が記事配信をしたようです(これは後日知った事案です)。新聞各社のインターネットサイトに時間差がありながら掲載が始まりました。16日の午前11時に高橋議員から事情聴取をするため、朝からブログやTwitterの様子をチェックしながらテレビを見始めたときにNHKニュースでの報道がありました。11時に市役所の議長室で事情聴取をし、その後対応を議会事務局管理職者と協議し、19日の会派代表者会議の招集を概ねの方向性として協議終了しました。18日は、情報収集を議会事務局に指示し所用をこなしました。そして、19日16時に会派代表者会議を招集しました。
その結果は、次の通りです。
http://www.city.funabashi.chiba.jp/assembly/information/p031607.html
会派代表者会議の結果を受け、高橋議員を再び議長室に来てもらって、会派代表者会議の雰囲気を伝えたのが21日16時でした。
さて、会派代表者会議の結論ですが、上記WebSiteにある通りですがここにも記載しておきましょう。

■議会外の議員活動(情報発信)は、それぞれの議員が自己の責任において行うべきものである。
まずこの1点目ですが、過去に例をみない数のお電話やご意見等をいただきました。一見、市議会議員は議長のもと議会にコントロールされているように見えます。が、しかし、それは議会を行う議場の中でのみと言っても過言ではありません。市議会というのは、憲法第九十三条に、地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。
○2  地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。と定められており、それに基づいて私たちが仕事をしています。そして、さらに地方自治法には、第89条から議会についての定めがあります。そして、懲罰についての定めは、第百三十四条  普通地方公共団体の議会は、この法律並びに会議規則及び委員会に関する条例に違反した議員に対し、議決により懲罰を科することができる。
○2  懲罰に関し必要な事項は、会議規則中にこれを定めなければならない。
第百三十五条  懲罰は、左の通りとする。一  公開の議場における戒告二  公開の議場における陳謝三  一定期間の出席停止四  除名
○2  懲罰の動議を議題とするに当つては、議員の定数の八分の一以上の者の発議によらなければならない。
○3  第一項第四号の除名については、当該普通地方公共団体の議会の議員の三分の二以上の者が出席し、その四分の三以上の者の同意がなければならない。
とあります。前述したように、議会の中での「決まり事」の違反事件に関しては、「懲罰を科することができる。」となっています。逆説的に申し上げれば、「それ以外は懲罰を科すことができない」のです。公選の職にある者は、議場外での行動には責任をもって、倫理観のある行動をすることが大前提になっているのです。言うまでもなく法令を遵守することはもとより、高い倫理観と使命感で有権者の方の「範」となる行動をするものであるという前提での法の作りになっているのだと思います。
何を申し上げたいかというと、

「どうぞ船橋市として見識のあるご対応をお願いいたします」というご意見をいただきました。

まさに、各種関係法令に基づいて市議会が見識のある対応をとるとしたら、WebSiteに記述の通りとなるのです。またここで理屈っぽいことを申し上げたくはないのですが、船橋市と船橋市議会は別の組織、別の法律で定められているものでありかつ、船橋市議会議員を「船橋市」が、どうすることもできないのです。

「船橋市議会から厳重な注意をお願いしたいのです」というご意見もいただきました。
これも前述の通りですが、議場や委員会室の外。ましてや個人的なブログという手段での情報発信の責任は、発信者本人が100パーセントの責任を負って行うものであります。そのことについて議会は注意を与えたりする立場にはありません。お気持ちは十分に察するのですが、言論の府ともいえる議会でその発言が一部の方々からお叱りを受けたから、注意を与えることがあったとしたら、自由な発言のできないどこかよその国のようになってしまう危険極まりないお話にもなってしまうのです。

「高橋宏議員の言動は、船橋市議会の主張の一端であるという解釈で宜しいのでしょうか?」というご意見をいただきました。
議会の主張の一端という解釈は困ります。議会が議会として情報を発信するのは、多数決で「議決」をしたものとなるはずです。議員定数50名のうちの一議員が発信することは「個人」のものであり「議会の意思」にもなりませんし、議会の意見の一端ということにもなり得ません。
「高橋宏議員に対する市議会の対応をお聞かせください」。
市議会の対応は前述したWebSiteの通りです。

「現場で日々奮闘している医療現場を愚弄する「高橋宏」氏の辞職を要求します」。
議員に辞職を求める手続きは地方自治法の第八十条の定めで、選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、所属の選挙区におけるその総数の三分の一(その総数が四十万を超え八十万以下の場合にあってはその四十万を超える数に六分の一を乗じて得た数と四十万に三分の一を乗じて得た数とを合算して得た数、その総数が八十万を超える場合にあってはその八十万を超える数に八分の一を乗じて得た数と四十万に六分の一を乗じて得た数と四十万に三分の一を乗じて得た数とを合算して得た数)以上の者の連署をもつて、その代表者から、普通地方公共団体の選挙管理委員会に対し、当該選挙区に属する普通地方公共団体の議会の議員の解職の請求をすることができる。この場合において選挙区がないときは、選挙権を有する者の総数の三分の一(その総数が四十万を超え八十万以下の場合にあってはその四十万を超える数に六分の一を乗じて得た数と四十万に三分の一を乗じて得た数とを合算して得た数、その総数が八十万を超える場合にあってはその八十万を超える数に八分の一を乗じて得た数と四十万に六分の一を乗じて得た数と四十万に三分の一を乗じて得た数とを合算して得た数)以上の者の連署をもつて、議員の解職の請求をすることができる。
となっておりますので、議会にメールで辞職を要求なさるのではなく、法による手続きをとっていただければ、選挙管理委員会が対応してくれると思います。


■しかしながら、議会外の活動であっても人命にかかわる事柄についての情報発信は適当でない旨を申し伝えることになった。
このことは、去る8月20日午後4時から船橋市議会議長室において議会事務局長、議会事務局議事課長補佐立会いのもと申し伝えました。
また、会派代表者会議でどのようなやり取りが行われたかをお知りになりたい場合は、船橋市議会事務局までお問合せください。当日は、一般傍聴の方も入室可となりましたので、会議録の閲覧等もできるものと思われます。