さてさて、何度もこのブログで書かせていただいている「議会改革」ですが、改めて書いてみたいと思います。

そもそも「議会改革」という言葉が相応しいのかどうかはわかりませんが、最近、ものすごい危機感を持っています。
議長に就任し2ヶ月半近くが経過いたしました。日本全国の多くの議会の議長さんと何度も懇親の機会がありました。そこでの話を総合的に考えると「議会改革」は、地方議会にとって喫緊の課題であるのです。

さきほど「そもそも「議会改革」という言葉が相応しいのかどうかはわかりませんが、」と記述しました。と
いうのは、「改革」などとわざわざ言うまでもなく、現行制度の中でやれることをやる、その機能権能を最大限まで使い、それをしっかりと市民の皆さんに常に報告をする習慣をつけ、「議会の見える化」を進めることがまずは初めの一歩でもあると考えています。

さて、話をずっと昔に戻してみましょう。
冷静に考えるとそういう言葉は存在し得ないことは明白なのですが、古い政治の体質の中ではよく使われていた言葉のことです。「市長与党」という言葉です。昔は、市長の選挙を応援し、市長を当選させ、議員の側は市長の特別な配慮によって、地元の懸案事項を優先的に解決をしてきました。遥かにさかのぼると、金銭的な援助や選挙時の得票のための援助もありました。またそれらを複合的に絡ませていたのが過去の市長と「自称市長与党」との関係でした。

さていまはどうでしょう?
市長がそもそも決裁権限をもつというか自由にまさにフリーハンドで触れる予算はあるようで「無い」のが実情です。そして、執行機関自体が情報公開請求に耐えうるような「見える化」作業を進めておりますから、市役所業務の事務事業は一見透明性を確保しているように装えています。最近、前政権の不透明な「プロポーザル型公募」に関する疑惑を言う方々が少しずつ増えて来ているようですが、それはそれとしておいておきます。
そして表向きは、執行機関はとにもかくにも透明性の確保を意識した善良なる職員の皆さんの努力により、60万都市に相応しい事務事業の見える化が進んでおります。(一部を除いては)

一方で、議会では時が止まっているかのようです。
「古いものを見たけりゃ議会か博物館に行け」とある高名な先生がおっしゃっていました。笑いごとではありません。困ったものです。そんなことを言われるほど議会というところは古いしきたりや慣習に基づいて運営をされています。しかし、ここで言う議会とはあくまでも地方議会のことであって、国会などは同じような時期もありましたが、もうはるかに時代の要請に応える仕組みがどんどんとできているのです。もっと言えば、国民からの多くの批判により、国会は大きく変化を遂げているのです。それなのに、それに倣うことなども無く、綿々と昔からのやり方に、昔からの理屈で時が流れているのです。もうホントunbelievableな事象が数多くあります。

さてそんな中でも船橋市議会は、

〔理念〕


船橋市議会は、地方自治の本旨に基づき、二元代表制の機能を活かすことにより、市民の負託に応え、市民生活の向上を目指す。


〔基本方針〕

1 条例制定・政策提言等、政策立案能力の向上を図る。

2 執行機関に対する監視機能を強化する。

3 合意形成を目指して、議員間討論など活発な議論を行うための仕組みをつくる。

4 積極的でわかりやすい広報を実施する。

5 市民の多様な意見を受け止める仕組みを充実させる。

ということを決定し、実践することになっています。

私はこの理念と基本方針に基づいて、多くの市民の皆様により興味を持っていただき、よりわかりやすい説明ができる環境の整備に努めなければならないと思っています。
そのためには今までの議会の運営の中で市民の皆様に理解を得にくいような事象は積極的に改善をし、とにもかくにもわかりやすさを前面に押し出すくらいの勢いで取り組んでいきたいと思っているところです。

議会のことは、議会で大いに議論をして、議会の内部の意識改革が肝要であり、どんどんと意識が変化することを期待しているところです。いくつかの例をあげてみましょう。
議会の最も重要な役割の中に様々な事案の「議決」があります。

その「議決の過程を見える化する」ことが大切だと思っています。国会においては、本会議はもとより、各委員会のすべてが公開、インターネットによる中継を行っています。そのことにより、審議の過程が文字ではなく、「生の声」と表情により誰でもいつでも知ることができます。これはまさに時代の変化であり、日本のICT技術の進歩によってなし得たことでもあります。

船橋市議会はどうでしょう?
本会議は、既にインターネットの中継が行われております。それは生中継もされ、少々時間がかかりますが、後日、いつでもアクセスをし、ご覧いただけることになっております。一方、委員会の中継はまだ行われておりません。中継、配信をすることが決定はしましたが、予算取りが今度の定例会で審議されます。これにより決定しますと、速やかに導入されることになると思います。また、せっかく中継などを行うことになってもその周知が足りなければ意味がありません。そこで「会議の案内」などはTwitterLINEを利用してご案内をさせていただくようになっています。

そして更にここ数日の動きで、議会の権限の一つである、「人事任命同意案件」に関して、非常に不穏な動きがあるようです。
私が議会運営委員長のときに、その審議をわかりやすくしようと考える議会の意識ある議員から「透明性をもって審議をすべし」という意味合いで、問題提起がなされていました。そしてその議会運営委員会で議長を経由して、市長側に、「市長側が『任命することに同意を求める人事』に関しては、議会側が責任を持って同意、不同意を決められるだけの時間的余裕をということで、きちんと定例会初日に提案をし、最終日(おおよそ1ヶ月後)に、その結論を導きだすだけの時間的余裕を下さいね」という意味合いの申し入れを行っていました。にも関わらず反古にされそうです。

また更には、議会の専権事項でもある、その審議方法に関して、執行機関から圧力がかかった旨の報告を受けました。
非常に由々しき話で、二元代表制の元では信じられないあきれた行いでもあります。私は議会を代表している身でもありまして、いわゆる「宣戦布告」をされた状況と言っても過言ではありません。

提案された議案を「どういう方法で審議しようか」ということは『議会が決めること』であって、執行機関からとやかく言われる筋合いのものではありません。しかも、私の耳に入るように「わざと行った」としか思えないこの件は、私自身に対する「何か」だと感じました。なぜなら、私はここに至るまでに、議会の運営に関する思いを執行機関に伝えて来ておりました。それをこのよう形で行動に出られたということは、むしろそのことに対する「回答」でもあると認識をしていることころでもあるのです。

そもそも、27日から定例会が始まるわけですから、その布石を打たれたのだと思います。そして、それは私が議会改革を進めて行くことを「良し」としない執行機関が手を突っ込んで来た証でもありますから、「心して定例会に臨まなければならないな」。このように考えているところであります。