http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/0419speech.html

素晴らしかったです。前回に引き続き「3.「健康長寿社会」から創造される成長産業」に僭越かつ図々しくもコメントさせていただきます。

3.「健康長寿社会」から創造される成長産業  今日は、その中でも、代表例である「健康長寿社会」に向けた戦略を、ご紹介したいと思います。
 従来の医療は、「疾病治療」が中心でした。病気になった後に治療する、というやり方です。そのおかげで、日本は、世界に冠たる「平均寿命」の長い国となりました。
 しかし、「健康寿命」は、平均寿命より6歳から8歳低いとも言われています。本来の寿命が来るまでに、病気で苦しんだり寝たきりになる期間があります。
 私が目指すのは、同じ長寿でも、病気の予防などに力を入れることで、「健康」な体の維持を重視する社会です。
 「健康」は、誰もが求める、世界共通のテーマです。「健康長寿社会」が構築できれば、必ずや日本から世界にも広がると信じています。

 新たなキーワードです。前述の下線部分ですが、まさにこの期間をどうするかですね。とはいえ、一朝一夕にはどうすることもできない話です。私はここの部分をどうするかが気になります。ここの部分の医療費ってたぶんすごいんですよね。お金の問題ではないという方がいらっしゃるかもしれません。しかし、私たち地方自治体の財政に関わっている者からすると、気になる部分なのです。

地方自治体が運営している「国民健康保険」「後期高齢者医療保険」、ここへの市民の方からの税金の投入。これは、本来のあるべき姿とは大きくかけ離れている実態があります。そこが最終形として修正できるような制度の作り込みになってくるとよいと思います。

(規制・制度改革)  その鍵の一つが、再生医療・創薬です。山中教授のノーベル賞受賞に象徴されるように、iPS細胞の利用など、この分野の「研究」で日本が世界一であることは間違いありません。
 この研究の強みを、さらに高めるために、私は、iPS細胞研究に対し、10年間1100億円程度の研究支援を行うこととしました。


 前政権では山中教授に洗濯機を有志で贈るというブラックジョークがあり、予算の上乗せの話もありましたが、明確に金額を大きく打ち出したのはよいことですね。研究開発に弾みがつくことを期待したいです。

 しかし、「実用化」では、日本は大きく出遅れています。治験中のものも含めた再生医療製品の承認状況を比較すると、米国97、欧州62、韓国45に対して、日本は6しかありません。
 再生医療の実用化・産業化を力強く進めるため、大胆に規制・制度を見直していきたいと思います。

 極度の規制社会日本からの脱却ですね。

えば、再生医療について、お医者さんが、患者さんの細胞を培養して移植する医療行為を行う場合、現行制度では、お医者さん自身が培養・加工を行わなければならず、外部に委託する仕組みがありません。

 極度の規制、許認可制度など省庁の権益の話がよく出ますが、このこと一つとっても、こういうことこそが「政治主導」なんじゃないでしょうか? たぶん、政治家の側が強く発言をしているのだと思いますけど違うのかな~。

 先日、東京女子医大の研究施設を訪問しました。
 早稲田大学の理工学部との医工連携により、「細胞シート」技術を利用して、培養を大量に行う自動化機械の開発が進んでいます。こうした技術が確立すれば、移植するお医者さん自身が培養を行うよりも、民間に外部委託することで、より安全で、安価な再生医療が可能となります。


 ポイントですね。早くこうなることを期待しています。

 現在、外部委託を可能とする新たな法案の準備を進めており、今国会に提出したいと考えています。

 「必要なことは政治もスピード感を持って対応する」ってものすごく大切だと思います。

 心筋シートなどの再生医療製品をつくる場合には、薬事法に基づく承認を受ける必要があります。これについても、審査期間を大幅に短縮できるように、少数の患者による有効性の確認でも市販を可能とする薬事法改正案を、今国会に提出し、早期に実用化できる環境を整えます。

 涙がでるほど感動的です。私だけかもしれませんが、「役所仕事独特のスピード感」と「役所の存在意義誇示」的時間のかけ方というのでしょうか、国の省庁の「権威主義」とでもいうのでしょうか、そんな感じのことからの脱却だとさえ思います。

 この法案では、医療機器についても大胆な規制緩和を行います。心臓ペースメーカーなどを除いて、民間の第三者機関の認証も認めることで、審査のスピードアップを図ります。

 「スピード」。国際競争にとっても大切なことですね。

 あわせて、医療機器の製造を請け負うメーカーを認可制から登録制に緩和することで、技術を持った「ものづくり中小・小規模企業」が、この分野に進出できるようにしたいと思います。

(日本版NIH)  私は、潰瘍性大腸炎という難病で、前回、総理の職を辞することとなりました。
 5年前に、画期的な新薬ができて回復し、再び、総理大臣に就任することができました。しかし、この新薬は、日本では、承認が25年も遅れました。
 承認審査にかかる期間は、どんどん短くなってきています。むしろ、問題は、開発から申請までに時間がかかってしまうことです。国内の臨床データの収集や治験を進める体制が不十分であることが、その最も大きな理由です。
 どこかの大学病院で治験をやろうとしても、一か所だけでは病床数が少ないので、数が集まらない。別の病院の病床を活用しようとしても、データの取り方もバラバラで、横の連携がとりにくい。結果として、開発などに相当な時間を要してしまいます。
 再生医療のような未踏の技術開発は、成果につながらないリスクも高く、民間企業は二の足を踏みがちです。そのため、新たな分野へのチャレンジほど、進歩は遅れがちです。
 こうした課題に19世紀に直面した国がありました。アメリカです。
 19世紀後半、多くの移民が集まり、コレラの流行が懸念されました。民間に対応をゆだねる余裕もなく、国が主体となって研究所をつくってコレラ対策を進めました。ここから、時代を経て、「アメリカ国立衛生研究所/NIH」が生まれました。
 国家プロジェクトとして、自ら研究するだけでなく、民間も含めて国内外の臨床研究や治験のデータを統合・集約する。そして、薬でも、医療でも、機器でも、すべての技術を総動員して、ターゲットとなる病気への対策を一番の近道で研究しよう、という仕組みです。
 その結果、NIHは、心臓病を半世紀で60%減少するなど、国内の疾病対策に大きな成果をあげています。さらに、現在、ガンの研究所やアレルギーの研究所など、全部で27の研究機関・施設を抱え、2万人のスタッフを擁して、世界における医療の進歩をリードしています。
 日本でも、再生医療をはじめ、「健康長寿社会」に向けて、最先端の医療技術を開発していくためには、アメリカのNIHのような国家プロジェクトを推進する仕組みが必要です。いわば「日本版NIH」とも呼ぶべき体制をつくりあげます。
 統一的な基盤をつくって国内外の臨床研究や治験について、データを統合し、製薬メーカー、機器メーカー、病院が一体となって取り組みます。
 官民一体となって、研究から実用化までを一気通貫でつなぐことで、再生医療・創薬など最新の医療技術の新たな地平を、私が先頭に立って切り開いてまいります。

 早速新聞記事がありましたので最後に引用添付させていただきました。

(難病対策)  先日、一人の女の子から手紙をもらいました。
 今年小学校を卒業したその女の子は、生まれつき小腸が機能しない難病で、幼いころから普通の食事はしたことがなく、すでに8回も手術を受けています。
 iPS細胞の研究への期待を込めながら、手紙はこう結ばれていました。
 「治療法が見つかれば、とっても未来が明るいです。そして、なんでも食べられるようになりたいです。」
 前向きに希望を持って生きていこうとしている、こうした小さな声にもしっかりと耳を傾け、応えていくことも政治の責任であり、役割です。
 特に、難病から回復して、再び総理大臣となった私には、難病で苦しむ人たちの視点に立った政策を進めていく、「天命」とも言うべき責任があります。
 「日本版NIH」を設立したあかつきには、国家プロジェクトとして、難病研究を一気に加速させていきたいと考えています。そのことにより、 現在、難病で苦しんでいる皆さんにも、将来に「希望」を持っていただける社会を構築してまいります。
 それこそが、あるべき「健康長寿社会」です。新たな産業につながる、成長戦略の柱として、進めてまいります。


読売新聞の記事で関連するものと思われるものがありました。
YOMIURI ONLINE より

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医療産業の海外展開、23社で新法人設立へ
 日本の医療機器や医薬品、医療サービスの海外展開を支援するため、官民共同で設置する新組織の概要が判明した。
 2011年に設立された社団法人「メディカル・エクセレンス・ジャパン」(MEJ)を改組し、同名の組織として近く活動を開始する。政府は医療産業を成長戦略の柱と位置づけており、海外の医療制度の情報提供などを通じ新MEJを支援する。
 新MEJは今月23日にも発足する予定で、島津製作所や富士フイルムといった最先端医療を支える医療機器メーカーなど23社が参加する。海外で病院などの建設事業が行われることを視野に、大手ゼネコンも参加に意欲を示している。
 政府は、先端的な医療機器や新薬の開発を進めるため、米国立衛生研究所(NIH)にならった日本版NIHを設立する方針をすでに固めている。NIHは開発、MEJは販売をそれぞれ支援することで、医療産業の発展につながることを期待している。
 現在のMEJは、日本に治療に訪れる外国人患者のビザ取得支援や病院紹介などを業務としている。政府はこれを「医療産業の海外展開の中核的役割を担う組織」(政府筋)に改める方針だ。
(2013年4月21日06時33分 読売新聞)



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