http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/0419speech.html

素晴らしかったです。
何とも閉塞感の強かった我が国ですが、顔を上げて、前向きに頑張ってみようかなって思うのは私だけでしょうか?

国の専権事項でもある外交において、自虐的に対処し、何もかもが内向きで、何とも言えないいや~な雰囲気だった民主党政権。それより何より素人集団の幼稚な政権運営が国民にもすっかり見透かされ、大衆迎合主義的市民運動家政権はまったく相手にされなくなり、再び自民党政権になりました。その期待の大きさは日本国内のみならず、世界経済をも刺激し、さらには外交へも良いサイクルを与え始めている感じです。

今回のスピーチは「力強さ」をものすごく感じましたし、少なくとも私のような素人でも、「あらゆる角度」「様々な視点」「全体像がきちんと連動している」「きちんと先を見据えている」等々、どこから見ても悪い意味での突っ込みどころはありません。

従来の総理記者会見とは明らかに違う、という印象を持ったのは私だけなのでしょうか?

というか、官邸の広報戦略って安倍政権になってから大きく変わったのではないでしょうか。総理の所作の一つ一つが演出され、徹底的にディレクションをされているように思えます。アメリカ並みになったかと、妙にうれしくなりました。

過去の自民党政権も悪いことをやっているのではないのに、見せ方がへたくそでした。知らせ方がへたくそでした。そして何より過去の自民党政権は傲慢でした。しかし、その傲慢な自民党政権がこの国を豊かにし、国民の生活をより良いものにし、世界でも有数の国にしてきたとも言えます。
確かに傲慢でよい時代背景もありました。

ところが、一つだけ間違っていたのは、まさに傲慢に「国民は政治家の言うことを聞いていればよい」という姿勢です。「一緒になって自分たちの国を良くして行こうよ」という姿勢がありませんでした。それが国民の政治意識の成長を阻んできました。情報閉鎖によりむしろ国民各位の政治への不信感、不満は増すばかり。そして、小爆発が細川政権のとき、大爆発が鳩山政権でした。

その後、徹底的に自民党も振り返ってくれました。世代交代も進みました。そして「こんなにも国民各位が心強く思う政権が今まであったのでしょうか」と言いたくなるくらい素晴らしいスピーチを述べる内閣総理大臣をいただくことができました。

もちろんスピーチライターさんがいるでしょう。でも今回は素晴らしい。ものすごい。細心の注意というか、細心まで本当に丁寧なものだと思います。
今までの総理でこんなにも素晴らしいものがあったでしょうか?

まず、この「1.はじめに」に僭越かつ図々しくもコメントさせていただきます。

1.はじめに  213年前の今日、閏4月19日、一人の男が、江戸を旅立ちました。日本最初の実測地図作成で、多くの方もご存じの伊能忠敬です。今日は、彼が、最初の地図を作るため北海道に向け出発した、記念すべき日であります。
 齢、55歳。すでに隠居していた伊能忠敬は、「人生50年」と言われた時代に、むしろ50歳から天文学を学び、測量を始めました。
 17年かけて、歩いた距離は4万km。地球1周と同じ。まさに執念の測量でした。そうして完成した地図は、その正確さに幕末にやってきた欧米人の人々も驚いたほどであった、と言います。
 いかに困難と思える課題でも、あきらめない強い「意志」があれば、必ず乗り越えることができる。「行動」を起こすのに、「遅すぎる」ということはありません。伊能忠敬の偉業は、現代の私たちを勇気づけてくれます。


この日の偉人のエピソードを交える。だいたいどうやってこのデータを見つけて、下線部に結びつけて導入部を語るのか。すごいとしか言いようがありません。最初に伊能忠敬の話があって下線部を語ったのか、伊能忠敬がめちゃくちゃ好きだったのか、等々考えただけでももう脱帽です。

政権発足からほぼ4か月)  遅れる復興、長引くデフレ、危機的な状況にある教育、傷ついた日本外交、主権への相次ぐ挑発。
 山積する国家的な危機に、政権発足からほぼ4か月経った今も、日々格闘しています。しかし、政治に「これだけやれば解決する」というような近道はありません。


非常に短い単語でこれから語るキーワードを並べています。

 伊能忠敬が、一歩一歩、歩きながら地図を作っていったように、一つひとつ、決断と実行を積み重ねていく他に、結果を出す道はありません。
 遅れる復興には、復興庁が前面に出て、現場と直結する体制をつくりました。私自身、毎月、根本大臣と被災地に足を運び、現場の声を聞き、復興の妨げとなっている手続きを見直すなど、地味ですが、一つひとつ答えを出してきました。
 2月にアメリカを訪問し、オバマ大統領との会談により、緊密な日米同盟の完全な復活を内外に発信することができました。その結果をふまえて、TPPへの交渉参加を決定しました。これからが、日本の外交力勝負です。


 「復興努力をしつつ内向きのみならず、外に向かうぞ!」とまず申し述べています。そして、アメリカ重視。そしてアジアだ、と。

 基本的な価値を共有する東南アジア3か国を皮切りに、先月はモンゴルを訪問いたしました。東アジアの今後の安定を築く上で、極めて有意義な訪問でした。世界地図を俯瞰するような視点で、戦略的な安全保障外交を展開していこうと考えています。
 他方で、北朝鮮が、挑発的な言動を繰り返すなど、日本を取り巻く安全保障環境は、依然厳しい状況にあります。


 とは言いながら、毅然とした態度で取り組むという強い姿勢を明確に打ち出しています。ここが素晴らしいし、安心できますね。

 私は、何としても、国民の生命と安全を守り抜く。その覚悟です。
 そもそも、挑発的な行動は北朝鮮にとって何の利益にもならない、むしろ状況はますます厳しくなる、ということを認識させねばなりません。
 そのためにも、国連が決議した制裁を各国が確実に実施するとともに、日本は、米国や韓国、中国、ロシアと連携しながら、挑発を繰り返すことのないよう、国際社会の一致したメッセージを出していきます。
 経済の立て直しに向けては、「三本の矢」を力強く射込んできました。
 「次元の違う」政策が必要、との認識のもと、従来の政策枠組みを大胆に見直す共同声明を、日本銀行との間にとりまとめました。2%の物価安定目標の実現に向けて取り組むことを明確にしました。黒田総裁らを新たに任命し、そのもとで、大胆な金融政策が果断に実行されています。
 補正予算も成立し、機動的な財政政策も、いまや実行の段階に入っています。
 その果実を一刻も早く国民に行き渡らせるため、私自身、「可能な限り報酬の引上げを行ってほしい」と産業界に直接要請を行いました。税制でも、利益を従業員に還元する企業を応援しております。
 今年の春闘では、ボーナスの満額回答など、従業員の報酬引上げを決めた企業が相次ぎました。
 4か月前と比べて、どうでしょうか。世の中の雰囲気は、明るくなってきたのではないでしょうか。
 街角景気のウォッチャー調査では、景況感が過去最高となりました。中小企業の景況感も、21世紀で最高の水準となる見込みです。
 しかし、ここで満足するわけにはいきません。この明るい兆しを、さらに力強く、持続的なものとしなければなりません。
 いよいよ「三本目の矢」である「成長戦略」の出番です。今日は、この場をお借りして、その一端をお話させていただきます。


経済を立て直すぞ。そろそろ批判的になってきているところを牽制する意味もあるでしょう。
前段でここ4ヶ月のこと言い、具体的に後に述べて行くことで再び国民の安心へと導く話になって行きます。