に行ってきました。
柏市豊四季台地区の「柏市における長寿社会のまちづくり」についてです。
http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/060200/p008553.html
このブログでも何度か紹介させていただいている「地域包括ケアシステム」。
今回は、委員と執行部の職員の皆さんも大勢参加でした。

さて、千葉県内の同じ中核市。中核市になったのは船橋市の方が先。保健所は柏市の方が先。この地域包括ケアシステムの産官学連携によるモデル事業も先行しているようです。というか、本当のところの進捗は船橋市ともあまり差異はないのですが、「見せ方」が違います。

今、このブログを書きながらネット検索をしますと、まあ、いろいろとヒットします。上記のURLだけで、いろいろなところへリンクがはられていますが、
http://www.pp.u-tokyo.ac.jp/HPU/seminar/2012-08-18/documents/3_3_Matsumoto.pdf
などから、数回の発表等を含め、資料も整理が進み、より精度の高い、わかりやすいものになっているようです。

さて、視察をさせていただいて感じたことは、まずはこの事業を大学も含めて市、UR都市機構、地元医師会など関係諸機関が同じ方向を向いて、同じ問題意識を持っていることです。

船橋市の場合はどうでしょう?
公益社団法人船橋地域福祉・介護・医療推進機構 は、その意識が高く、真摯に取り組んでいただいておりますが、地元医師会は呼吸が合っていない感じです。歯科医師会や薬剤師会はしっかり市の意識と考えも同じようです。さらには看護師、ケアマネージャー、地域包括支援センター、介護、リハビリなど他職種の方々ともしっかりと呼吸が合い、作業が進んでいる感じです。

また、ベッドを持つ病院は、ちょっとまだ「積極的」とまで行っていない感じです。その後、医療センターの関係者の皆さんと話す機会がありましたが、医療センターのみならず病院は、「地域連携室」など地域連携のセクションが開業医の先生方と「個別」の関係・システムの構築をしています。団体として動いてくださる歯科医師会や薬剤師会などの団体は団体で、団体をまとめられない団体は個別にということでよろしいのかもしれません。

長崎市に視察に伺ったときも、医師会ではなく、認定NPO法人長崎在宅Dr.ネット が、しっかりとした意識をお持ちで、積極的に活動をしていました。逆にそれらを視察しても団体の長が何も感じず、「できない理由」を並べる団体とは大きな違いです。

参考までに、昨年(平成24年)7月5日の健康福祉委員会参考人招致での発言を掲載しておきます。

○長谷川大委員 お話はそこまでで結構である。別の質問をさせていただく。地域包括ケアシステムを厚生労働省も推奨して、やってくださいということで、会長も多分長崎の方に行かれたと思うがこのことについて会長はどのように考えているか。
○医師会会長 どこにか。
○長谷川大委員 地域包括ケアシステムに関して会長も長崎に医療懇で視察に行かれたと思うが、これからああいう事業が大切になっていくと思う。そういうことで市のほうともいろいろと連携をお願いすることになるのだと思うが、このことについて、会長ご自身はどのようにお考えか。
○医師会会長 あそこは住民の方が船橋市医師会の半分ぐらいで、ドクターは医師会と同じぐらい会員がいる。2世、3世のお医者さんが多い。お医者さんが十分充足されている。船橋市医師会の会員は670名だが、61万の市民に対して、まだまだ医師不足である。あそこは一つの包括支援センターの組織ができると、うらやましいことに管理医がドクターである。ところが、個別のところに医者を回すことは不可能である。
だから、やらなければいけないが、長崎と船橋では余りにも比較が難しい。向こうは医者の人数があって、住民が半分、それから原爆とか、いろいろなところで助成金がいっぱい出ている。こちらは人数が61万、62万に関して670名なので、そこまでなかなか手が回らない。組織の上では、別の地域から医者を連れてくる。
実を言えば、1人の管理医がいて、そこの中でやってくれるのが理想的である。長崎のように、スムーズに今まで勤務された先生がすぽっとそっちに入れるようなシステムがあれば理想的だと思うが、長崎と比較すると、まだまだ医師不足で、やりたいのはやまやまだが、そこまで全力を挙げていくには、夜急診、ドクターカー、産業医もあって、理想はやりたいが、そういうことである。

もう完全に「できない理由」を申し述べています。

○医師会副会長 補足させていただく。地域包括ケアシステムは、船橋市が過去に在宅医療も含めて、介護との連携も含めてやってきたことを、悪い言葉で言えば、厚労省がぱくったような形で、船橋市は現時点でもかなりできている。医師会は、認知症ネットワーク、リハビリテーション病院と一緒になって、地域リハビリテーションの協議会も含めて、シンポジウムなどを既にやっている。在宅医療委員会も最近復活して、先日は緩和ケアの勉強会も医療センターで行われた。これはすべて船橋市医師会が引っ張ってやっている自負がある。地域包括ケアシステムを船橋としてどういうふうに完成させるかは、これから努力していく必要があるが、今まで先輩たちが頑張ってきたことをそのまま延長して、継続していければ、私は全国に先駆けていいシステムがつくれるのではないかと思っている。
ただ、先ほど長崎の話が出たが、長崎の人口は約40万で、船橋は60万で、3分の2である。ところが、国保ベースの医療費は同じである。40万のところに60万クラスの医療費が使われている、これは船橋の医療費と比べて。先ほど会長は医者が充足されていると言ったが、充足されているということは、それだけ医療費がかかっていると思う。船橋は、長崎とは置かれた状況が違うので、船橋はコストをかけないで、しっかりとした市民サービス、医療サービスが提供できるように、船橋市医師会は行政と協力していくつもりだし、現時点でも我々は頑張ってやっていると思っている。
○長谷川大委員 今、玉元副会長が言ったとおり、僕が尊敬する高木恒雄先生の時代に、在宅ケア、在宅医療を船橋の医師会の先生方が一生懸命取り組んでいただいて、それが今言ったような話でありながら、発展させることがうまくできなくて、深沢会長の話だと、手が回らないという話だったが、余り今後は協力いただけない。手が回らないという話だったのと、玉元副会長の話だと……?
○医師会会長 当然やるべきだが、長崎との比較だと、長崎は人口の割にそれなりにドクターがいるので、在宅往診も全部やっている。我々はそこまで手が回らないのは事実である。向こうにはいろいろな環境があり、原爆などで、ドクターに対する援助が非常に多い。私の個人的な意見だが、その辺でうまく回っているのではないかと、私の個人的な意見だがそう思っている。一つの施設に入れていただく以上は、デューティーはあると思う。入る以上は、それなりの連携プレーを充足させなければいけないということは百も承知なので、実は会員に委託事業でもいろいろなことで泣いてもらっているが、基本的には連携プレーが一番大事なので、包括支援センターは、これからはぜひ足らないところは補ってやっていくつもりである。

唖然呆然です。厚労省がパクったとか、システムそのものを理解できていない。パクったと言いながら、その先輩たちを排除しているという噂も聞きます。さてさて…。

私としては、医師会と市が一体になって市の保健・福祉行政を引っ張ってくださっていた頃に早く戻ってほしいと願っています。そのことがこの壮大な事業をより早く構築していくことになりますので。