船橋市役所の人事異動って、どうなんざんしょ?

私が会社員だった頃、人事異動に一喜一憂していましたが、通常は事業の最初から関わる者、次の段階で関わる者、さらにその次の段階で関わる者、そして脱落していくもの(その事業遂行において適正に欠けるもの)となって、事業が形になると、今度は、最初に異動していく者、次の段階で異動していく者という感じで行われていました。

入社時は、既に行われている事業であるショッピングセンターの管理・運営業務の中の販売促進がスタートでした。その後、販売促進の一環で小さな映画館の運営業務も担当しました。入社1年目の年度の終わり頃に、新規事業の可能性が出てきたため、中国人の受入、アテンド業務を販売促進に在籍のまま行ったのが3月でした。

4月には異動。新規ホテル建設プロジェクトの最初のメンバーでした。西安プロジェクト準備室配属です。5月には現地視察へ。年が明けた1月には現地赴任。設計図面などガンガン上がってきた記憶があります。アテンドをした3月に基本契約、基本設計開始で、秋には図面を見ていた記憶があります。そこで工事費の積算も並行して進み、現地に入って現場事務所の立ち上げから、開業準備室の立ち上げなどをしながら作業を進め、竣工、開業、運営と進んでいって、営業を担当し、天安門事件があり営業立て直し、一段落ついたところで退職を希望し、屋内スキー場の部門に異動し、有給休暇の消化をさせていただきました。

その間、概ね6年間、海外新規ホテル開業プロジェクトに携わりました。と、このクールで技術系の後輩も新入社員としてこのプロジェクトに入り、竣工後に新たな建設プロジェクトに異動していきました。

このプロジェクトは、最初から何度か部署名が変更されたり、会社を設立したりと、めまぐるしく名刺が変わった記憶があります。とはいえ、行う事業は一貫していて、なんら問題はありませんでした。退社後も先輩後輩と交流があって、人事異動が話題になるのは日常茶飯です。

基本はショッピングセンターの管理運営の会社ですから、そのことを中心に人材育成が行われ、適性を把握しながら人員配置をし、判断に間違いがあればかなり早めに再度の異動などが行われていました。

何が言いたいか。一つは「適材適所」って言葉がありますが、それに加えて「人材育成」「人格形成(ちょっと無理がありますが)」と、「モチベーションの維持、醸成」等々があると思います。そのモチベーションを保つための異動は、「ジェネラリストの育成」であればきちんとそれがわかる方法をとるべきですね。

今回、船橋市の4月1日の人事異動を見た時、外から「情」を抜きにして言わせていただくと、「いいんじゃない」と思うのです。課長さんクラスでドラスティックに部署が変わった方がいるとは思いますが、それは役所の「あなたへの期待」だと思うのです。

「ドラスティックに変わる」のは、俯瞰できる幹部職員の育成でしょう。補佐やその下くらいの方々もそうです。何年か前の失敗をきちんと踏まえているのだと思います。人事なんてそんなもんでしょう。

ただ、ある期間で完成形を作る事業などは、変えるべきではないですね。まあ、いままで、庁内の業務を全体的に俯瞰して見て、組織をいじったりする機能が弱かったですし、人事異動に反映させるシステムもなかったのでしょう。「あの仕事をしっかりやっていた彼が途中で投げ出す形じゃん!」であってはいけませんね。

うまく表現できていませんが、人事構想って、組織・業務内容を常にウオッチしているべき課と、人事を司る課と、各部門の上長とで、常に情報を交換しながら一年がかりくらいで走りながら練るべきではないでしょうか?

私は、まあ、いいんじゃないと思いますが、丁寧さが足りないのは明らかだと思います。むしろ乱暴かな、と。これじゃあ若い職員の方々のモチベーションもさることながら、全体的に上がらないでしょうね。

人事を司る責任ある立場の方は、妥協はダメですね。ここでいう妥協とは世の中ではあり得ない「人事異動の理由」です。