市長の市政執行方針です。
あえてコメントは無しにします。気になる部分だけ示しておきましょう。
過去に例を見ない出来であると、評価をする人もいるようです。
ページ数も4ページほど減らし、内容が濃いものになったそうです。
議員各位におかれましては、私が下線を引いた部分について、質問していただけたらいいなと思います。

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 本日ここに、平成25年第1回市議会定例会を招集し、提案いたしました諸案件のご審議をお願いするにあたり、平成25年度の市政執行方針について所信を申し述べたいと存じます。

 未曾有の被害をもたらした東日本大震災の発生から、まもなく2年が経とうとしております。本市からも震災以来今日まで、延べ177名の職員が現地におもむいて、捜索救助から医療・保健活動、復旧・復興の支援等に携わってまいりました。

 被災地の自治体や住民の皆様のご努力、国を挙げての取り組みや国内外からの支援により、日本は復興に向けた歩みを着実に進めておりますが、現地ではいまだ、地域社会の再生や産業・雇用対策、がれきの処理、原子力災害からの復興など、数多くの課題が残されております。

 国民全員が被災地の皆様と心をひとつにして、辛抱強く課題の克服に努め、この震災から学んだ教訓を決して忘れることなく、強い危機意識を持って、それぞれの地域で防災・減災対策や地域の絆づくりに取り組む必要があろうと思います。

 本市におきましては、地域防災計画の改定にあたり、東日本大震災の教訓を受けて、津波対策の強化や帰宅困難者対策、災害対策本部の体制や避難所運営体制の整備など、新たな視点を取り入れた大幅な見直しを行いました。また、小中学校を始めとする公共建築物の耐震改修や、避難所等の備蓄品の充実、民間施設11か所を含む津波一時避難施設の指定など、防災・減災対策に全力で取り組んでおります。

 こうした取り組みを途絶えさせることなく、引き続き、市民や事業者、関係機関の皆様のご協力をいただきながら、災害時に不可欠な人の力・地域の絆を強めてまいりますとともに、市の最重要課題の一つとして、災害に強いまちづくりを強力に進めていかなければならないと、改めて思うところでございます。

 昨年は国内外の情勢が大きく変化した年でもあり、国内においては、先の衆議院議員選挙の結果を受けて政権が交代いたしました。

 世界経済は欧州債務問題等の影響で先行き不透明な状況にあり、国内経済も、世界経済の減速等を背景とした生産・輸出の減少や若年雇用の減少など、閉塞感を拭えない状況が続いております。

 日本社会が震災からの復興のほか、景気の低迷や巨額の財政赤字、社会保障問題など数多くの困難に直面しているなか、昨年12月に発足した新内閣は、「復興・防災対策」や「成長による富の創出」、「暮らしの安心・地域活性化」などを柱とした緊急経済対策を打ち出しました。日本経済の再生を目指す政府のこうした動きを受け、過度な円高の修正や株価の回復が進むなど、すでに明るい兆しが見え始めております。今後は、地域経済や地方財政にもさまざまな効果をもたらしてくれるものと期待しております。

 さて、私は、先の定例会にて、今期をもって退任する意思を表明いたしました。平成9年に初当選して以来、4期にわたり、船橋の発展と市民生活の向上のため、誠心誠意、努めてまいりました。市民の皆様、議員の皆様には、船橋市政の舵取りをするという機会を与えていただいたこと、また、長きにわたり支えていただいたことに心から感謝を申し上げます。

 この16年間というもの、私は「生き生きとしたふれあいの都市・ふなばし」を基本理念に掲げ、一貫して、船橋に住むすべての皆様が「住んで良かった」と誇りに思えるまちづくり、「住み続けたい」と心から感じていただけるまちづくりを目指してまいりました。

 「開かれた清潔な市政」を標榜して初当選した際には、就任後、いち早く交際費の全面公開に踏み切るとともに、当時23あった地区コミュニティのすべてで市政懇談会を開催いたしました。

 公設公営による放課後ルーム事業を開始するまでには大きな苦労もありましたが、その後まもなく全小学校区に放課後ルームを設置し、現在では数多くの子どもたちが日々利用しております。

 平成15年4月には、県内初となる中核市への移行を果たしました。中核市事務の一環として、保健所を市が運営するようになったことにより、新型インフルエンザが発生した際にも、的確に対応することができたと思っております。

 この時期にはまた、船橋駅南口再開発ビル「フェイス」がオープンし、平成18年11月には、数十年来の懸案であった京成本線高架化が完成いたしました。

 平成20年4月には、急性期医療を担う医療センターの向かいに、回復期医療を行うリハビリテーション病院を開設いたしました。また、医療センターにつきましては、救急医療を主体として、地域がん診療連携拠点病院等の役割を担うほか、平成22年1月に東葛南部保健医療圏で初の緩和ケア病棟を開設するなど、市の中核病院として、市民の安心の確保に寄与しております。

 立ち遅れていた公共下水道の普及率は、就任当時の37%から平成23年度末には75%へと向上し、25年度末には80%に達することを目指しております。

 厳しい財政状況の中ではございましたが、限られた行財政資源を有効に活用して、子育て支援や教育・福祉、保健・医療、市民生活に欠かせない都市基盤の整備などに取り組んでまいりました。

 この間に船橋市の人口は、平成9年当時の54万人から61万人へと、7万人の増加を記録いたしました。また、千葉県の人口が減少に転じた今日においても、本市の人口は増加傾向を続けており、今後も伸び続けるものと予測されております。

 これは、古くから住む皆様にも、新たに市民となられた皆様にも、「船橋に住んで良かった」と思っていただけるまちづくりを目指して、今日まで取り組んできた市政運営の一つの成果であろうとも思っております。

 しかしながら、今後は一層、高齢化が進むことから、介護サービスや高齢者福祉、保健・医療等の需要の増大に、いかに応えていくかという大きな課題に直面しております。

 一方、14歳以下の年少人口は、近年、横ばいの状況ですが、一部の地域では小中学校の教室不足といった課題が生じており、また、保育需要の伸びが著しく、保育所の待機児童対策が急務となっております。

 経済面では、長引く景気の低迷や国際競争の激化等を受けて、本市の地域産業にとっても厳しい状況が続いており、経営基盤の強化や地場産業の育成、ブランド化といった取り組みが求められております。

 さらには、昨年末に発生した笹子トンネルの事故を契機として、高度経済成長期に建造された都市基盤の老朽化が社会問題となっておりますが、人口急増期に整備した施設を数多く抱える本市においても、橋りょうや護岸、下水道といった都市施設の老朽化が課題となっております。小中学校を始めとする公共建築物とあわせて、こうした都市施設の保全・更新や耐震化も進めていかなくてはなりません。

 本市の財政は、幸いにして現在、健全な状況となっておりますが、前述のように取り組むべき課題は山積しており、財政への負担も多大なものがございます。引き続き、効果的・効率的な行財政運営に努めながら、これらの課題に対応していく必要がございます。

 「生き生きとしたふれあいの都市・ふなばし」の総仕上げの意味を込めて、昨年度、「船橋市総合計画・後期基本計画」を策定し、議会の議決をいただいて、平成24年度からスタートさせたところでございます。

 地に足のついた市政運営を心掛けてきたこともあり、この計画に基づいて現在取り組んでいる事業の多くは、市民の皆様の暮らしに直結した事業、あるいは、未来の市民のために、今、手掛けておかなければならない必要性の高い事業となっております。

 また、目まぐるしく変化する社会経済情勢のなか、本市におきましても災害への備えを始めとする喫緊の課題が数多くございます。

 このようななか、市政に空白期間を作ることはできないと考え、平成25年度につきましては、後期基本計画及び実施計画に掲げた施策や事業の継続と、喫緊の課題への対応を中心に予算編成を行いました。

 この予算に沿って事業を行うことにより、現在と未来の船橋にとって必要不可欠な施策を着実に進めつつ、次代に引き継いでまいりたいと思います。

 後期基本計画では、重要なまちづくりのテーマを「めざすまちの姿」という形で掲げております。そこで、平成25年度において特に重点的に進めていきたい施策を、6つの「めざすまちの姿」に沿って申し上げたいと思います。

 はじめに「非常時への備えのあるまち」ですが、これは、東日本大震災の教訓を受けて、「めざすまちの姿」の筆頭に掲げたものでございます。今後30年の間に70%の確率で発生すると言われる首都直下地震など、大規模な災害に対する市民の不安感は非常に高いものと実感しております。

 防災対策にはこれまでも全力で取り組んできましたが、平成25年度は、新たに危機管理監を置いて、防災・危機管理体制の更なる強化を図ってまいります。

 また、大地震発生時に、応急対策や復旧・復興業務のほか、非常時にも必要な最低限の業務を行いながら、市の業務を段階的に回復させていくための業務継続計画を策定いたします。あわせて、地震や津波の危険度予測を示した防災ハザードマップの全戸配布などを行ってまいります。

 さらに、行田の国家公務員船橋体育センター跡地に「福祉と防災の拠点づくり」を計画しておりますが、この一画に、物資の集積・配送拠点となる(仮称)防災備蓄センターと、災害時に緊急消防援助隊の活動拠点となる多目的運動広場を整備するため、用地取得と造成を行ってまいります。

 災害発生時には、ガソリンや軽油の供給が止まり、災害救助活動への影響が懸念されることから、北消防署小室出張所敷地内に自家用給油取扱所を設置して、消防車両等の出動に必要な燃料の確保を図ってまいります。

 避難所に関しましては、新たに宿泊可能避難所として指定した県立高校及び日本大学理工学部と、災害時に要援護者を受け入れる福祉避難所に備蓄品を整備してまいります。また、宿泊可能避難所に必要な最低限の電力を太陽光発電により確保できるよう、学校施設を対象として、太陽光発電設備の設置可能性調査を行います。

 このほか、地震発生時に倒壊するおそれのあるコンクリートブロック塀等につきましては、通行者への被害を防止するため、撤去費用の一部に助成を開始いたします。

 市有建築物の耐震化につきましては、小中学校の耐震化を平成27年度中に完了させるため、船橋小学校、前原中学校、湊中学校の建て替えを始めとする校舎・屋内運動場の耐震整備を、国庫補助金等を活用しながら着実に進めるとともに、中央保育園ほか4園の園舎の建て替え、高根保育園ほか2園の耐震補強工事、市立高校の教室棟や特別支援学校の分校校舎、運動公園体育館の耐震補強工事などを進めてまいります。

 また、老朽化した新船橋橋の架け替え工事に向けた実施設計、新港大橋の耐震補強工事を行うほか、老朽化した市有護岸の耐震対策を含めた改修事業に着手いたします。

 2番目は「安心して暮らせるまち」です。

 高齢化が進む一方で地域のつながりが薄れつつあるなか、保健・医療・福祉や日常生活などのさまざまな面から、市民の皆様が安心して暮らせる環境が求められております。

 平成25年度は、中核市移行以来の懸案であった新保健所を整備するための(仮称)保健福祉センターの建設工事が、平成27年度の開設に向けていよいよ始まります。保健所機能のほか、保健センター、夜間休日急病診療所、こども発達相談センター、地域包括支援センター等の機能を有するこの施設を拠点として、保健・医療・福祉サービスの一層の充実と連携を図ってまいります。

 また、ケア・リハビリセンターに、地域で生活しながらリハビリを行う方のための診療所と訪問看護ステーションを開設するため、指定管理者の選定と施設改修を行います。

 行田の国家公務員船橋体育センター跡地には、重度の身体障害者のための生活介護事業所を開設するため、用地取得と事業者の選定を進めてまいります。

 救急医療の面では、AED(自動体外式除細動器)を、身近な場所でいつでも市民が利用できるように、新たに事業者の協力を得て、市内に約200店舗ある24時間営業のコンビニエンスストアに設置してまいります。

 高齢者福祉施設の入所待機者対策といたしましては、施設整備費への補助を通じて、特別養護老人ホームの定員を422床増やすほか、認知症高齢者のためのグループホームや低所得者対応の地域密着型特定施設、ショートステイについても定員増を図ってまいります。

 また、市民が、住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、ニーズに応じた医療・介護サービス等が受けられる「地域包括ケアシステム」の実現を図ってまいります。その一環といたしまして、在宅医療を推進するために組織される「(仮称)船橋在宅医療ひまわりネットワーク」の活動を支援いたします。

 高齢者や障害者など災害時に支援を必要とする災害時要援護者につきましては、引き続き台帳の整備を進めるとともに、ご本人の同意を得ながら地域ぐるみで支える体制を整えるため、船橋市社会福祉協議会とともに、地域の見守り活動を支援してまいります。

 さらに、バリアフリー化や安全に歩けるみちづくりなど、安全で暮らしやすいまちづくりにも引き続き力を注ぐ必要がございます。その一環として、東武野田線船橋駅の転落防止用ホームドアや、東葉高速線東海神駅のエレベーターなどの設置事業に補助を行い、鉄道駅のバリアフリー化を進めてまいります。

 交通不便地域への支援といたしましては、これまでバス運行の実験を行ってきた八木が谷ほか2地区を対象に、本格運行に係る費用の一部を助成してまいります。また、医療センターへのアクセス対策といたしまして、北習志野駅及び飯山満駅から、バスの試験運行を行ってまいります。

 3番目は「未来へつなぐ恵み豊かな環境のまち」です。

 恵み豊かな東京湾に面し、水と土壌に恵まれた谷津を有する船橋では、古くから、自然を活かした暮らしが営まれてきました。現在でも、北部の樹林や谷津田、南部の三番瀬など、豊かな自然が都市の中に息づいております。本市の魅力であるこれらの自然を守り、次の世代に伝えていくことは私たちの責務でもございます。

 そこで、市内の自然が都市化や地球温暖化、外来生物等のさまざまな脅威にさらされるなか、生物多様性の確保と持続可能な利用に関する基本事項を定めた「生物多様性地域戦略」を策定するため、平成25年度から2か年で自然環境調査を実施いたします。

 また、子どもたちが船橋の自然とふれあうことのできる場づくりとして、アンデルセン公園の拡張整備を引き続き行うほか、東日本大震災の被害を受けたふなばし三番瀬海浜公園については、プール跡地を中心に、干潟の自然に親しみながら環境学習が行える体験型の施設を整備するため、準備を進めてまいります。

 ごみ処理体制の整備といたしましては、平成29年度からの稼働開始に向けて、北部清掃工場の設計・建設に着手いたします。一方、南部清掃工場の建て替えにつきましては、PFI方式の導入可能性調査を行います。

 4番目は「笑顔があふれる子育てのまち」です。

 全国的に少子化が進む時代であるからこそ、子どもを産み育てやすく、子どもたちの笑顔があふれるまちづくりがますます必要です。特に、船橋の場合は、子育て世代を始めとする若い層が流入・定住することで発展してきたという面がございます。人口減少の時代においても、本市が引き続き活力を維持していくためには、子育て支援の充実が不可欠となってまいります。

 こうしたなか、昨年8月、幼児期の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援の総合的な推進を目的とした、いわゆる「子ども・子育て関連3法」が成立したことを受けて、平成27年度から、幼稚園・保育所・認定こども園共通の給付が開始されるなど、「子ども・子育て支援新制度」が始まる予定でございます。このため、子育て家庭のニーズ調査を実施するほか、事業計画の策定に向けて会議を立ち上げるなど、新制度への準備を進めてまいります。

 また、先ほども申しましたが、保育需要の高まりを受けて、保育所の待機児童対策が喫緊の課題となっております。保育所につきましては、ここ3年間で約1千名の定員増を図ってまいりましたが、平成26年度を目途に新たに460名の定員増を行うため、平成25年度は、私立保育所4園の新設に対して建設費の一部を助成いたします。なお、このほかに、平成25年度中に利用が開始される公立保育所の改築により80名、私立保育所の新設・改築により188名の定員増を予定しております。

 小学校ごとに開設している放課後ルームにつきましては、引き続き船橋放課後ルームの改築を進めるとともに、前原放課後ルームを増設するなど、定員の拡充を図ってまいります。

 児童・生徒の増加にともなう小中学校の増築につきましては、三咲小学校の校舎増築を引き続き行うほか、坪井小学校の校舎や坪井中学校の給食棟の増築を行い、教室やランチルーム不足の解消を図ってまいります。

 さらに、学校施設のバリアフリー化として、小室小学校及び旭中学校にエレベーターを設置するための実施設計を行ってまいります。? 家庭での子育てを支援するためには、子育て支援センターや家庭児童相談室での相談事業や、地域との連携を通じて、育児不安の解消に引き続き努めてまいります。

 このほか、障害のある子どもたちの通園及び相談支援の施設として、児童発達支援センターを行田の国家公務員船橋体育センター跡地に開設するため、用地取得や事業者選定を行ってまいります。

 また、子育て世帯の経済的な負担を軽減するため、子ども医療費助成の対象を、平成25年8月診療分から通院分も中学生まで拡大し、自己負担金の見直しとあわせて、中学校3年生まで入院・通院の医療費助成を行ってまいります。

 5番目は「人が集まる元気なまち」です。

 全国的に人口が減少する時代にあって、船橋が今後とも活力を維持・向上させていくためには、都市としての魅力を高めていくことが必要です。

 市内には、一日の乗客数がJR東日本で県内1位の船橋駅、2位の西船橋駅、5位の津田沼駅があり、広域な商圏を持つ商業施設も複数ございます。また、商工業だけでなく、都市農業や歴史のある漁業など、さまざまな産業が活発に営まれております。

 「人が集まる元気なまち」の実現のためには、こうした船橋の魅力をさらに高めて発信していくことのほか、地場産業の活性化や育成等を通じてまちの活力を高めること、また、道路の整備など、快適で暮らしやすい都市環境を整備することが必要となってまいります。

 そこで、船橋の魅力を内外にアピールする取り組みの一つとして、「ふなばしセレクション」での産品ブランドの認証や販売支援、朝市の開催、地域団体商標に登録された「船橋にんじん」の農産物ブランド化と販路拡大の支援などを引き続き進めるとともに、平成 25年度は海苔やアサリ、スズキといった水産物についてもPRを進めるため、直売所の設置や移動販売車の導入を支援してまいります。

 また、中央卸売市場につきましては、国の第9次中央卸売市場整備計画において再編基準に該当したことを受けて、平成26年4月から地方卸売市場に転換することを予定しております。これを機に、より魅力と賑わいのある卸売市場へと再生・発展させていくため、地方卸売市場に転換後の経営展望を策定いたします。

 工業に関しましては、製品開発に挑戦する企業に対し、自社製品の試験データ収集に係る経費を助成するなど、支援を行ってまいります。

 本市の玄関口である船橋駅につきましては、現在、JR東日本が南口に駅ビルの建設を進めておりますが、これとあわせて、既存のペデストリアンデッキの延伸を図ってまいります。

 また、運動公園につきましては、利用者のニーズにあった魅力のある施設としてリニューアルするため、老朽化した競技用プールの改修にあわせて、レクリエーション機能を備えたプールを整備するための実施設計と、駐車場を確保するための基本設計を行ってまいります。

 道路整備につきましては、JR船橋駅周辺を南北に抜ける都市計画道路3・3・7号線などの整備を引き続き進めるとともに、3・4・25号線については高根木戸近隣公園周辺等の新規区間に着手いたします。また、生活に密着した道路や歩道の整備、交差点の改良などを引き続き進めてまいります。

 さらに、将来的な交通需要を踏まえた道路網の整備を行うため、平成25年度から2か年で、都市計画道路の見直しの検討を含む総合都市交通計画の策定を行ってまいります。

 6番目は「市民に愛され、育まれるまち」です。

 船橋では、市内26の公民館を拠点に活動する学習サークルや、高い加入率の町会・自治会、24地区コミュニティすべてに設置された地区社会福祉協議会、市民活動団体等により、生涯学習や地域活動が活発に行われております。

 近年は、団塊の世代が定年退職を迎えるなど、元気な高齢者が増加しており、学習や活動への参加ニーズはますます高まっております。

 船橋に暮らす皆様が市に愛着や魅力を感じ、ふるさととして誇りに思っていただけるように、学習の場や文化に親しむ機会の充実、地域活動の支援等にこれまでも取り組んでまいりました。

 平成25年度は、市民公益活動の支援やふなばし市民大学校の充実、ふなばし市民まつりなどの市民に親しまれたイベントの開催に加え、オーデンセ市との姉妹都市提携25周年を記念して、アンデルセン公園にて「花と緑のフェア」を開催いたします。

 学習環境の整備といたしましては、浜町公民館の建て替えを平成26年度の開館に向けて引き続き進めるほか、老朽化した北部公民館・豊富出張所の建替工事に着手いたします。

 東日本大震災で被災した西図書館につきましては、移転による建て替えを平成28年度までの4か年で行うとともに、旧図書館施設は平成26年度までに解体工事を行い、跡地を緑地として整備いたします。

 また、船橋のあゆみを伝える郷土資料館につきましては、平成26年度に耐震補強工事とあわせて展示室の改修とエレベーターの設置を行うため、実施設計を行います。

 さらに、市が所有する美術品の活用や市の美術館のあり方について検討するため、美術館関係者等からなる(仮称)美術館運営検討委員会を設置いたします。

 これらのほか、市民に親しまれる市役所を目指して、本庁舎1階フロアについて、わかりやすい案内表示や発券機の導入、高齢者や障害者に配慮したカウンターの設置など、大幅な改修を行い、サービスの向上とイメージアップを図ってまいります。

 以上、平成25年度の主な事業について申し述べてまいりました。次に、平成25年度予算の概要についてご説明いたします。

 一般会計につきましては、歳入において、市税が、法人市民税を中心に増収が見込まれ、市税全体では、前年度比1.6%、14億6480万円の増収を見込んでおります。

 また、地方交付税につきましては、引き続き平成25年度においても普通交付税の交付が見込まれることから、普通交付税を53億6000万円計上し、また、特別交付税を4億円計上いたしました。

 一方、歳出につきましては、社会保障関係経費がますます増加するなか、先ほど挙げさせていただきました主な事業を中心に、重点的に予算を配分いたしました。

 なお、不足する財源につきましては、財源調整基金から46億円を繰り入れるほか、臨時財政対策債を61億7180万円計上するなどで対処いたしました。

 その結果、一般会計の予算規模といたしましては、前年度比3.3%増の1792億円を計上いたしました。

 次に、主な特別会計についてご説明いたします。

 国民健康保険事業につきましては、被保険者の保険料の負担軽減などを図るため、55億7070万円を一般会計から繰り入れ、歳入歳出603億5500万円を計上いたしました。

 下水道事業につきましては、さらなる下水道普及率の向上を目指して、高瀬及び西浦下水処理場の施設整備や各処理区の幹線管渠等の整備及び面整備を進めてまいります。これらの経費として一般会計から55億6000万円を繰り入れ、歳入歳出212億5000万円を計上いたしました。

 小型自動車競走事業につきましては、引き続き開催運営を民間業者に委託し事業運営を行い、施行者としての利益を確保してまいります。これらの経費として歳入歳出64億600万円を計上いたしました。

 船橋駅南口市街地再開発事業につきましては、再開発ビルの管理・運営などの経費として、一般会計から4億9750万円を繰り入れ、歳入歳出14億2500万円を計上いたしました。

 介護保険事業につきましては、平成24年度から3か年にわたる介護保険事業計画に基づき、介護給付や予防給付を行うとともに、高齢者が地域において自立した生活を継続できるよう支援する地域支援事業を行ってまいります。これらの経費として、一般会計から46億9725万円を繰り入れ、歳入歳出311億700万円を計上いたしました。

 後期高齢者医療事業につきましては、75歳以上の高齢者などを対象とした医療制度を運営するため、保険料の徴収などを行ってまいります。これらの経費として、一般会計から6億8630万円を繰り入れ、歳入歳出52億2400万円を計上いたしました。

 特別会計の総額といたしましては、前年度比0.1%増の1258億6700万円を計上いたしました。

 次に、企業会計についてご説明いたします。

 中央卸売市場事業につきましては、平成26年4月からの地方化に向けて、今後の市場運営と行動計画を内容とする経営展望を、平成24年度から引き続き2か年で策定するほか、必要な改修工事等を行ってまいります。これらの経費として、11億9900万円を計上いたしました。

 病院事業につきましては、地域の中核医療機関として、市民の皆様の医療ニーズにお応えするため、救急医療を主体とする急性期医療や高度医療、緩和ケアなどを提供してまいります。これらの経費として、172億4000万円を計上いたしました。

 企業会計の総額といたしましては、前年度比4.5%増の184億3900万円を計上いたしました。

 以上、全会計で前年度比2.1%増の3235億600万円を計上いたしました。

 このたび上程いたしました平成25年度予算には、市民の皆様が安全に安心して生き生きと暮らしていくために、必要な事業を盛り込むことができたものと考えております。

 豊かな環境と地の利に恵まれ、産業が息づき、61万市民の皆様が生き生きと暮らす船橋は、限りない底力と魅力を有した都市であると感じております。  

 市長としての任期は残り4か月あまりとなりましたが、市政を停滞させることなく、「住んで良かった」「これからも住み続けたい」と思えるまちづくりを、次代に引き継いでまいりたいと思っております。

 子どもたちの笑顔があふれる未来の船橋のため、市民生活の向上と船橋の更なる発展のために、最後まで誠心誠意、全力で取り組んでまいる所存です。

 市民の皆様並びに議員各位のご理解とご協力を、心からお願い申し上げます。