日中国交40年
汚辱と背信の系譜 産經新聞社/日工ムック
を購入しパラパラ読んでいます。

中国に2年半駐在し、その前後も合わせると7年近く中国ビジネスに関わり、日中間の政治情勢も含め常に中国情報に接していた私にとって、大変興味深い雑誌(別冊)であります。

最初のページをから読み始めて、2人の方の記事を読んだだけで、あの頃の話がなんだかすべてわかるような気がします。というか謎が解けるというか、非常にわかりやすいものであります。中国ビジネスに関わっていらっしゃる方や、中国問題にご興味のある方はお読みになるとよろしいのではないでしょうか。

まだ読みはじめですが、中国という国がいかに長いスパンで物事を考え、謀っているか、を考えさせられるものです。

まるまるこの雑誌の記事が真実を記事にしているとは言いませんが、私が見、聞き、経験したことと記事の内容は確実に合致していますし、当時聞こえていた話が、こういう事情だったということがわかる部分が随所にあります。そういう意味では、日本企業、日本の政治家ともに「能天気」というか、おめでたい感じです。

私たち「合作企業」などの日本側経営スタッフの「屈辱の日々」は、はかりしれないものでした。周りがすべて中国人。どう監視され、どう言われ、どうプロパガンダされていたかもわかりません。

中国側の経営陣との距離感や人間関係がなかなか近くはならなかったことや、当時から関わっていた、「友好交流」なるものの危うさがよくわかった感じです。とにかく熱病に冒されたように「中国」「中国」だったことのすべてが、「計算し尽くされた」計画に基づいていたのだ、と。

しかし、雑談に興じる下っ端同士の会話では、「謀る」「陥れる」「戦略を練る」などは勉強させられましたね。「勝負」をするときの厳しさ、勘などはしっかり学んだ気がします。

自身の仕事を顧みますと、経営に関する協議などはかなりのレベルの真剣勝負でしたし、「謀る」「陥れる」は日常茶飯に仕掛けられていました。そもそも使用言語が違う者同士で物事を決めることがいかに困難極めるかを思い知らされました。さらに複雑にしたのは、全く違う言語を使用するにも関わらず「文字」の共通部分が多いということでした。日本側は漢字を見て、読んで、日本語解釈をするわけですが、それが大間違いでした。

いろいろと、昔を思い出しながらこの雑誌を読み進めます。また少し当時を思い出して、勉強してみようかと思います。