さて、議会運営委員会では予算及び決算の「常任委員会化」が検討されています。これは何年か前の地方自治法の改正に基づいての提案ですが、地方自治法の改正を行ったのは「国会」です。国会議員のおかれている立場を理解しないとその趣旨もぼやけてしまいます。そこで国会の方の様子を見てみましょう。

国会法です。

第五章 委員会及び委員
第四十条  各議院の委員会は、常任委員会及び特別委員会の二種とする。
第四十一条  常任委員会は、その部門に属する議案(決議案を含む。)、請願等を審査する。
○2  衆議院の常任委員会は、次のとおりとする。
-中略-
十四  予算委員会
十五  決算行政監視委員会
-中略-
○3  参議院の常任委員会は、次のとおりとする。
-中略-
十三  予算委員会
十四  決算委員会
十五  行政監視委員会
-中略-


衆議院規則です。
WebSiteにも見やすくまとめがあります。
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_honkai.htm

第五節 常任委員会
第九十二条 各常任委員会の委員の員数及びその所管は、次のとおりとする。ただし、議院の議決によりその員数を増減し、又はその所管を変更することができる。
-中略-
五 財務金融委員会 四十人
1 財務省の所管に属する事項(予算委員会及び決算行政監視委員会の所管に属する事項を除く。)
2 金融庁の所管に属する事項
-中略-
十四 予算委員会 五十人
1 予算
十五 決算行政監視委員会 四十人
1 決算
2 予備費支出の承諾に関する事項
3 決算調整資金からの歳入への組入れの承諾に関する事項
4 国庫債務負担行為総調書
5 国有財産増減及び現在額総計算書並びに無償貸付状況総計算書
6 その他会計検査院の所管に属する事項
7 会計検査院が行う検査の結果並びに総務省が行う評価及び監視並びに総務省が評価及び監視に関連して行う調査の結果についての調査に関する事項
8 行政に関する国民からの苦情の処理に関する事項
9 1から8までに掲げる事項に係る行政監視及びこれに基づく勧告に関する事項
-中略-


参議院は参議院規則から引用するより、WebSiteからの引用の方がわかりやすかったのでそれを記載します。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/kon_kokkaijyoho/iinkai/tiinkai.html#0028

予算委員会
所管事項
1 予算
委員数:45人
決算委員会
所管事項
1 決算
2 予備費支出の承諾に関する事項
3 決算調整資金からの歳入への組入れの承諾に関する事項
4 国庫債務負担行為総調書
5 国有財産増減及び現在額総計算書並びに無償貸付状況総計算書
6 会計検査に関する事項
委員数:30人
行政監視委員会
所管事項
1 行政監視に関する事項
2 行政評価に関する事項
3 行政に対する苦情に関する事項
委員数:30人

なんだかブログを書いていてずいぶんヲタクっぽい話だなと思っています。
が、まあお許しください。

実はあるラジオ番組を聞いていて、衆議院はあまり注目されていないが、「決算行政監視委員会」っていう委員会があって、予算委員会のように国会の「華」ではないが、その内容たるや非常に厳しいものである。という話でした。メディアもあまり入らないし、「日蔭の身」のような存在だけど、ここが大切だということでした。

さて、話を戻します。
このような関係法令等で運営されている国会の「委員会」ですが、これらの環境の中にいらっしゃる議員さんが「地方自治法」の改正を行いました。もちろん地方議員出身の国会議員さんもいらっしゃいますが、基本はこの国会でのイメージに基づいて、地方自治法の改正をし、「同じようなイメージ」を地方議会にもお持ちだと思うのです。ですから、そこのところを我々もまさに「忖度」し、「斟酌」し地方議会のつとめとしてきちんと対応しなければいけませんね。そういう意味でも、「行政監視」の意味合いも含めて今回の決算特別委員会には臨んでいきたいと思います。

ここにコピーしていない部分もありますが、「所管」に関する事項も、非常にわかりやすいですね。我が船橋市議会事務局はちょっと踏み込み過ぎというか、過去の自治法の解釈で議論を行っていた「所管」に関する考え方を改めないといけないのかもしれません。

私も、少し国会法や地方自治法制定過程のその趣旨などを勉強してみようかと思います。国会の「委員会」のつくりを考えれば、わかりやすいのではないかと思います。

ここ数ヶ月、地方自治法からのみのアプローチで解釈をしようとしてちょっと行き詰まり感があったのですが、国会法、衆議院規則、参議院規則などをさらっていくと、クリアになって来るような部分が多々ある感じです。繰り返しになりますが、少しそちら方面を研究してみようかと思います。