4月21日、24日のブログの続きを書かせていただきます。
前々回のブログ中の表の「四 審議日程関連」と「五 議会基本条例」について私的見解を述べてみましょう。

委員長という職は中立の立場なので、余計なことを言うなという意見もございますが、過去数年において、原則論からどんどん離れていく「議会運営」が決まってきていないか?を検証させていただきたいのです。

今回は、前回に引き続きその第3弾ということで、興味のない方は読み飛ばしてください。

1 審議日程/公聴会日程を設定

公聴会の規定は、地方自治法に次のように定められています。

第百九条  普通地方公共団体の議会は、条例で常任委員会を置くことができる。
○2-略-
○3-略-
○4-略-
○5 常任委員会は、予算その他重要な議案、陳情等について公聴会を開き、真に利害関係を有する者又は学識経験を有する者等から意見を聴くことができる。
○6 常任委員会は、当該普通地方公共団体の事務に関する調査又は審査のため必要があると認めるときは、参考人の出頭を求め、その意見を聴くことができる。
○7-略-
○8-略-
○9-略-

このことに基づいて提起されているのだと思います。
そして、船橋市においてはどのような取扱いになっているかと申しますと、委員会条例に次のように定められています。

(公聴会開催の手続)
第21条 委員会が公聴会を開こうとするときは、議長の承認を得なければならない。
2 議長は、前項の承認をしたときは、その日時、場所及び意見を聴こうとする案件その他必要な事項を公示する。
(昭46条例36・旧第22条繰上、平3条例17・旧第20条繰下・一部改正)
(意見を述べようとする者の申出)
第22条 公聴会に出席して意見を述べようとする者は、文書であらかじめその理由及び案件に対する賛否を、その委員会に申し出なければならない。
(昭46条例36・旧第23条繰上、平3条例17・旧第21条繰下)
(公述人の決定)
第23条 公聴会において意見を聴こうとする利害関係者及び学識経験者等(以下「公述人」という。)は、あらかじめ文書で申し出た者及びその他の者の中から、委員会において定め、議長を経て、本人にその旨を通知する。
2 あらかじめ申し出た者の中に、その案件に対して、賛成者及び反対者があるときは、一方に偏らないように公述人を選ばなければならない。
(平3条例17・追加)
(公述人の発言)
第24条 公述人が発言しようとするときは、委員長の許可を得なければならない。
2 公述人の発言は、その意見を聴こうとする案件の範囲を超えてはならない。
3 公述人の発言がその範囲を超え、又は公述人に不穏当な言動があるときは、委員長は、発言を制止し、又は退席させることができる。
(平3条例17・追加)
(委員と公述人の質疑)
第25条 委員は、公述人に対して質疑をすることができる。
2 公述人は、委員に対して質疑をすることができない。
(平3条例17・追加)
(代理人又は文書による意見の陳述)
第26条 公述人は、代理人に意見を述べさせ、又は文書で意見を提示することができない。ただし、委員会が特に許可した場合は、この限りでない。
(平3条例17・追加)
(参考人)
第27条 委員会が、参考人の出頭を求めるには、議長を経なければならない。
2 前項の場合において、議長は、参考人にその日時、場所及び意見を聴こうとする案件その他必要な事項を通知しなければならない。
3 参考人については、前3条の規定を準用する。
(平3条例17・追加)

となっております。
一見、ちゃんとできるのに、何を提起しているんだと思われた方が多いと思います。なので、ヒントの意味も込めて、参考人のことの部分もコピペをさせていただきました。

議会の公聴会を開くということは、その開会までにハードルが意外に高く、というか事実上は規定があっても開会できないのが実態です。

これらの内容をよく読むと、議会の審議日程が決定し、委員会の審査が進み、公聴会を開会しようと思うと、手続き上の問題として実際には開会が不可能なのです。本来、議案になっている内容の審査のために公聴会を開き、そのことについての審査の参考のために調査を行う意味合いですから、委員会での議案審査の前に入れ込まなければならず、議会の日程が確定してから公聴会を日程に入れ込むことはかなり困難であるのです。更には、議案の内容が充分に理解できていないと、そのことの調査をしても意味のない、深まりのないことになります。

ところが、会期は開会日冒頭の議事として決定し、それを変更することはこれまた大変なことでもあります。従って公聴会を開きたいと思っても、「後の祭り」状態であることになるのです。なぜ後の祭りかと申しますと、手続きの中をご覧いただければわかるのですが、委員会条例第21条に議長が開くことについて承認したら「公示」をしなければなりません。その後公述人の選任などの手続きが必要です。そうなると、大きく議会の日程をいじることになり、事実上は不可能であるということなのです。

そこで提起会派は、予め公聴会を日程に組み入れろということのようですが、それは非効率的な議会日程の組み方になってしまいますので、難しいものと思われます。

そこで、平成3年の地方自治法の改正で定められたのが、参考人の制度です。この制度は公聴会よりも手続き的にも簡便と言うと語弊があるかもしれませんが、現実性のある制度として定められています。委員会審議の充実を図るため利害関係人、学識経験者等の出頭を求め、意見を聴取するものです。

この制度の利用はすでに船橋市議会においても行われており、今後も増加していくものと思われますし、公聴会をどうしても開かなければならない案件は別として、充分に委員会の審査のために資することにはなると思います。従って、公聴会日程のことを議論するよりも、大いに積極的に参考人制度の利用をし、それでもまだ審査のために公聴会が必要だという場合には、充分に議論して決定すればよいでしょう。

2 審議日程/常任委員会日数増及び分散開催

常任委員会の日数増は、私は大賛成です。なぜなら一般質問を常任委員会で行えというのが私の持論です。一問一答で時間無制限でお好きなだけ一般質問をどうぞ。そのかわり、本会議でのくだらない一般質問は一切廃止。分散開催も大賛成。どの委員会へも出席可能・傍聴可能にするには、分散開催が一番です。委員の差替えも自由にして、一般質問わたり鳥も可能にしたらいかがでしょうか。「時間の無駄」としか言いようのない、今までの船橋市議会の「本会議における一般質問」は、これにより解消されます。

3 本会議における市長・監査委員からの報告に対する質疑の廃止

これもかねてからの私の持論です。一般質問でやればよいだけの話です。なんでわざわざ「報告」に対して質問をするのでしょう。質問をしたところで「報告」の内容が変わるわけでもありません。なんでしょうかね? 何のために報告に対する質問をするのでしょうかね? 過去のブログにも書かせていただきましたが、売名行為はやめていただきたいですね。

4 発議案(意見書等)の本会議での提案説明、質疑、討論保障

これも売名行為に類するのではないでしょうか。船橋市議会で定められているルールで充分だと思います。議会とは多くのことが「多数決」で決められます。少数の意見も大切にしなければいけませんが、ここまで図々しく言ってくるとちょっとなあ~って感じです。

5 開会時刻 午前10時

はい。これは大賛成。以前はそうでした。開議時刻を午前10時にすれば、時間も毎日2時間増えます。活発かつ有意義、有効、有益な会議になるんじゃないですか?

6 議会基本条例

これは、もう以前から議会運営委員会で議論がありますが、議会改革のとりまとめをした帰結として、条例化が必要であれば条例制定をすればよいと思います。まったくこれを否定するものではありません。しかし、議会という世界でその基本的な部分を担うものは、会議運営のルールが一番だと思います。だとしたら、「会議規則」が最も重要であり、そこの部分とのとりあいというか、整合が肝要ではないかと思います。

そういう意味では、会議規則の詳細な検討が行われないまま、ここの部分をしっかりとしないまま、どこまでの規定をしようとするのかわかりませんが、私は、かなりのアンバランスを生むのではないかと少々懸念しています。これは、部分的な地方自治法の改正で対症療法的部分が少々おかしな部分を生んでいるから、議会基本条例で定めようという話がでてくるのかもしれません。もう少し様子を見る必要がある気がします。