過去4回にわたって、「平成24年第1回定例会を終えて」というタイトルで議会への出席者の身体と時間の拘束について書きました。

そして、前回は原稿の読み合いの「形式的」な本会議について書かせていただきました。実は、私も、議案質疑に関しては、このブログでも書いている、議会の権限に属す重要なものだと思いますし、この取扱いに関しては慎重を期す必要がありますから、百歩譲って原稿の読み合いも認めざるを得ないと思っています。そこがホンネです。

が、しかし、それ(地方自治法第96条規定の議決事項)以外は、もっともっと違うかたちであってもよいのではないかということです。なぜ、かくも多くの議員たちが議決事項以外のことに登場してくるのでしょうか?

簡単です。
その99パーセントは、「売名」のためです。「売名」とは、次回の選挙のためです。もっと突き詰めて言えば、質問という名の選挙の事前運動なのです。
どういうことか?

と書いておきながら、どこが売名なのよという説明ができないまま、なんだかわけのわからんブログになっておりました。

公のお金を使っての売名行為。イコール議会広報活動に連動してというか裏腹にというか、なのです。

まず、議会の広報の一つとして、紙媒体の議会報があります。年4回の定例会後に発行されております。議会で質問等の発言をすると、この紙媒体に掲載されます。そして、これは市内全世帯に配布されます。市内全域にチラシ等を配布すると費用がいくらかかるでしょう。ものすごいお金が必要です。印刷費、配布費用と両方ですから。

3月1日現在の世帯数は、263,142世帯です。それを何でもいいから発言さえすれば名前が掲載されるのです。玄人筋に不評でも市民の皆様にはその発言がどんなもので、どんな行為かなんてわからないからという極めて傲慢な、そしてバカにした姿勢であると捉えることもできるのです。どんなことを言おうとも、発言さえすれば掲載されます。市長はじめ執行機関の専門の担当者が反論したり、ダメ出しをしたいことでも、「◯◯をするように要望します!!」と言いさえすればよいのです。

同時に会議録に全文で発言が残ります。これは逆にアホな発言をすると恥ずかしいことなのですが、そんなことおかまいなし。どうせ市民なんて会議録なんて読まないでしょう。だから大丈夫って感じです。

同じように、議会のホームページにも会議録が掲載されます。そして議会のホームページからインターネット中継が行われております。ご覧になる方がいらっしゃるかどうかはわかりませんが、そこにも名前と動画が放映されているのです。

全体的に過去にも書きましたが、内容なんておかまいなし。むしろ市民の方々を愚弄している考え方が根底になるから、電話で誰が聞いても答えてもらえるようなことを聞くこと(質問すること)さえ、「こういう平易な言葉でわかりやすい内容を質問することが市民に開かれ、わかりやすい議会活動なのです。」なんてうそぶくアホ議員がいそうですが、まったく違います。

議会の会議公開の原則というものがありますが、そのことを前提に本会議を開いているのではありません。「公開」は二次的、三次的な話であって、より深い、より真摯な議論をし、執行機関の市政運営をきちんとチェックすることが議会に求められております。そのことの結果を市民の皆様に丁寧に説明をする義務はあると思いますが、その「過程」をパフォーマンスでお見せすることが、議会の務めではないと思うのです。

何度も何度もこのブログに書かせていただいておりますが、船橋市議会は長い歴史の中で先輩諸氏のご尽力、ご努力により大変素晴らしく研ぎすまされた議会運営を行ってまいりました。そのルールをアホのように「開かれた議会」なんていう戯れ言で壊してきた最近のアホ議員が数多くおります。それに抗しきれない守るべき立場の議員もだらしがないのですが、「理屈」や「理論」がどこかへ飛んで行ってしまっています。それでも強引に押し切られたのは、期数を重ねている議員の無知が引き起こした結論ですから仕方がありません。

ルールの狭間をぬって、発言の機会を得て、インターネット中継に映ることに腐心し、紙の議会報に掲載されることに腐心する姿は哀れというより怒りを覚えますが、それでも選挙という方法で選ばれてきているわけですから、何とも言えない無力感があります。

その売名のために腐心する姿がいかようなものかをぜひ市民の皆さんに知っていただきたいと思いますが、なかなかうまくいきません。紙の議会報に発言者の名前を掲載することを決めてからというもの、発言者は増える一方だと思います。(未確認ですが)

いいんです。これまた百歩譲って、前回も書かせていただいたように、市政全般に関わる市政(施策)の根幹の問題点などの指摘等の質問や、細かい事象でも深く掘り下げた内容の濃い、執行機関が困るくらいの質問ならよいと思うのです。しかし、自分の言葉でしゃべれないような薄っぺらい質問内容はもう勘弁していただきたい。原稿を読まなきゃならないということは、付け焼き刃? インスタント? 一夜漬け? 的質問であることの証明です。

そういうことに、忙しい61万市民の生命財産を預かる市長、副市長はじめ多くの職員を拘束してよいのかということです。まあ、職員の中にも、そういうことをできるだけ避けるために別の形で負担を減らす努力をしているにも関わらず、「こっちは忙しいんだよ」的発言をしたヤツもいるようですが、まあ、そういうヤツは放っておいて、どうせ仕事もできないヤツですからいいのですが、全体的にくだらないことには付き合わないで済むような体制整備が必要ですね。

それがこの後に書かせていただきますが、常任委員会重視型の議会運営です。これまたバカな権威主義者の多い議会においては、理解できないアホ議員が多いから困りものです。

では、また次回。