議案の質疑が終わりました。今回は、先議と言って通常日程で進めては問題が生じる議案が3本あったため、議案質疑の後、イレギュラーですが常任委員会を開会し、審議をしました。

その中に、訴えの提起の議案が2本ありました。この議案に関しては、本会議の質疑で、その取扱いに関して「苦言を呈するような意見」めいたことを言う議員が二人おりました。これは、この関連条例である「債権管理条例」制定時から議論があった「専決処分」に触れるものでした。この段階で、「専決処分」を言うような議員さんは、即刻辞任すべきではないかと思います。

「専決処分」に関する私の思いは強いものがあります。何度も何度もこのブログで書かせていただいておりますが、ちょっとこれを読んでいただきましょう。
http://ameblo.jp/hasegawamasaru/entry-10335705678.html

一方、議会とはなんでしょう? これも何度も何度も書かせていただいておりますが、地方自治法に定めがあります。
議会の権限を地方自治法でみてみましょう。

第二節 権限
第九十六条  普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。
一  条例を設け又は改廃すること。
二  予算を定めること。
三  決算を認定すること。
四  法律又はこれに基づく政令に規定するものを除くほか、地方税の賦課徴収又は分担金、使用料、加入金若しくは手数料の徴収に関すること。
五  その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める契約を締結すること。
六  条例で定める場合を除くほか、財産を交換し、出資の目的とし、若しくは支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けること。
七  不動産を信託すること。
八  前二号に定めるものを除くほか、その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める財産の取得又は処分をすること。
九  負担付きの寄附又は贈与を受けること。
十  法律若しくはこれに基づく政令又は条例に特別の定めがある場合を除くほか、権利を放棄すること。
十一  条例で定める重要な公の施設につき条例で定める長期かつ独占的な利用をさせること。
十二  普通地方公共団体がその当事者である審査請求その他の不服申立て、訴えの提起(普通地方公共団体の行政庁の処分又は裁決(行政事件訴訟法第三条第二項に規定する処分又は同条第三項に規定する裁決をいう。以下この号、第百五条の二、第百九十二条及び第百九十九条の三第三項において同じ。)に係る同法第十一条第一項(同法第三十八条第一項(同法第四十三条第二項において準用する場合を含む。)又は同法第四十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定による普通地方公共団体を被告とする訴訟(以下この号、第百五条の二、第百九十二条及び第百九十九条の三第三項において「普通地方公共団体を被告とする訴訟」という。)に係るものを除く。)、和解(普通地方公共団体の行政庁の処分又は裁決に係る普通地方公共団体を被告とする訴訟に係るものを除く。)、あつせん、調停及び仲裁に関すること。
十三  法律上その義務に属する損害賠償の額を定めること。
十四  普通地方公共団体の区域内の公共的団体等の活動の総合調整に関すること。
十五  その他法律又はこれに基づく政令(これらに基づく条例を含む。)により議会の権限に属する事項

と、この十二にあるように、訴えの提起に関して議決をすること、和解に関して議決すること、があります。
今回前段で記述したのは、これら議会の権限を放棄しようというのが、議案質疑での2人の議員が発言した「趣旨」でした。

なぜかと申しますと「専決処分」とは、次の通り地方自治法の定めがあります。

第百七十九条  普通地方公共団体の議会が成立しないとき、第百十三条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる。
○2  議会の決定すべき事件に関しては、前項の例による。
○3  前二項の規定による処置については、普通地方公共団体の長は、次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない。
第百八十条  普通地方公共団体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、普通地方公共団体の長において、これを専決処分にすることができる。
○2  前項の規定により専決処分をしたときは、普通地方公共団体の長は、これを議会に報告しなければならない。

二人の議員は、議決を放棄して、その権限をいつでも市長の判断に委ねてしまおうということです。

私が辞任に値すると思う理由は、今、この時期になのかということです。新しく条例ができ、それらを初めて運用し始めるというか施行して、どういう案件が、どのような形で取扱われ、どのような事象が起こってくるかまったく読めないというか、想定できない状況です。そういう状態で、本来の議会の権限に含まれてもいない一般質問に多くの時間を割き、地方自治法に定める権限を放棄するなどと言う行為は本末転倒も甚だしいのです。

私は、債権の取扱いで、訴えが頻発するのだとしたら、それがルーチン(routine)化するのであれば、それを丁寧に見極めて、議会としての工夫をし、その工夫の一つとして「専決処分」があってもよいとは思いますが、最初から内容も確かめないで自ら与えられた仕事を放棄するのであれば、議員としてバッヂをつけている資格はないでしょう、と思うのです。

さらに、今回議案を付託された委員会の傍聴にも来ていませんでした。本会議でどういう議論があり、付託された委員会で更に深い議論がなされたか見ようともしない。議員として無責任極まりない振舞いと言わざるを得ません。自らの発言の一つ一つにぜひとも責任を持った行動をしていただきたいものです。

こういう議会を愚弄したような振舞いは、本来でしたらもっともっと市民の皆様に知っていただくべきだと思います。非常に腹立たしいというか、同じ議場で同じ空気を吸っていること自体不愉快です。