議会中継って、どうあるべきかは、今回設置された広報委員会や、開かれるであろう全員協議会での議論を待てばよいのですが、私なりに考えてみました。

そしてちょうどMXテレビで東京都議会中継をやっておりましたので、「そういう視点」で見てみました。都議会中継は全部見たわけではありませんから何とも言えませんが、「原稿の読み合わせ会」という感じは否めませんでした。唯一救いなのは、都知事がほぼ原稿のメモのみで発言できていたということです。

さてさて、議会のお作法シリーズでも書きましたが、本会議の会議録というのはずっと保存されますから、慎重にならざるを得ないのですが、それにしても「芯」の部分というか「骨」の部分というかがしっかりしていて、総体的にその真意や趣旨が伝われば、それでよいのではないかと思うのです。特に一般質問は。

以前から申し上げているのですが、船橋市議会ではほとんどの議員さんが原稿をパソコンのワープロソフトを利用して書いているようです。答弁をする側もそうです。書式がほぼ決まっていて、質問者、日付、順番、質問概要、答弁例文です。更に、再質問答弁がある場合はその件も、あるいは要望で終わる場合はその件もです。だったら時間ばかりを気にする船橋市議会においては、昔ながらのOHPを用意して、質問原稿と答弁原稿を並べて議場の前方にでも映し出すようにすればよいでしょう。インターネットではその順番が来たら、WebSiteにそれぞれの原稿をアップすればよいでしょう。

まあ、冗談はさておき、中継が多種多様な東京都議会。WebSiteでチェックさせていただいた限りでは、テレビ中継も、インターネット中継も、更には告知のポスターも。こういう事例を拝見しますと、広報委員会はやりがいがあっていいなあと思います。

しかし、中継の仕方が多岐にわたっても、原稿の読み合わせ会が行われるというのが私にはショッキングでした。まだ都議会の全部をチェックしたわけではありませんが、これでは、市民の皆様に興味を持っていただくにはほど遠いなと。

私たち議会は、「傍聴のために」議会を行っておりません。したがって、「見せる」ことに軸を置くわけにはいきません。が、しかし、「政治不信」「議会不信」が多くある中で、特定の支持者を持たない市民の方の「食わず嫌い」が9割以上であることは間違いないと思っています。そこを何とかしたいと思うのです。

昨今の投票率の低下は著しいものがあります。国政選挙はメディアがものすごい勢いで報道をしますから、ある一定の投票率ですが、先般行われました統一地方選挙の投票率は惨憺たるものでした。船橋市の場合は市長選挙に至ってはまったく何もない時期の選挙です。千葉県知事選挙も同様です。コップの中の嵐とでも言ってよいのでしょうか? 非常に低い投票率です。

争点などが一般の市民の方々に伝わるようなことが少ないですし、市政に興味を持っていただけない中で、国政を見て政治不信だけが増幅され、低投票率につながっているのではと思います。市議会からの情報発信ができていないということもあるとは思いますので、これからは情報発信について積極的に議論を行うべきだと思います。

そういう状況の中で、原稿の読み合せ会が市民の方々から評価されるかどうか心配です。もう少し奥行きのある、深い議論が行われるようであれば、注目度が上がり興味を持っていただけるのでしょうが、「失笑」を買うような低レベルな議論では、いくら中継に工夫をしようとも限界があります。

先般も予算特別委員会で議会の役職まで務めた議員が「おい大丈夫か」と言いたくなるような質問をしていました。ああいうシーンは市民の皆様にはお見せしたくないものです。まあ、そういう意味でも議員の側も答弁する執行部側も緊張感を持って会議に臨むことになるでしょうから、それはそれでよいかもしれません。

ただ、くどいようですが、本会議でも読み合せ会を堂々とやっていて恥ずかしいとも思わない方々にとっては、私の危惧などどこ吹く風かもしれません。