新年度の予算を審議する議会が閉会いたしました。今議会中に東日本大震災が発生しました。
まさに本会議場で会議を行っている最中の出来事でした。改めましてこの地震により尊い命を落とされた方、被災者の皆様をはじめ関係者の皆様に、哀悼の意を表しますとともにお見舞いを申し上げます。

また、自衛隊、警察をはじめ我が船橋市消防局から被災地へ救援に行かれている自衛隊員、警察官、消防隊員及び関係者、ご家族の皆様には、救援・支援に寝食を忘れその任務にあたられていることに敬意を表します。またご家族としてのご心労は大変なものだと存じます。ここに一国民として、一市民として、感謝を申し上げます。

年度初めの予算議会。平成22年度の補正予算も含め議案はすべて可決しました。しかし、残念なことがございました。震災後、議会としての災害対策に関する考え方がはっきりと示されたとは言えないことです。私は、議会のルール上、できる範囲の発言をし、今後の市政運営につながっていけばと思い、最終日に発言をさせていただきました。

平成22年度補正予算についてです。平成22年度補正予算の中に約34億円の小学校のエアコン整備予算が含まれておりました。この取扱いについて予算特別委員会委員会(私は今回、委員ではありませんでした。)で一切の意見が出されなかったようです。これが非常に不思議な話です。予算特別委員会におけるエアコン予算の審議は、震災後、計画停電が発表、実施されているタイミングで行われておりました。

私は、このような電力の需給状況であれば、当然ですがエアコンの使用はできないだろうと思うのです。総額で一億円の電気料金くらいには節約に努め、抑えていきたいと言っていたのが震災前です。ということはどんなに節約をしても、1億円分の電気使用量は、エアコン設置・導入によって増えることになるのです。果たして行政の姿勢としてそれで良いのですか?というのが私の考えです。

更に申し上げれば、下記の近隣の教育施設の被害状況の一覧をご覧下さい。速報版(3月22日現在)の一部転載ですからこの表から変化しているかもしれません。

船橋市議会 勝手にe-報告 (長谷川大のe-通信簿)-被害
三山小学校は、震災時にエクスパンションジョイント(校舎と校舎のつなぎ部分)最上部の外壁剥落です。文字で書きますと大したことがないように思えますが、とんでもないことです。大きな壁の塊がはがれ落ちたのです。もしも、その落下地点に児童がいたとしたら?ゾッとします。児童が立ち入らないところではなく、児童がいてもおかしくないところに落下したのです。

同様に、三山中学校。体育館のモルタル落下は極めて重大な事案です。これも生徒がいつでもいるような場所。モルタル落下と言ってもこれまたモルタルの塊ですから大変なことです。こういうことが市内各地でありながら、そのことについての意見や考えの披瀝がなかったことに驚きました。

私は従前より、エアコンの設置は賛成だが、優先順位をきちんと考えるべきではないかと申し上げてきました。それはどういうことかと申しますと、まずは耐震。国内でも県内でもかなり遅れている船橋市なのに、エアコン優先、耐震後回しは、後回しの耐震工事にも影響が大きいし、よろしくない判断だという考えでした。

今回の、三山小学校、三山中学校は耐震診断後、補強すべきということで補強済みの案件でした。このことこそが、もっとも問題視すべき事項だと思います。耐震補強をして、構造計算上問題なく「つぶれない」かもしれない。いやつぶれない。つぶれないけど、それ以外の要因で「災害」になってしまう。そういう部分が数多くあったと思います。そのような研究調査をすることも急がなければなりませんが、建物材質の劣化や老朽化のチェックも緊急に行うべきではないかと思うのです。

今回の地震により、目に見えない傷みが些細なきっかけで、剥落や落下など予期しないときに起こることが否定できません。ですから私は、エアコンは一年くらい先送りにして、緊急的に公共建築物の点検をすべきであると考えるのです。

だからといって、予算に反対の姿勢は示しませんでした。私の政治的スタンスの中では、反対をして、物申すのではなく、賛成をして物申す。独りよがりの理屈でヤジが飛んできました。「長谷川さん、パソフォーマンス~」何とでも言えば良いと思いました。かわいそうなくらいパフォーマンスだけで政治活動をしているからこそ、人のやることをパフォーマンスという。

まあ、それはさておき、市の執行部には、予算に賛成をし、苦言を呈したことの意味を良くご理解をいただきたいと思いました。