が開催されました。一次報告に対するパブリックコメンと車座ミーティングの結果の報告がなされ、それらについての話し合いでした。

私のもとで研修をしていたインターンシップの学生さんも一緒に傍聴をしましたので、彼らの感じるままにコメントを書いてもらいました。前回に引き続きそれとともに考えていきたいと思います。
提出順に一項目ごとに◯君とします。同一人物の場合もありますが、Aから順に掲載させていただきます。

E君
「子育て分野以外のところでコストを削減すべき」「事業仕分けをして無駄をなくせ」と言っているが、国政、市政問わず行政において「無駄をなくす」ことはおそらく永遠の課題であり、勿論必要なことである。
しかし、実際には、誰が見ても無駄なものはそれほどないと思う。
また、仮に現在ある潜在的な無駄を顕在化し、全てなくせたとしても、いつになったらなくなるかわからない事だし、急激に増加した保育需要に応えるだけの財源が確保できるとは思えない。

F君
「財源の使い方が問題であって、…それで民営化とはお門違い」といっているが、財源の使い方のどの部分がどのように悪いかを指摘していただければ話はべつだが、それもなしにどうにかしろと言うのはあまりにも一方的な感じがする。
ということです。

どちらの意見も3ページですので、ここでは3ページについて考えてみましょう。


船橋市議会 勝手にe-報告 (長谷川大のe-通信簿)

再び、コメントの数が多いものを少し考えてみましょう。

「保育料引き上げや子ども手当を保育や幼児教育に回す等も視野に入れて良い。」11名です。
財政的問題の視点が少々違うようです。保育料の値上げは、短期的には良いのですが、長期的にみたら難しい話ですし、そもそも公立保育園へのお金のかかり方が、税金の使い方としてバランスが非常に悪い。ましてや、民間の社会福祉法人が経営するのと公立とでの経費のかかり方に問題ありなのです。ましてや子ども手当を受け取る人は保育園児、幼稚園児の保護者だけではありませんからね~。

「コスト削減は、保育や高齢者福祉などの“人”に関する分野は除いてほしい。」13名です。
ちょっと意味がうまく取れません。行政サービスの中で“人”が関係ないものは一つとして無いのではないかと思います。この日本語の捉え方を、「保育や高齢者福祉など」の「など」をとって、保育と高齢者に限って言うのなら理解できますが。例えば、道路を舗装する予算。これに関しては、高齢者が歩きやすい歩道を整備してほしいという要望や、ベビーカーで通行しやすい歩道を整備してほしいというような要望もたくさんあります。それとも公民館を建設することなどを後回しにしてというような意味ですかね。公民館を利用して、子育てママの勉強会や、子どもの集まる事業をしてほしいという要望もあります。さてさてどういうことなのでしょうか?私には少々理解しにくいコメントでした。

「財政難であれば、子育て分野以外でコスト削減すべき(子どもや子育て家庭に向けないで)、それができないのは行政の怠慢。」45名。

「財政難であれば、子育て分野以外でコスト削減すべき(公務員や議員の給与)、また事業仕分けして無駄を排除するのが先。」39名。です。

財政難でも子育て分野はコストがかかってもよいという理由が明確ではないのですが、市民全体のコンセンサスが得られるのでしょうか? 公務員や議員の給与とあえて括弧書きになっている意見もあります。これはその通りですね。公務員の給与を下げれば、保育士の給与も下がります。そうすれば、民営化への圧力は弱まるでしょうね。なんせ船橋市役所の職員給与はラスパイレス指数といって公務員給与を比較見当する際の指数で昨年は全国一位。今年も千葉県では一位です。下げるべきでしょうね。

議員の報酬に関しては、人口50万人以上の都市でもほぼ最下位の数字だったはず。中核市でも同人口規模であれば最下位のはずです。それで良いとは言いませんが、職員給与よりはずっと少なくなっています。2年くらい前に公式な会議で確認したところ、議員の報酬は市役所職員の課長職の真ん中くらいのものでした。念のため。

「どれだけコスト削減になるのか不明、納得がいかない(=子どもにとってのメリットを明確にして)」108名です。
まあ、これはその通りと言えるかもしれません。その通りと言うのは、その数字を出してきちんと説明しなければいけないということですね。ただし、今は、その段階ではありません。民間移譲が決まったらきちんとその根拠を示すべきでしょうね。

「財政が厳しいから民営化=弱いところに過度の負担を負わせるのは子ども達に心身の混乱を招く。」16名です。
ここでおっしゃっている過度の負担とは何でしょうか? 仮に民間への移譲が進んだ場合、子どもたちに心身の混乱を招くようなことがあるのでしょうか? あるいは、市がそんな負担を子どもたちに負わせるのでしょうか? あり得ない話です。心身に混乱を招くのは保護者かもしれません。少々勝手が違うことになって、「心身の混乱」があるかもしれません。それはそれで充分な説明や、理解を求める努力を市や園長が行うべきでしょうね。ベテランの保育士、ベテランの保育士とやたらにベテランを強調した話が聞こえてきますし、ベテランの保育士を信頼して下さっているのでしょうから、ベテランの保育士がきちんと市の考え方などを説明するのが良いでしょうね。ベテランの保育士は社会人としても公務員としてもベテランですし、採用時には「全体の奉仕者」として宣誓していますから、市民全員の奉仕者として、最善の方法である旨の説明をしなければなりませんね。

「浮いたコストの使途が不明。」25名。
くどいようですが、まだ決まったわけではありませんから、使途も言いようがありませんね。ましてやこのあり方検討委員会の一次報告は、あり方の検討であって、財源の問題は市長が決定することです。これは委員会でも似たような話があったような気がします。

「子どもへの精神的ダメージが心配。」61名。
不安はわかります。が、しかし、初登園の日の子どもの不安な気持ちに比べたらなんてことはないでしょうね。ましてや、前のブログにも書きましたが、人事異動や退職は当たり前のこと。それとどう違うのか理解できません。何を根拠に「精神的ダメージ」なるものに言及しているのでしょうか?

今回も長くなりましたのでここまでにします。