前回の大学生の船橋市議会傍聴記に続きまして、研修開始早々、1ヶ月後に、下記の課題でレポートというか、各自の未来像を提出するように課題を出しました。研修内容を入れながら提出された課題の内容です。

「研修生各位
課題です。条件は9月20日正午までに充分に研究して、電子メールにて提出して下さい。
平成32年8月10日に私のところに遊びにくることを考えてください。
今日から、その日までの日本の経済状況、社会情勢など様々な角度から想定をして、自分はどういう職業につき、どういう生活をし、私のところに遊びに来るか。
特に行政との関わりを記載して、どういう行政サービスを受けているかなどを、おおよそのストーリーを含め文章にしてみてください。
例として)
卒業、就職、結婚、出産、家族の不幸、友人の不幸、上司の不幸
とか
卒業、就職、独立起業、結婚、出産、病気、
家の購入、車の購入、海外旅行、海外勤務、会社の倒産、会社の上場、会社の上場廃止、会社の縮小
とか
私には思いつかないような起承転結で、行政を捉えてみてください。
なんでも、どうでも自由な記述です。
ただ確実に行政サービスに対する考察を入れるようにしてください。」

3人からの提出がありましたので掲載させていただきます。(私への提出順)

<A君>
平成26年(23歳)3月に千葉大学を卒業、東京大学大学院に進学。大学院在籍中に公認会計士資格を取得。平成28年(25歳)3月に大学院修士課程修了し、就職。
26歳で退職し、高校時代からの友人達と起業(数年後には今よりも景気が回復していて起業しやすいはず)。会計職として参加するが、法人格を得るために1人で役所を駆け巡る(依然、役所のあり方が縦割りであることを思い知らされる)。
何とか会社が落ち着いた平成30年(27歳)末に結婚。平成31年には第1子誕
生。共働きのため、子供は保育園へ(保育面での行政サービスを受ける)。この10年間で選挙は7回(都知事選、区長選、区議会議員選、都議会議員選、衆議院議員選各1回、参議院議員選2回)

<B君>
平成32年、世界的に経済はリーマンショック・ギリシアショックから立ち直り、回復傾向にある。

しかし、TOYOTA・SONYをはじめとする日本企業は中国・韓国の企業にマーケット・シェアを奪われ、日本はGDPが新興国(中国、インド、ブラジルなど)に抜かれ5位に転落し、国際競争力を落とすなど相変わらずの不景気。
高齢化社会を迎え、高齢者人口が全人口に占める割合が増加したのに対して新しい税体制がとられ、消費税は欧米諸国並みの水準まで増加、新たに環境諸税が本格的導入されるなど、「大きな政府」になっていく。
また、納税額の増加に伴い未納問題が生じ、財政の硬直化と重なって年金制度は著しく不十分、または崩壊レベルに達するなど未曾有の財政状態を迎える。
こうした財政状態の悪化によって国内経済も影響を受け、円への信頼は薄れ、国債の価値の減少、円売りがすすむなど打撃を受ける。また、財政的な問題により、各行政機関の公務員・議員の定数が削減され、全体的に行政の規模が縮小傾向にある。

このような息苦しい世の中で、自分は大学在学中に車の免許を取得するが、仕事的に車を使用しなくてもいい場合は、管理費もかかるので車は持たない。大学を無事4年で卒業し、何回かの挫折を経ながらより狭き門となった公務員試験を通り、東京都の区役所の、環境まちづくり事業本部の環境部・都市整備部に勤めている。
自分は、選挙もしない人には、政治について言いたいように批判する権利はないと思うので、無論ながら自分の選挙区での選挙は毎回投票する。投票する候補者を選ぶにあたって基本は政党で決めるが、時間が合ったら街頭演説等を聴いて見る。区内のマンションに独身で一人暮らしをするが、年金制度の崩壊を補うために自分が直接両親を支えながら生活をしている。また、親が仮に事理を弁識する能力が不十分になっても、同居して、親の補助人・保佐人になって対応できるようにする。

市民としての行政との関りは、自分の兄が障害者支援サービスを受けていたり、もしかしたら親の介護保険サービスを受けていたりする。
自分自身としては、日常生活上の上下水道の完備、消防や警察による治安の維持サービス、暮らしやすい生活を受けるための道路事業、環境保全サービスを受けている。また、健康面では国民健康保険で健康診査をうけ病気を未然に防いでいる。
仕事としての行政の関りは、国内的に重要さが上がっている環境政策・高齢者政策に対して、一公務員として微力ながら取り組んでいる。そして、学生のときに借りた奨学金を、新しい奨学生のために返済に向けて日々努力している。

10年後には、温暖化によってより暑くなった夏、税ばかりが上がり社会保障は現状とさほど変わらない状態に不満を持ちながらも、景気の回復を祈りながら日々仕事に打ち込む生活を送っている。そしてきたる8月10日、世の中のキレイごとじゃ済まないところを見てきて、幾分か憂鬱なところもありながら、そこのところは割り切った状態で長谷川議員にお会い申し上げる。

<C君>
2012年~2013年(24歳)、小さいクロス貼りの会社(株式会社)の会社役員、取締役就任、大学院進学
決議書、承諾書を登記所に提出。
25歳のとき、日本は数字上、再び、景気が上向きになり始める。
ただし、グローバル化が激しくなっていて、国際競争が激化。
競争力の弱い日本は、その強化に資金をつぎ込むことになり、
よりその兆候が見え辛くなってくる。
また、中国資本が本格的に日本へ参入してくる。
私は農業、学習塾業についての事業展開の慎重な検討に入る。
26歳のとき、学習塾を同会社の部として立ち上げる。
27歳のとき、農業に関する事業をするため土地を購入する
登記を済ませる。
大学院博士号取得
保育園、幼稚園の駅ビル化が当たり前となり、特殊合計出生率が上昇し始める。
(このときは1.80以上となる)
ただし、あまりにビジネスに特化する業者も現れ、駅内における園についての補助金が減らされる。
29歳のとき、バイオ技術を用いた「きのこ」に関する事業・研究を始める。
多くが利用できる図書館型の学習塾(正式には図書館ではないし、今までのような学習塾でもない)を検討する。
低所得者に対しての受け入れについて補助を求める。
ただし、埼玉県では独自に学習塾を設けることから、これの兼ね合い、連携を埼玉県内につくるときは打診をする。
31歳、会社を独立させる。
諸書類を登記所などに登録する。
図書館型学習塾をさいたま市に設立する。
32歳、結婚、婚姻届提出
埼玉高速鉄道の延伸工事が始まる。
長谷川先生にお会いする。
この学習塾援助もお願いする。