先般、Twitterで船橋市議会議員の選挙費用のことで質問をいただきました。遅くなりましたが、事例を提示しながら説明をさせていただきます。

まず、我々の選挙をはじめ、国政選挙などは公職選挙法によりいろいろな制限を受けます。やってよいことが非常に限られております。それは、インターネット等で公職選挙法を検索し、お読みいただきたいと思います。第141条第8項、第142条第11項及び第143条第15項の規定に基づき条例や規定が定められています。

そしてその費用に関しては、「船橋市議会議員及び船橋市長の選挙における選挙運動用自動車の使用等の公営に関する条例」「船橋市議会議員及び船橋市長の選挙における選挙運動用自動車の使用等の公営に関する規程」に定められているものについては、費用の負担をしてもらえます。ただし、定められた得票以上の票数がなければ、その費用負担も自己負担となります。

公営掲示板に掲示するポスターの印刷費、宣伝カーの費用(車両の賃貸、燃料など、車両を運行するための経費の一部です。)、投票依頼をすることができるハガキの郵送代(2,000枚分)が公費の負担となります。

それ以外の準備行為の費用や選挙運動費用は、上限が定められています。それはそれぞれの選挙により違っていまして、

(選挙運動に関する支出金額の制限)
第百九十四条  選挙運動(専ら在外選挙人名簿に登録されている選挙人(第四十九条の二第一項に規定する政令で定めるものを除く。)で衆議院議員又は参議院議員の選挙において投票をしようとするものの投票に関してする選挙運動で、国外においてするものを除く。)に関する支出の金額は、公職の候補者一人につき、参議院(比例代表選出)議員の選挙にあっては政令で定める額を、その他の選挙にあっては次の各号の区分による数を当該各号の区分に応じ政令で定める金額に乗じて得た額と当該各号の区分に応じ政令で定める額とを合算した額を超えることができない。
一  衆議院(小選挙区選出)議員の選挙
その選挙の期日の公示又は告示の日において当該選挙人名簿に登録されている者の総数
二  参議院(選挙区選出)議員の選挙
通常選挙における当該選挙区内の議員の定数をもつてその選挙の期日の公示又は告示の日において当該選挙人名簿に登録されている者の総数を除して得た数
三  地方公共団体の議会の議員の選挙
当該選挙区内の議員の定数(選挙区がないときは、議員の定数)をもつてその選挙の期日の告示の日において当該選挙人名簿に登録されている者の総数を除して得た数
四  地方公共団体の長の選挙
その選挙の期日の告示の日において当該選挙人名簿に登録されている者の総数
2  前項の場合において百円未満の端数があるときは、その端数は、百円とする。

という公職選挙法の定めに基づきます。

では、自費でまかなうものにどういうものがあるかと申しますと、公職選挙法の違反行為にならない範囲での、自己を宣伝するための印刷物(政策集や後援会資料や入会申し込みなど)、準備のための事務所、選挙のための事務所の費用。それらに関係する人件費、通信費。後援会連絡所等の看板作成費、選挙事務所等の看板制作費、車両用の看板制作費。車両用音響設備費。事務所運営費。などになると思います。

準備段階の事務所設置時期によって運営費が増加していきます。私が初当選をした時に、先輩たちから聞いた総費用は千万単位の金額でした。多い方で三千万円という金額を聞きました。これには驚きでした。と申しますのは、私で初当選時収支報告をした金額は、300万円前後だったような気がするからです。その後も概ねそれくらいの金額を自己資金として用意しなければならなかったと記憶しています。しかしながら、選挙及び準備の仕方次第でこの金額はどんどんふくらみます。

今は随分減りましたが、私の父の時代はことあるごとに「飲食」が伴っていました。それでも私の父は少ない方で、近所のボランティア(完全無報酬)の方々の支えによって行ってまいりました。私も同級生や近所の方々に支えていただいているので、費用がかからず選挙が戦えていると思います。ありがたいことです。

しかし、選挙の形態は支持母体や支持組織によって大きく異なります。日頃から党費を多額に支払っている議員さんは党の支援が多いかもしれません。私たち保守系は無差別攻撃みたいな感じで下手な鉄砲も数撃ちゃあたる式選挙とは違い、かなりピンポイントで効率の良い選挙活動をしていらっしゃる方も多いと思います。

いずれにしても、早くネット選挙が全面解禁になって、各個別訪問が解禁されるなどしないと、資料の配布代とかどうしても一定費用がかかり、優秀なやる気のある議員さんを選出していくことはできません。やりたい人と出たい人は全く別。ということです。若い人がある程度の人生経験をして、社会経験をして被選挙権を得られる25歳。その年齢の標準的収入及び貯蓄で、立候補ができるという環境が必要です。