船橋市立医療センターも、3次救急を行っている病院ですが、この記事は人ごとではありません。医療センターの場合は、「定員」があること。今回の3月の議会で増員を決定はしましたが、それで間に合うかどうか疑問です。

YOMIURIONLINEより

船橋市議会 勝手にe-報告 (長谷川大のe-通信簿)-yomiuri

初期救急市が一部負担 成田赤十字病院
覚書調印 医師の疲弊緩和
 成田市、印旛市郡医師会、同成田市医師団と成田赤十字病院は30日、同市の初期救急医療体制に関する覚書に調印した。成田赤十字の医師が夜間・早朝の初期救急対応で疲弊し、本来の役割の3次救急に影響が出始めており、市が初期救急経費の一部を負担する内容。公的病院の医師確保を目的に負担金事業を行うのは異例で、住民が医療機関へのかかり方を見直す契機となるか注目される。(赤津良太)
 同市役所で行われた調印式で、小泉一成市長は「医師不足で成田赤十字も深夜・早朝の初期救急が難しくなった。市が応分の負担をすることで救急医療体制が確立できた」とあいさつ。真鍋溥医師会長も「救急医療は勤務医の犠牲のもとに成り立っていた」と覚書の意義を強調した。
 予算は2009年度(10月から半年間)8500万円、10年度は1億7000万円を計上。成田赤十字が初期救急で実際に要した時間外賃金、日直・当直に入る医師や派遣医師の手当などに充てる。支払いは今後始まるが、加藤誠院長は「すべて医師やスタッフの手当拡充などに使う」と話す。
 成田赤十字は重篤患者に対応する3次救急だけでなく、軽症や入院患者を診る1、2次救急も24時間態勢で実施。01~08年度の救急患者数は毎年3万5000人を超え、1日平均100人前後に上っていた。8割前後が時間外・深夜(午後4時40分~翌朝8時半)に訪れるため、若手医師の間で「当直で全く寝られない」とのうわさが流れ、「後期研修医の確保に影響が出ている」(加藤院長)という。

 医療センターも研修医確保に影響が出ているかどうかは不明ですが、時間外勤務が過重な負担になっていないか心配です。ここで言う「過重」とは勤務時間もさることながら、時間外勤務に対する充分な対応がなされているかという意味もあります。「定員」の定めが病院の実態と合致しているか。勤務ローテションに無理が生じないか。新しい治療に関する情報や薬に関する情報の入手、専門の学会への出席など情報収集や研究の環境というように、様々な角度から考えて勤務する環境に無理がないかということです。

 実際、昨年4月の吸器内科に続き、今年4月からは呼吸器外科も休診になる。労働環境の悪化が医師確保に支障を来す悪循環に陥り、3次救急医療の機能低下も懸念されてきた。昨年4月から、夜間・休日など時間外に受診した軽症患者に対し、時間外療養費として5250円の負担を求めるのも、「コンビニ受診」などの安易な時間外利用を減らすのが目的だ。
 こうした取り組みの効果が表れてきたのか、09年度(2月末時点)の時間外・深夜の救急患者数は、前年度同期と比べて3割以上も下回っている。ただ、それでも医師の負担感は強く、4月から現在の4週6休制から週休2日制に移行し、医師が働きやすい環境づくりに力を入れるという。
 一方、医師会が運営する市急病診療所も、メーンの内科・小児科は毎日午後7~11時を受け持ち、今年1月からは日曜日の日中(午前10時~午後5時)にまで拡大。利用者数は2月末時点で9744人に達し、前年度同期比で約8割も増加している。会員の平均年齢が60歳を超える医師会にとっても、負担は限界に近付いているのが実情だ。
 真鍋会長は「病院や診療所へのコンビニ受診をなくすように、住民の皆さんにも理解と協力をお願いしたい」と呼びかけている。
(2010年3月31日 読売新聞)