どういうところの経営でも大丈夫なのですね。
特に下線部分のところがしみ入りますねえ。
いかがでしょうか。
MSN産経ニュースより
【話の肖像画】ただいま請負人(上)NHK会長・福地茂雄
2010.2.9 03:57
■就任後、走り抜けた2年間
アサヒビール相談役から一転、不祥事の相次いでいたNHKのかじ取り役を任されたのは2年前。受信料収入を過去最高近くにまで引き上げたものの、福地茂雄会長(75)は、来年1月までの任期を待たずに退任すると報じられている。未開の地での苦労はいかばかりかと思いきや、「視聴者の立場で接したから、違和感はなかった」とさらりと受け流す。そんな“助っ人経営者”が見た、公共放送NHKの姿とは。(佐久間修志)
◇
――2年間を振り返って
福地 ひたすら走り続けた感じやねえ。平成19年12月に引き受けてから、1カ月足らずで就任。しかも、就任1週間前に、インサイダー問題が発覚して。これは、予定していなかったよね。その処理と、3カ年経営計画を作るということで大変だった。最初の1年間は、長かった。2年目はあっという間に過ぎちゃったね。いずれにしても、走り抜けた2年間という感じでした。
??最初、(当時のNHK経営委員長だった)古森(重隆富士フイルムホールディングス社長)さんから話が来たとき、どういう気持ちで引き受けたのか
福地 全然、なる気ないから。NHKの会長って、執行部門の長。私は、アサヒビール時代にCEO4年、相談役を2年やった。今さら執行部門をできるかなと。会長職というのは全然知らない分野でした。全くその気がないからお断りしました。もう、検討しますとかのレベルではなく、まったく、その気じゃなかった。
――最終的には引き受けることになった
福地 一度断ったら、「そんなこと言わんと、考えてみて」って、2回、3回と言ってくるので、3回目ではっきりお断りしました。こちらから行きましたよ。富士フイルムに。それで、「せっかくお声をかけてもらったけど、やるつもりはまったくない」と。でも、あとで「もう一度、話聞いてよ」と。よほどやる人がいないのかなと思ってねえ。何も聞かずに、「分かりました」と。
――放送とビール会社との違いは感じたか
福地 それは感じなかったね。ビール会社でも、会社の全部門を経験した人が社長になるのではない。それが経営というものですよ。判断の軸足をきっちり持って、その部門部門の人にきっちり動いてもらえれば。放送については、客の立場では理解できた。NHKの番組は好きだったからね。だから、視聴者の立場で接してきたから、とにかく、お客さまの立場に徹していけば、違和感はなかった。
――では、民間会社と風土の違いは
福地 これはね、みんな自分の属している部分が常識だと思うんだね。NHKに限らず、すべて天動説なんだな、人間っていうのは。NHKは特に縦軸が強い。仕事は縦軸でするから、人間の背骨が強いのと一緒だけど、背骨だけでは体の維持ができない。組織も同じ。横のコミュニケーションがきわめて大事なんだけど、同じ報道局の中でも、部が違えばまったく違う世界だった。今はずいぶん変わりましたけど。
――2年間の成果は
福地 おかげさまで、平成16年に不祥事があって、受信料収入が16、17年でがたっと減りましたけど、それ以降については増収で、今は過去最高に迫ってきたでしょう。それは非常にありがたい。生活保護世帯、地方税免除世帯が、当初の予測を上回る状態だったので、経営計画の初年度目標達成は、難しい状況になりましたけど。
――公共放送の責務とは
福地 地震があると、ぱっとNHKに合わせてもらえる。選挙報道についても、NHKにチャンネルを合わせてもらえる。なぜだろう。お客さまの信頼だろう。信頼ってなんだろう。迅速に加えて正確。これをきちんと担保するから。言葉では簡単だけど、平素の訓練がきっちりできていないと。地震の訓練は、15年前から毎晩、地震報道の訓練をしている。最後のニュースが終わり、大きなスタジオにみんなが集まって。
――経営計画の中にある、平成24年度からの受信料10%還元の見通しは
福地 民主的なルールで決まったことですから、これは厳しくとも受け入れてやらないといけない。ですが、どういう形でするのかについては、受信料の制度そのものも見直しながら、検討する必要がある。一律、10%値下げというのは一番、能のない話ですよ。
◇
【プロフィル】福地茂雄
ふくちしげお 昭和9年、福岡県出身。75歳。長崎大経済学部卒業後、アサヒビールに入社。営業部門の責任者として、ビール事業拡大を推進。社長、会長兼CEO(最高経営責任者)を経て、平成18年3月から相談役。19年4月には企業メセナ協議会理事長、11月には東京芸術劇場館長に就任した。引責辞任した橋本元一前会長の後任として、20年1月から現職。
「みんな自分の属している部分が常識だと思うんだね。」この言葉が重いなあと思いました。
「それは違うぞ!!」って常に考えながら物事に取り組める人は大丈夫。そうでない人は、ダメ。
2月7日の都市計画について書いたブログの後半で、説明下手のことを書きましたが、それに通じる内容だと思ったのです。
特に下線部分のところがしみ入りますねえ。
いかがでしょうか。
MSN産経ニュースより
【話の肖像画】ただいま請負人(上)NHK会長・福地茂雄
2010.2.9 03:57
■就任後、走り抜けた2年間
アサヒビール相談役から一転、不祥事の相次いでいたNHKのかじ取り役を任されたのは2年前。受信料収入を過去最高近くにまで引き上げたものの、福地茂雄会長(75)は、来年1月までの任期を待たずに退任すると報じられている。未開の地での苦労はいかばかりかと思いきや、「視聴者の立場で接したから、違和感はなかった」とさらりと受け流す。そんな“助っ人経営者”が見た、公共放送NHKの姿とは。(佐久間修志)
◇
――2年間を振り返って
福地 ひたすら走り続けた感じやねえ。平成19年12月に引き受けてから、1カ月足らずで就任。しかも、就任1週間前に、インサイダー問題が発覚して。これは、予定していなかったよね。その処理と、3カ年経営計画を作るということで大変だった。最初の1年間は、長かった。2年目はあっという間に過ぎちゃったね。いずれにしても、走り抜けた2年間という感じでした。
??最初、(当時のNHK経営委員長だった)古森(重隆富士フイルムホールディングス社長)さんから話が来たとき、どういう気持ちで引き受けたのか
福地 全然、なる気ないから。NHKの会長って、執行部門の長。私は、アサヒビール時代にCEO4年、相談役を2年やった。今さら執行部門をできるかなと。会長職というのは全然知らない分野でした。全くその気がないからお断りしました。もう、検討しますとかのレベルではなく、まったく、その気じゃなかった。
――最終的には引き受けることになった
福地 一度断ったら、「そんなこと言わんと、考えてみて」って、2回、3回と言ってくるので、3回目ではっきりお断りしました。こちらから行きましたよ。富士フイルムに。それで、「せっかくお声をかけてもらったけど、やるつもりはまったくない」と。でも、あとで「もう一度、話聞いてよ」と。よほどやる人がいないのかなと思ってねえ。何も聞かずに、「分かりました」と。
――放送とビール会社との違いは感じたか
福地 それは感じなかったね。ビール会社でも、会社の全部門を経験した人が社長になるのではない。それが経営というものですよ。判断の軸足をきっちり持って、その部門部門の人にきっちり動いてもらえれば。放送については、客の立場では理解できた。NHKの番組は好きだったからね。だから、視聴者の立場で接してきたから、とにかく、お客さまの立場に徹していけば、違和感はなかった。
――では、民間会社と風土の違いは
福地 これはね、みんな自分の属している部分が常識だと思うんだね。NHKに限らず、すべて天動説なんだな、人間っていうのは。NHKは特に縦軸が強い。仕事は縦軸でするから、人間の背骨が強いのと一緒だけど、背骨だけでは体の維持ができない。組織も同じ。横のコミュニケーションがきわめて大事なんだけど、同じ報道局の中でも、部が違えばまったく違う世界だった。今はずいぶん変わりましたけど。
――2年間の成果は
福地 おかげさまで、平成16年に不祥事があって、受信料収入が16、17年でがたっと減りましたけど、それ以降については増収で、今は過去最高に迫ってきたでしょう。それは非常にありがたい。生活保護世帯、地方税免除世帯が、当初の予測を上回る状態だったので、経営計画の初年度目標達成は、難しい状況になりましたけど。
――公共放送の責務とは
福地 地震があると、ぱっとNHKに合わせてもらえる。選挙報道についても、NHKにチャンネルを合わせてもらえる。なぜだろう。お客さまの信頼だろう。信頼ってなんだろう。迅速に加えて正確。これをきちんと担保するから。言葉では簡単だけど、平素の訓練がきっちりできていないと。地震の訓練は、15年前から毎晩、地震報道の訓練をしている。最後のニュースが終わり、大きなスタジオにみんなが集まって。
――経営計画の中にある、平成24年度からの受信料10%還元の見通しは
福地 民主的なルールで決まったことですから、これは厳しくとも受け入れてやらないといけない。ですが、どういう形でするのかについては、受信料の制度そのものも見直しながら、検討する必要がある。一律、10%値下げというのは一番、能のない話ですよ。
◇
【プロフィル】福地茂雄
ふくちしげお 昭和9年、福岡県出身。75歳。長崎大経済学部卒業後、アサヒビールに入社。営業部門の責任者として、ビール事業拡大を推進。社長、会長兼CEO(最高経営責任者)を経て、平成18年3月から相談役。19年4月には企業メセナ協議会理事長、11月には東京芸術劇場館長に就任した。引責辞任した橋本元一前会長の後任として、20年1月から現職。
「みんな自分の属している部分が常識だと思うんだね。」この言葉が重いなあと思いました。
「それは違うぞ!!」って常に考えながら物事に取り組める人は大丈夫。そうでない人は、ダメ。
2月7日の都市計画について書いたブログの後半で、説明下手のことを書きましたが、それに通じる内容だと思ったのです。