とにかく注目を集めたことは確か。下記の記事ももっともだと思います。

MSN産経ニュースより

船橋市議会 勝手にe-報告 (長谷川大のe-通信簿)-sankei

【名言か迷言か】事業仕分けの透明性は看板倒れ?
2009.11.28 20:29
 政府の行政刷新会議による平成22年度予算概算要求の無駄を削る「事業仕分け」作業が終わった。廃止や国庫返納などによって1兆8000億円程度の無駄が洗い出されたことに加え、インターネット中継などで政府の予算編成作業の一端が透明化されたことが好感を呼び、鳩山内閣の支持率向上の一因にもなったようだ。
 その半面、わずか1時間程度の作業で、専門性の高い事業の要否が判定されることへの不満も渦巻いている。

 効率よい予算編成作業とみると納得です。そして財務省が悪い子ではなく良い子になれる。本来の予算編成作業に、何もわからん政治家と「国家予算」の素人さんを入れて、もっともらしい議論をしながら予算編成作業をしたに過ぎないのではって、この記事を読んで思いました。

 科学技術予算の削減については、25日に自民党文部科学部会に出席したノーベル化学賞受賞者の野依良治理化学研究所理事長は、こんなふうに政府の事業仕分けへの不満をぶちまけた。
 「不用意に事業を廃止、凍結する方々には、将来、歴史という法廷に立つ覚悟ができているのかを問いたい」
 科学技術予算では13日、次世代スーパーコンピューターの開発に関する仕分けで、民主党の蓮舫参院議員が「世界一を目指す理由は何か。2位ではだめなのですか」と発言したことが話題になった。さらに、スパコン開発費は仕分けの結果、「凍結」と判定されたことも重なって、科学者らからは、仕分け人たちが科学技術への理解が浅い、と批判を強めることになった。

 メディアを巻き込んだ予算復活折衝。従来の事務レベルか課長折衝くらいでしょうか。

 これを受けて、菅直人副総理・国家戦略担当相は20日の衆院内閣委員会で、「スパコンはきわめて重要であり、もう一度考えなければならない。事業仕分けは最終結論ではない」と発言し、事業仕分けの結果をひっくり返す可能性を示唆した。
 また、鳩山由紀夫首相も26日、こう言った。
 「事業仕分けも重視しながら、こういったサイエンスあるいはテクノロジー、科学技術というものがやっぱり資源のない国にとっては大変重要な知的財産ですから、この財産というものを活用する方向を考えていきたい」

 この部分を読むだけだと、大臣折衝までもできちゃった。

 そういうことで、年末に向けた予算編成の過程では、事業仕分けでバッサリと削られた予算であっても、政治的な判断を加味して「復活」を遂げるものがいろいろ出てきそうだ。

 結局は従来型の予算編成作業の一部が、「見せたってかまわない」あるいは従来も関係団体や関係者には公になっていた部分をメディアを使ってみせただけのこと。

 一方、鳩山首相は27日夜の会合で、事業仕分けの意義についてこう話している。
 「国民の皆さんが予算編成を見ることができるようになっただけでも大きく変わったと思います。そうでしょ、皆さん。大事なことはね、透明性なんです、透明性」

 これは間違い。前述したように、以前から内容は公開されていましたよね。ただメディアが記事になるものだけを記事にしていた。今回はその作業を公開しただけ。しかも、なんだか幼稚な作業を。従来はプロ同士の真剣勝負だったと思うけど、今回は、常識の通じない世界。蓮舫に教育や国防など語ってもらいたくないと思った人々はたくさんいたはず。餅は餅屋。

 しかし、仕分けによって透明になったのは、予算編成のほんの一部分である。たとえば事業仕分けの対象事業はどのように選ばれたのか、全然透明になっていない。
 また、スパコン予算をはじめとして、事業仕分けで削られた事業を復活させるなら、復活の過程も公開しなければおかしい。
 事業仕分けの公開は意味がないと言っているのではない。また、スパコン予算を復活させるなと言っているのでもない。ただ、公開された会議で削られた事業が、非公開の会議で復活するのでは、そもそも透明化した意味がないではないか。
復活はどこで決まるのか。行政刷新会議なのか、財務省と文科省の復活折衝なのか、鳩山首相と川端達夫文部科学相との交渉なのか、あるいは予算編成に関する閣僚委員会や閣議なのか。その過程をライブで公開しなければ、鳩山首相の言う透明化は看板倒れというものだ。

 だよね。だから、船橋市の建設委員会も事業仕分けに近いことをやるけど、財政部の領域には踏み込まないし、地方自治法の本来趣旨に反しない範囲での作業になると思います。