MSN産経ニュースより

船橋市議会 勝手にe-報告 (長谷川大のe-通信簿)-sankei

【政権交代と世論の風】(下)自民敗北原因は「あのCM」だった?
2009.9.23 07:19
今回の衆院選での「自民党敗北の原因」は多く語られているが、「なるほど」という別なデータが出てきた。
財団法人情報通信学会の「間(かん)メディア社会研究会」の調査だ。研究している学習院大の遠藤薫教授が説明してくれた。
そこで分かったのは、今回の衆院選で自民、公明両党がインターネット上で展開した、民主党を批判するコマーシャル(ネガティブCM)を見た人のうち6割以上、63・5%が、批判している自公両党に対して逆に「悪い印象を持った」と答えていることだ。

大学の広告論のゼミで、アメリカの広告手法を勉強しました。当時からアメリカ社会には根付いていた比較広告です。その当時の授業では、日本社会のマインドの中では、受け入れられにくい手法だろうという結論でした。

衆院選で自民党に投票した人に聞いても、その3割以上が「CMは自民、公明に悪印象だった」と衝撃の回答を寄せていたという。
劣勢が伝えられ、起死回生を狙った自民党、公明党のネガティブキャンペーンが「逆効果」だった可能性も出てきたから大変だ。

比較広告の発展型の広告手法がネガティブキャンペーンですが、今回の自民党のものを見て、大胆にかつ積極的にやっているなあ~とは思っていました。が、しかし…だったのですね。

調査は8月31日~9月1日、1000人を対象にネットで実施した。ネット調査なので、電話や対面調査と比べると、その数値の扱いは難しいが、ネットCMでありながら、ネットユーザーには不評だったということのようだ。
自民党が展開したネガティブCMは3種類あった。そのうち、「ラーメン編」では、客が好みを言うたびに、それに合わせて、具や味やふりかけまでかけて、どんどん違うラーメンを作ってしまうラーメン店主を描き、「相手に合わせるだけでは誰一人幸せにできない」というテロップで、盛りだくさんの公約を打ち出した民主党を皮肉るというスタイル。
また、「プロポーズ編」では、老後も生活も高速道路も乗り放題だと、なんでも大丈夫と自信満々に語って結婚を迫る男性を描いて、テロップで「根拠のない自信に人生を預けられますか」と、民主党のマニフェスト(政権公約)に財源の裏付けがないと揶揄(やゆ)するものだった。
遠藤教授の調査では、このネットCMは、いずれも数十万回アクセスがあり人気だったが、評価は悪く、CMを作った側に対する悪印象が6割を超えてしまったというわけだ。自民、公明両党の狙った通り、民主党に悪印象を持ったとの回答はわずか4・6%に過ぎなかった。
遠藤教授は「昨年の米大統領選でもマケイン候補が展開したネガティブキャンペーンが失敗するなど、ネガティブキャンペーンの難しさが指摘されているが、日本ではネガティブCMは逆効果だった可能性がある」と指摘。「むしろ、有権者の良識がよく示されている調査結果だ」とも話した。
確かに衆院選では、麻生太郎首相を筆頭に、民主党批判で「こんなばらまきでいいのか」と正面から批判してみせたが、ネットCMだけでなく、こうした選挙戦術そのものが受け入れられなかった可能性もある。
だからといって、自民党の選挙戦略に代替案があったかどうかといわれると難しい。「ひたすら土下座」で同情を買うという戦略しかなかったなどといえば、あまりにさびしい話になってしまう。(金子聡)

そういうことなんですね。実は選挙広告とは、比較広告の最終型でなければなりません。今回も結局はマニフェストの勝負ではあったということになっておりますが、十分に双方のマニフェストが理解された上での投票行動であったかと言えば、失礼ながら「否」です。どう考えても。

我々自民党は負け組ですから、今さら何を言っても始まりませんが、日本の昨今の風土で、マスメディアに流されてしまう傾向が強いことによって、その本質を見極めにくくなっています。そういう中では、もうちょっと別の手法はあったのかとも思いますが、メディア頼りの中では致し方ない結果かなとも思います。

この視点で研究が進み、日本の選挙の仕組みが少しずつ変化していくのでしょうね。まあ、頑張るしかありません。