MSN産経ニュースより

船橋市議会 勝手にe-報告 (長谷川大のe-通信簿)-sankei

【政治の病】(下)政局優先 政策二の次、立案は官僚頼み
2009.8.13 19:28
7月2日、都内で行われた「言論NPO」主催の公開討論会。民主党「次の内閣」財務相の中川正春は、有識者から民主党の財政再建化策を問われ、顔を紅潮させながらこう力説した。
「自民党は赤字を積み上げてきた。政権が代われば、民主党は借金を払わなければいけない立場に置かれる。財政再建化策はこれから煮詰めていかなければならない」
しかし、7月27日に発表されたマニフェスト(政権公約)は財政健全化策がすっぽり抜け落ちていた。自民党は「待ってました」とばかり、民主党のマニフェストを「バラの花のようでも造花。財源不足が極めて大きい」などと批判した。

一方、自民党は首相(総裁)の麻生太郎が同月31日、マニフェストを発表。民主党に対抗するため、経済政策で成長戦略を盛り込んだほか、外交・安全保障政策をアピールしたが、焦点の集団的自衛権や消費税などは中途半端な表現にとどまった。

それ以降、マスコミでは連日、自民、民主両党のマニフェスト比較が行われ、マニフェスト選挙は浸透しつつある。だが、それに応えるべき政党の政策立案応力は不十分だ。
早大マニフェスト研究所の北川正恭所長は「自民党も民主党も慌ててマニフェストを作った。『後出しジャンケンがよい』と考えているなら、『政策立案能力はない』と言っているに等しい。英国では選挙の1年半前から作成し、住民の声を聞いて修正し、党内で徹底的に議論する。そして議論の中身は全部、公開している」と指摘する。
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「官僚が作った政策をホチキスでとめて、各種団体の利害調整をまとめるだけだった」
自民党中堅は同党のこれまでの政策立案について、反省を込めて語る。同党は中央省庁を「最大のシンクタンク」と位置づけてきたが、それが官僚依存体質を生み、自前の政策立案能力の阻害要因となってきた。

いや~、公務員たたきみたいなことが多いのですが、僕は、「最大のシンクタンク」論は100%同調します。

民主党はどうか。同党の若手・中堅には「政策通」が多い。しかし、「政権交代」を優先させるあまり、政策は「二の次」になっていたのも確かだ。マニフェストを次々に見直しているのはその表れといえよう。

本当に政策通が多いのか?って思います。

平成21年度補正予算をめぐる5月7日の衆院予算委員会。自民党の前官房長官・町村信孝は、民主党をこう批判した。
「民主党は歳出、歳入がどういう姿になるのか修正案として出してもらいたい。彼らは出していない。出せないんだ。なぜ出せないか。財源となる歳入予算を組めないからだ」
その後質問に立った民主党代表代行の菅直人は「憲法上の規定では、野党は予算提出権がない」と反論したが、予算案に限らず、民主党が政府案への対案をきちんと国会に提出してきたとはいえない。対案の不十分さについて、民主党は「官僚が正確なデータを出さないから」ということを理由に挙げる。

詭弁だな。僕は本当にこの菅直人の軽さ、思慮のなさが大嫌いだ!!

自民党も今回の衆院選で野党に転落する可能性があることから、これを問題視する声が出始めている。ある議員は「官庁は国益より省益を優先させる。官僚の情報独占はぶち壊した方がよい」と強調する。両党とも政策の官僚依存を認めているようなものだ。
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二大政党政治を定着させるうえで今後、問われるのは政策立案能力だ。北川は「日本はシンクタンクを育てなければならない。利益誘導やしがらみで選挙をしていた時代はとっくに終わった」と語る。

そうだと思う。

自民党は平成18年に「シンクタンク2005・日本」、民主党は17年にシンクタンク「公共政策プラットフォーム」を設立した。しかし、両シンクタンクが今回のマニフェスト作成に関与した形跡はない。一般のシンクタンクも銀行や証券など経済系が多く、政治・経済を包括した機関はほとんどない。
一方、米国では「戦略国際問題研究所(CSIS)」「ブルッキングス研究所」「ヘリテージ財団」などシンクタンクが充実している。共和党系、民主党系などと色分けされ、時の政権の政策に与える影響も大きい。さらに政府への人材供給源になっている一方、政府からの人材受け入れも行っており、人材の行き来は「リボルビング(回転)ドア」と呼ばれている。
小選挙区制導入は、政党間の政策論争を活発化させるのが本来の目的だ。もうひとつの目的である「政権交代可能な政治」は今回の衆院選で実現するかもしれないが、まだ「政策は二の次」になっている。それが官僚政治を温存させている要因でもある。各政党が官僚に依存せず、自前の政策立案能力を持ってこそ、あるべき政治の姿に近づくに違いない。(敬称略)
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この企画は高橋昌之、安藤慶太、今堀守通、坂井広志が担当しました。

勉強になりました~。