は、たぶん仕組みを知らなかったのだろうなあ~。あるいは、逆によく理解しており理論的にはOKだと思っていたのかも。しかし、この記事にあるように、その理屈は通用しませんよ、ということでしょう。

MSN産経ニュースより

船橋市議会 勝手にe-報告 (長谷川大のe-通信簿)-sankei

小沢氏秘書逮捕】繰り返される違法献金 地検は「形式犯」を重要視
2009.3.3 18:54
東京地検特捜部が「形式犯」である政治資金規正法違反容疑での立件に踏み切ったのは、「政治とカネ」の問題の透明性確保のために情報開示を義務づけた同法の意義を無視し、長期間にわたって、西松建設から小沢一郎氏側に巨額のトンネル献金が行われていた事実の悪質性を重くみたからとみられる。

ここの部分は納得ですね。法の趣旨・意義を無視して抜け道のような使い方をするのは、やはりこの手の問題では許されないのでしょうね。

政治資金の透明化を図る目的で昭和23年に制定された規正法は、かつて形式的に法規に違反しているだけの「形式犯」として軽視されてきた。特捜部による政界捜査では、贈収賄重視の傾向が依然として根強い。
しかし、国民が選挙などで政治家を評価する判断材料のひとつが、政治資金収支報告書だ。
ある検察幹部は「規制法違反は国民を欺き、民主主義の健全な発展を阻害する重大犯罪」と指摘する。
また別の幹部は「手口の巧妙化などにより、贈収賄事件の摘発が困難になっている今、政界捜査の武器となるのが政治資金規正法」との見方を示す。

こういう部分で、下記のPACの運用では、アメリカでも手口の巧妙化があるそうです。今回の小沢事件は、PACのシステムを導入しているとのことでしたが、いずれにしても、日本の政治資金規正法の運用の面での王道を行ってはいなかったのですね。

確かに、私の知る国会議員の先生は、集金力ベスト5くらいに入る先生ですが、広く、薄く、大量に集めているようです。政治資金規正法に基づくパーティ、朝食会、夕食会の回数はすごいですもの。

こうしたことから、平成15年に坂井隆憲元衆院議員が逮捕された事件や埼玉県知事だった故土屋義彦氏の長女らが逮捕された事件、村岡兼造元官房長官が在宅起訴された16年の日本歯科医師連盟(日歯連)事件など、違法献金は近年、特捜部によって幾度もメスが入れられてきた。
だが、相次ぐ摘発にもかかわらず、西松建設はダミーの政治団体を使うという“巧妙”な手口で摘発をかいくぐり、事実上の企業献金を続けていた。

これが米国のPACと同じシステムのようです。だから合法だとは言いませんが、違法性は少ないと裁判で争えるとでも思っていたのかもしれません。

このため特捜部は、すでに時効となっている分を合わせると2億円近いトンネル献金が行われてきた点に着目。時効の壁のため立件額は小額ながら、違法性の認識の強い政治献金だったと判断したものとみられる。
西松では、原子力発電所関連事業など、表にできない営業活動に海外などでつくった裏金を使っていたとも指摘されている。
カネで買った政治力はなかったか。ある検察OBは、「さらに徹底した捜査が求められるだろう」と話している。

参考まで
国立国会図書館 調査と情報 第454号  より

(1)寄附の質的制限
連邦選挙運動法(Federal Election Campaign Act)は、政治資金と選挙運動費用とを区別しない一元的な規制の下に、企業、労働組合及び政府と契約関係にある者が連邦選挙に 関して寄附を行うことを禁止している。また、外国に本拠のある者や他人名義による寄附 を禁止するとともに、100ドル(約1万1千円)を超える寄附は現金ではなく小切手等で 行うこと、候補者はその指定する政治委員会を通して資金を管理すること、寄附を受領する者は銀行口座を設置すること等を規定している。
その一方で、同法は、企業や労働組合等が政治活動委員会(Political Action Committee: PAC)を設置することを容認している。PACは、その母体となる企業等の役員や株主等から個人献金を集め、これを候補者等に寄附することができる。企業等は、PACの管理・運営費用等を負担することができる代わりに、PACの名称には当該企業等の名称を含める必要がある。
(2)寄附の量的制限
寄附を量的に制限する目的は、候補者や政党等に広く、薄く資金を集めさせることにより、富裕な寄附者等が政治に過度の影響力を及ぼすことを防止することにある。
連邦選挙運動法は、寄附者・受領者ごとに細かく区分された量的制限を設定しており、例えば、個人は、候補者の政治委員会に対しては選挙ごとに2千ドル(約22万円)まで、PACに対しては年間5千ドル(約55万円)までの寄附を行うことができる(表1参照)。 こうした個別制限とは別に、個人の寄附については2年間で9万5千ドル(約1千万円)までの総枠制限3があるが、PACの寄附には、総枠制限は設定されていない。