「コミュニケーションへの小さなヒント」

~障害者支援のために~

講師  中邑賢龍先生(東京大学)

http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/research/pioneers/019/index.html


のお話を伺いに行ってきました。

消防出初め式というビッグイベントにお招きいただいていたのですが、療育支援課のこの事業を見せていただくことを優先させていただきました。

 

「行って良かった」です。

「教育の一つの課題を考える」ということで、このブログに産經新聞の記事を引用させていただきながら、私なりにいろいろと考えさせていただいているのが学習障害や発達障害のこと。研究がどんどん進んでいるようで、いろいろと解明されてきている分野のようです。しかしながら、今回の講演を聴いてわかったのは、そういう子どもたちが増えているのも事実のようです。

 

私は、密かに(ってここで書くことによって密かではなくなってしまいますが)狙っているのが、日本で最もLD(学習障害)やADHD(注意欠陥・多動性障害)などの人たちに優しい自治体にしたいのです。


ヴァージングループをつくったリチャード・ブランソン氏、パソコンメーカーのヒューレット・パッカードを創業したウィリアム・ヒューレット氏、「Kinko’S」をつくったCEOのポール・オルファレア氏、ハリウッド俳優のトム・クルーズ氏やウーピー・ゴールドバーグ氏、アメリカ文学を代表する作家のジョン・アーヴィング氏、彼らは全員、LD(学習障害)やADHD(注意欠陥・多動性障害)として知られている人たち。ほかにも政治家や芸術家、ノーベル賞学者、五輪選手ら列挙したらきりがないくらい、自己実現し社会貢献もしている発達障害を持つ人たちがたくさんいます。

 

このように、その才能を開花させる、そういう自治体にしたいのです。誕生から就職まで船橋市に面倒を見てもらったとなるようにしたいのです。言い方が少々乱暴ですが、そういうことなのです。現在の日本の法や制度の中では、LDやADHDが、まだまだ「障害者」扱い。

 

そうじゃない。そうじゃないからスタートして、他の自治体でうんざりしている人たちは船橋へいらっしゃい、と。就職まで頑張りなよ。そのかわり、船橋市に住み続けること。そして社会貢献を必ずすること。それが条件です。私は人的資源への自治体の投資だと思うのです。

 

私は、凡人の一般人の健常者よりも、LDやADHDの人たちの潜在的なパワーとその能力を信じたいのです。

 

さて、中邑賢龍先生の話に戻りますが、ご研究、取組みのホームページです。

http://at2ed.jp/

http://doit-japan.org/

 

障害のある子どもを大学へというプロジェクトのようです。この部分には触れませんでしたが、すばらしいことだと思います。あと10年くらいでできるようにしたいというようなことはおっしゃっていましたが、大賛成です。ディスレクシア(読み書きの学習障害)の子どもを受験させる事例をお話しになりましたが、その通りと思いました。

 

欧米と日本との「障害」の概念や社会の認識や取り扱いの違いをわかりやすく説明もして下さいました。例えば、テーマパークの入場料金の割引の考え方の根底が違うから、障害の内容によって、割引のある障害とそうでない障害があるというのは目から鱗でした。

 

見て楽しむテーマパークは全盲の人は割引だけど、そうでない障害の人は、楽しめるのだから、割引なしなど、当たり前と言えば当たり前の発想で世の中全体が扱っている。一方、日本は完全に「福祉」で、障害者手帳があればどのような障害でも割引。おかしいでしょ。ってことでした。そうですよね。たしかに。

 

もっともっとたくさんのお話があってすべてが有意義なものでした。消防の皆さんには申しわけなかったのですが、大変勉強になった一日でした。