だからこそこのような消費者ニーズに基づいた商品の需要があり、ニッチと思われた(思わせていた)市場が拡大するのではないでしょうか。
MSN産経ニュースより
気を吐く5万円パソコン、さらに低価格、高機能へ
2009.1.221:25
世界的な景気後退で、昨年は急速に個人消費が伸び悩んだ。IT(情報技術)の分野も例外ではないが、そうしたなかで急速に販売シェア(市場占有率)を伸ばしているのが、小型・低価格のミニノートパソコンだ。「5万円パソコン」とも呼ばれ、2台目のパソコンとして低価格志向を強める消費者の心をがっちりとつかんだ。すでに5万円パソコンは、国内ノートパソコン市場でシェアが2割を超えたが、さらに販売を伸ばすのは確実。5万円パソコンはどのように進化するのか、今年の動向を占った。
パソコンメーカーはこれまで高機能、高価格を志向し、その流れをくんだ高機能の小型ノートパソコンを販売してきた。だが、5万円パソコンは発想を転換し、搭載ソフトを絞り込むなど機能を抑えることで、4万~6万円という低価格を実現した。
持ち運びやすい点を生かし、外出先でインターネット接続してメールをやり取りしたり、ウェブサイトを閲覧したりするのに使われることが多く、「ネットブック」とも呼ばれている。
外でパソコンを操作する人の多くは、絶対に機能を限定してもらっても良いと考えているはずなのです。私は、ネットに接続しながら、ブログを書く。ブログを書くために調べ物をする。ネット接続、ワープロの機能で十分なのです。
プレゼン用の方もいらっしゃるでしょう。でも、それ以上の方っていらっしゃるんでしょうか? それをわざわざ機能を充実させて、20万円台、30万円台の価格で販売しようとするんですね。ひどいもんです。
5万円パソコン普及の火付け役となったのは海外メーカーだ。昨年1月に台湾系のアスースが海外市場で販売していた製品を日本向けに発売。これに触発されたかのように、ヒューレット・パッカード(HP)やエイサー、デルなどの海外大手が続いた。
少なくとも、日本以外のメーカーは消費者目線というか、消費者ニーズ優先で販売戦略を考えたんでしょうね。
これに対し、高機能戦略を進めてきた国内メーカーは、5万円パソコンへの参入に慎重だったが、東芝が10月下旬に、次いでNECも11月上旬に発売に踏み切った。わずか1年足らずで、国内外10社以上がひしめき合う激戦区となり、デジタル家電全体の主役に躍り出た格好だ。
国内メーカーは、自分たちの利益のために(より安易に高付加価値と思わせることによっての濡れ手に粟的利益)手を出すのを控えていたのでしょう。自分たちが市場を作るんだという市場経済の大原則をどこかへ置き去りにして、自惚れていたのでしょう。
景気後退色が強まる中で、5万円パソコンの人気は今年、さらに高まりそうだ。東京・秋葉原の家電量販店「ヨドバシカメラマルチメディアAkiba」の1階パソコン売り場では、5万円パソコンを品定めするスーツ姿の客が目立つ。従来型パソコンのコーナーに比べ、その数は圧倒的に多い。だが、パソコン売り場担当の若林寛さんは「仕事用に使いたいという人がほとんどだが、最近は若い女性なども目立ってきた」と話す。
実際に、オンキヨーは11月に人気キャラクターの「ハローキティ」を天板にプリントした機種を発売するなど、デザインを工夫したり、カラーバリエーションを増やしたりする動きも目立ってきている。ビジネスマンだけでなく、一般消費者を意識した機種が増えたことで、5万円パソコンは消費者のすそ野を確実に広げつつある。
また、5万円パソコンの市場拡大には、データ通信の普及という背景もある。家電量販店が7月以降、携帯電話会社のイー・モバイルと2年契約すれば、ミニノートパソコンを格安で買えるセットプランを販売したところ、イー・モバイルは10月と11月の契約純増数がソフトバンクモバイルに次いで2位になった。外出時のデータ通信需要が、5万円パソコンの販売を押し上げていることが明確になったといえる。
これも大手移動体通信キャリアの驕りでしょうね。私も使用していますが、絶対に良いですもん。しかもちゃんとMac対応ですしね。
一般消費者への認知度が高まった5万円パソコンは今年、どのような進化を遂げるのだろうか。そのヒントは、昨年末の市場の動きにみることができる。
まず機能強化だ。5万円パソコンは、搭載ソフトを絞り込んだり、ハードとしての性能を抑えたりすることで低価格を実現してきた。だが、エイサーは12月、表計算やワープロなどのビジネスソフトを搭載した機種を追加した。価格はこれまでの機種より1万円高いが、ソフト単体の価格は約2万円のため、買い得感がある。
量販店も、ビジネスソフトを有料でインストールするサービスを提供している。機能不足に対する不安は解消されつつある。
もう一つの流れは、さらなる低価格化だ。すでにデルやHPなど海外メーカー製の旧モデルは3万円を切るものも出始めており、パソコンメーカーの戦略にも影響を与えている。東芝は低価格パソコンに参入するにあたり、当初は7万5000円前後で販売したい意向だったが、海外勢との価格差が大きく売れないとみた量販店側の要望もあり、いきなり1万5000円程度の値下げを強いられた。
海外勢でもデルが9万9800円だった12・1インチの商品を12月2日に6万4800円に値下げした。低価格化の流れは、画面サイズが9インチ程度のミニノートサイズばかりでなく、画面の大きい機種にも広がりつつある。
今のところ、5万円パソコンに対する国内メーカーの対応は2つに分かれている。東芝、NECに続き、富士通が参入を検討する方針を明らかにしているものの、ソニーとパナソニックは参入を表明していない。市場拡大が見込めるとはいえ、5万円程度の価格では採算性に乏しく、従来品の値下がりも招きかねない。
だが、このまま海外勢の“侵攻”に目をつぶっているわけにもいかない。NECによると、10月と11月の2カ月はノートパソコンの販売台数が対前年で23%伸び、このうち5万円パソコンの押し上げ効果が8割ほどを占めた。
NECパーソナルプロダクツの渡辺敏博・商品企画本部長は「既存ノートも前年を上回っており、大きなカニバリゼーション(共食い)は起きていない」としている。東芝、NEC以外でも5万円パソコン市場に打って出るメーカーが出てくるはずだ。
「低機能、低価格」から「高機能、低価格」へ-。5万円パソコンは今年、さらに付加価値を増し、市場を牽引(けんいん)することは間違いない。
主な5万円パソコン
▽メーカー名=(1)機種名 (2)記憶容量(ギガバイト) (3)画面サイズ(インチ) (4)実勢価格
▽エイサー=(1)Aspire one (2)160 (3)8.9 (4)4万9800円前後
▽アスース=(1)EeePC S101 (2)16(SSD) (3)10.2 (4)6万5000円前後
▽HP=(1)HP mini1000 (2)8(SSD) (3)10.2 (4)4万9800円前後
▽デル=(1)Inspiron Mini9 (2)16(SSD) (3)8.9 (4)4万9800円前後
▽東芝=(1)NB100 (2)120 (3)8.9 (4)5万9800円前後
▽NEC=(1)LaVie Light (2)160 (3)8.9 (4)5万9800円前後
▽レノボ=(1)IdeaPad S10e (2)160 (3)10.1 (4)4万9980円前後
お買い得感が人気 5万円パソコンの選び方
2009.1.221:31
低価格で買い得感のある5万円パソコン。国内メーカーも参入したことで、品ぞろえも増え、店頭ではどの機種を選ぶか迷いそうだ。だが、従来のパソコンに比べて、安いのには理由がある。パソコンの心臓ともいえるCPU(中央演算処理装置)などの性能を抑え、搭載ソフトも限定されている。パソコンに詳しいフリーライターの山田祥平さんは、「どういう目的で使うかをしっかり考えてから買うべき商品」とアドバイスする。
5万円パソコンの多くは、CPUにインテルの「Atom」を採用している。携帯端末用の省電力品で、動画表示など高速のデータ処理を必要とする用途には向いていない。このため、外出時のメールのやり取りなどに使い方は限定され、あくまで2台目用と考えた方がいい。
山田さんは、「多目的に使うなら従来型のノートパソコンを買った方がいい」という。従来品も低価格化が進み、5万円台からと手ごろになっている。
多くのメーカーが参入し、ラインアップは増えたものの、「性能面でメーカー間の大きな違いはない」という。買うなら性能はあまり気にせず、デザインなど自分の目的や好みに合わせて選んだ方がよさそうだ。価格は国内メーカー製の方がやや高いが、手厚いサポートを受けられる魅力がある。
一方、最も注意したいのは記憶装置だ。5万円パソコンの記憶装置には、半導体メモリーを使った新型のSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)と、ハードディスク駆動装置(HDD)の2種類がある。SSDはHDDに比べ記憶容量がかなり少ないものの、メールのやり取りやウェブサイトの閲覧程度なら十分に使える。情報に素早くアクセスでき、耐久性も優れている。これに対し、大容量のHDDは、画像などを大量に保存したい場合に便利だ。
「2台目用の5万円パソコンは使い方が大事」と山田さん。製品選びだけでなく、自宅のパソコンとうまく使い分けるなどの工夫も必要になりそうだ。
そうそう。そこをうまく判断すればよい買い物ができるはず。