議会の見識について、考えさせられました。

下記の陳情が提出されました。

船橋市議会 のWebSiteをごらんください。

 

この陳情審査を建設常任委員会で行ったのですが、願意の2にある「制度導入の前に駆け込み着工が行われないよう議決すること」は、実際問題として不可能なことであります。

 

制度導入前は現行法令が適法になるわけですが、適法なものを自治体が規制することが可能かどうかと言えば、不可能です。従って、そのような内容のことを議決したとしても、それは法令違反をしろと議決することになりますから、到底できないことになるのです。そこは議会の見識というか、当たり前すぎるくらいの理屈なのですが、それさえも無視をしてというか、わかっていながら、この陳情に賛成する会派が多数でありました。

 

さて、それを多数で賛成した会派は、当然ですが、このことを実行する義務を負います。ところが、議会の日程からその行動が読み取れませんでしたので、議事の途中に緊急の動議を提出させていただき、このことについて協議をしてもらいました。結果、賛成した会派の多くの方々が私の主張を汲み取ってくださり、議会としての責任ある行動をしてくださいました。

 

が、しかし、一つの会派だけはなぜかその行動に同調をしないという不可思議な行動でありました。もちろん、言論の自由はありますから、どういう理由を付けるのもこれまた自由ですが、陳情者の気持ちを考えるといかがなものかなあと思いました。

 

委員会の中での発言でも、「議決はできないけど、全体の気持ちはわかるから賛成」みたいなニュアンスの発言をなさっておりましたが、陳情文書を勝手に解釈して、そのことに迎合しているように見せかけ、最終的には本当はそうじゃありません。私の解釈はこうです。って言うのはありなのかなあとつくづく考えさせられました。後だしジャンケンよりもひどいような気がします。

 

ですから、逆を言うと、難しい話ですけど、陳情者の意思に沿って、議決できるよう努力をしましょうとした会派の皆さんに拍手~ですよね。

 

しかしながら、もっとひどいのは陳情者です。傍聴をしていたようですが、私は陳情者の気持ちを慮って、緊急動議を出し、その意に添うように発言をさせていただいたのに、休憩に入った途端、「おい、金をもらっているんだろう」「宅地課長と同じで業者から金をもらっているんだろう」という趣旨のことを、あまり大きくない声で言っていました。

 

大きな声で言ってくれれば、様々な手段が取れるのですが、当然確証もなく、私の会派が高さの問題で陳情者と違う立場を取っていることが面白くなく、そのようなでっち上げというか、デマというか、苦し紛れに言っているようですが、小さな声にならざるを得ないこと自体悲しいことですね。

 

一つの事象があれば、賛成する人、反対する人がいるに決まっているのに、自分たち以外は受け入れられない。そして思うようにことが進まないと、自分勝手な理屈で物事を進める。こんな前時代的な思想の方々が問題を複雑にしていること自体悲しいことだと思います。誰もが、より良い街づくりを目指していることは明白なのに…。

 

●陳情第51号 高度規制早期化等に関する陳情

[願意]

高度規制早期化等に関し、次の事項を実施願いたい。(資料・略)

1.市当局に市議会の決定を尊重することを徹底すること。

2.制度導入の前に駆け込み着工が行われないよう議決すること。

3.市当局の不祥事発生にかんがみ、宅地課を筆頭に関係当局の総点検を実施すること。

4.市の高度規制への対応は一地方都市の個別の問題ではなく、全国のマンション問題関係者の関心事項になっている。市は先進的な対応をすること。

 

以下略