<MSN産経ニュースより>


sankei

【政論探求】菅さんのカン違い

2008.6.24 19:29 

やや旧聞に属する話となってしまったが、言うべきはきちんと指摘しておかなくてはなるまい。ことは国政調査権とは何か、という重大な問題にかかわるからだ。

民主党の菅直人代表代行らが5月15日、さいたま市の国土交通省関東地方整備局を「視察」した。ここがタクシーチケットを野放図に使っていたことは指弾されて当然だ。

だが、「チケットの半券を出せ」「個人情報につながるので出せない」「それなら個人名のところを黒塗りにして出せ」などと長時間の押し問答やもみ合いまで演じたのはいただけない。

この模様は報道陣に公開され、テレビでもやりとりが流された。菅氏は昨年10月にも薬害肝炎問題で厚生労働省に乗り込み、地下倉庫を見せろと迫ったことがある。

 

そうそう。これがテレビで報道されたときに、なんで議員が調査に行ったところにテレビカメラがいるのか、それ自体異常だなって思いました。

 

よほどこの種のパフォーマンスがお好みのようだが、これが国会議員の国政調査権に基づくものと認識しているのだとすれば、大きな勘違いだ。

憲法62条には「両議院は、各々国政に関する調査を行い、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる」とある。

気をつけなくてはいけないのは、「両議院」、つまり衆院と参院に国政調査権があるということであって、個々の「議員」にあるとは書いていない。「質問主意書」も議長に提出し、承認を得て内閣に転送される。

自民党の笹川堯衆院議院運営委員長は「国会議員に院外での捜査権、尋問権はないはずだ」と苦言を呈したが、これは笹川氏の言い分が正しい。

民主党側は国交省国会連絡室がこの視察当日に現場で提示すると回答していた、としているが、もともと国交省側には「議員の国政調査権」に従う法的義務はない。

民主党にはタクシー使い放題問題を摘発した「功績」があるのは確かだろうが、こうした視察ならぬ査察まがいのことまで国会議員に許されているわけではない。政権を担当するとしている民主党だけに、権力の行使には一定の節度がほしい。

(客員編集委員 花岡信昭)

 

わざとテレビカメラに向かって強圧的な態度で怒って見せて、得意げになっている議員が映っていましたけど…。

あ~あ。