【産経抄】6月18日


sankei

2008.6.18 03:01

もう45歳のネズミ人間になっていたのか。きのう、昭和と平成をまたいで全国を震撼(しんかん)させた幼女連続誘拐殺人事件の犯人、宮崎勤死刑囚の刑が執行された。26歳の「おたく」青年は、逮捕から20年近く生きながらえたが、殺された子供たち4人はかわいい盛りで時計が止まったままだ。

鳩山邦夫法相は、就任以来13人の死刑執行を命じた。平成では最多の執行数とあって、「鳩山法相は、ほぼ2カ月おきに死刑を執行し、ベルトコンベヤーのごとく処理している」とかみついた国会議員の集団がある。

亀井静香氏が会長を務め、加藤紘一、福島瑞穂両氏といったおなじみの面々も名前を連ねている超党派の「死刑廃止を推進する議員連盟」だ。亀井氏は鳩山氏を「法相の資格もなければ、人間の資格もない」とまで口を極めて罵(ののし)ったことがあるが、正義は鳩山氏の方にある。

 

そう。正義は鳩山法務大臣にある。あらゆる「法」の責任者でもある法務大臣が自ら法を破るほうがおかしいことで、淡々と、粛々と処理をすれば良いのです。

 

刑事訴訟法475条は、死刑が確定すれば、法相は再審請求が出ているときなどを除いて6カ月以内に刑の執行を命令しなければならない、と定めている。宗教上の理由などから在任中、死刑執行の命令を一度もしなかった法相が何人かいるが、彼らこそ法律違反者だ。

 

その通り。

 

神ならぬ人間が人間を裁き、死をもって罪を贖(あがな)わすのはいかがなものか。国家による殺人だ、という死刑廃止論者の理屈は一見、もっともにみえる。だが、凶悪犯の衣食住を保障し、国民の税金で一生のうのうと過ごさせることが社会正義にかなうはずがない。

 

まさに真理なり。きれいごとではいけないのです。日本の三権分立、司法制度を否定することにもなりかねません。被害者がどれだけの苦しみを味わい続けているか。被害者の家族がどれだけの苦しみを味わい続けているのか。裁判で刑が確定したならば、淡々と粛々と執行すべきであります。鳩山法務大臣は、思慮深く判断をなさっていらっしゃると思います。

 

2年前に刑が確定した麻原彰晃死刑囚も宮崎死刑囚同様、自ら罪を悔い、遺族に謝罪する可能性はゼロに近い。欧州連合(EU)では、死刑を廃止しているので日本も、という出羽(でわの)守(かみ)は、さっさと文明の都、パリあたりに移住されてはいかがか。