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オバマ氏 民主党大統領候補指名確定 米メディア報道

2008.6.4 08:49 【ワシントン支局】米大統領選の民主党候補指名争いで、AP通信などは3日、オバマ上院議員が代議員の過半数を獲得、ヒラリー・クリントン上院議員を抑えて指名を確定させたと伝えた。クリントン氏との間で5カ月間にわたり繰り広げられた激しい指名争いは終了した。

特別代議員であるカーター元大統領がオバマ氏支持を正式に表明、意志を表明していないほかの特別代議員を合わせれば、オバマ氏は指名獲得に必要な2118人に達したもようだ。

オバマ氏は3日夜、ミネソタ州セントポールで勝利集会を開く予定。この地で共和党は9月に党全国大会を開いて、マケイン上院議員を正式に大統領候補に選出するとしており、オバマ氏はマケイン氏に挑戦状をたたきつける形だ。

 

さて、一番関心があったこと。それについての記事も出ていました。下記の通りです。

想像もできない世界。単一民族の日本に育ってどっぷり日常生活に染まっている私にとって、人種問題は体感的に理解できない話です。ただ、アメリカ生活の長い人の話などでは、「想像を絶する」話のようです。今回のこの件も良く聞いてみたいものです。

 

米国社会は人種問題を克服したか 米大統領選

2008.6.4 18:36 【ワシントン=古森義久】米大統領選の民主党候補にはバラク・オバマ上院議員の指名が確実となったため、米国の歴史でも初めて黒人大統領が誕生する可能性も生まれてきた。だが米国社会は黒人をホワイトハウスの主として迎えるところまで人種にからむ諸課題を克服したのか。

ケニア人を父とするオバマ氏は出自では文字どおりのアフリカ系、つまり黒人だが、昨年2月に大統領選に名乗りをあげて以来、今年春までの長い期間、人種が選挙戦での論題になることはまずなかった。その理由はオバマ氏の知性や教養に加えて「カリスマ」や「チャーム」と評される個人の資質が旧弊な意味での黒人をまるで感じさせなかったことだろう。一般有権者側にも、あえてオバマ氏が黒人であることは意識の外におき、自国や自分が人種問題を乗り越えたことを顕示するような気配もあった。

オバマ氏自身も「白人と黒人の二つのアメリカではなく、ただ一つのアメリカがあるだけだ」と融合や同化を一貫して説いた。事実、ジェシー・ジャクソン師やアル・シャープトン師ら過去の大統領選に立った伝統的タイプの黒人政治指導者たちがいつも使った「抑圧糾弾」や「反白人」のレトリックにオバマ氏は完全に背を向けた。

しかしそれでも「人種」は今年4月、前面に出てきた。オバマ氏が20年も通ったシカゴの黒人キリスト教会のジェレマイア・ライト牧師が白人主体の社会への恨みをこめて「アメリカにのろいあれ!」などという過激な説教をしていたことが判明したからだ。オバマ氏は同教会から離脱した。

続いて5月中旬に有権者の9割以上が白人のウェストバージニア州の予備選でヒラリー・クリントン候補が白人票の7割をも獲得したことで「人種ファクター」が論じられた。世論調査でも同州民主党支持者の5人に1人が「人種の差は候補者選びで重要だと思う」と答えた。同州の民主党支持の中年女性が「オバマ氏が当選すれば、ホワイトハウスはブラックハウスと改名しなければならない」と冗談半分に語ったことも幅広く報道された。

しかしその 一方、バーモント州やオレゴン州など白人有権者の比率が高い地域でもオバマ氏が予備選の勝利を飾った。逆にアパラチア山系に沿ったケンタッキー州やペンシルベニア州で白人票がより多くクリントン氏に流れる傾向も指摘された。とくに平均所得の高くない労働者層やカトリック信徒層の白人にはオバマ拒否が強いとされる。

こうみると、オバマ氏が黒人であることはそれ自体ほとんどハンディではないようにも映る。だが世論調査の権威ジョン・ゾグビー氏 は「こんごオバマ氏が民主党候補となり、大統領にもなる可能性が高くなると、『人種』はより大きな要因や壁になることは確実だといえる」と語る。

やはり大統領選での黒人候補の戦いは米国でも未知の壮大な実験だということなのだろう。

 

本選挙ではどうなるんだろう。