先般、チーム遠藤入会を報告いたしましたが、このテーマの補助作業もさせていただいております。遠藤利明代議士http://www.e-toshiaki.jp/
が、この調査会の事務局を担当しております。


自民、「スポーツ立国調査会」発足へ 30日に初会合
2007.10.27 20:24
国をあげて金メダル量産体制を構築-。自民党は政務調査会に「スポーツ立国調査会」(仮称)を新設、30日に初会合を開く。平成21年度の「スポーツ庁」創設を打ち出し、国際大会で活躍できる選手の育成強化や、28年の東京五輪招致を後押しする。クレー射撃でモントリオール五輪に出場した麻生太郎前幹事長が会長に就任、森喜朗元首相が最高顧問を務める。
調査会は、スポーツ庁予算として、スポーツ対策関連予算を現行の約180億円から約1000億円への増額を目指す。日本体育協会や日本オリンピック委員会、野球やサッカーのプロ機構などプロ・アマを問わず日本スポーツ界を統括する「日本スポーツコミッション」を発足させる。
さらに、スポーツ振興法を改正し、選手を支える専門医や情報技術者らの充実を図るほか、有望選手を早期に発掘、英才教育の実施も検討する。その一方で、東京五輪の誘致活動の一環として、政府が運営責任を担う「政府保証」の確約に努める方針だ。


この各下線部についてものすごい危機感があります。非常に貧弱と言うか、我が国ではこれらのことを積極的には行ってこなかったと思います。世界各国が国をあげて取り組んでいることを。


新調査会設置の背景にあるのは、最近の国際大会で日本人選手の不振だ。昨年2月のトリノ冬季五輪は112人の選手を投入しながら、メダル獲得は女子フィギュアスケートの荒川静香選手の金1個のみ。今年8月の世界陸上大阪大会も、女子マラソンの土佐礼子選手の銅1個だけだった。いずれも戦後最低の成績で、「来年の北京五輪以降も悲惨な結果になりかねない」(文部科学省幹部)という。
また、成績低迷は、スポーツ政策を学校教育の延長線上に位置付け、選手の育成は企業や選手個人まかせとしている政府のサポート体制の薄さにあるとの見方が強い。
このため、自民党は、こうした現状を抜本的に見直す必要があると判断した。
調査会では、月2回のペースで選手や関係者らから意見を聴取し、来年6月に中間報告をまとめ、21年度以降の予算編成に反映させる考えだ。


先般、この調査会は自民党本部に柔道の谷亮子選手とハンマー投げの室伏広治選手をお招きして、意見を聞きました。


その中でいろいろと発言がありましたが、もう全般的に悲惨としか言いようがない選手の活動です。

資金、競技指導、専門医、専門トレーナーはじめ、すべてに恵まれていない。更には、引退後の生活が不安定すぎて、学校在学中にその競技の才能があっても、継続していくことを断念せざるを得ない。

というのが実態のようです。
この引退後のことも、筑波大学の先生や研究室とも協力しながら、進めていくようです。


MSN産経ニュースより
【やばいぞ日本スポーツ】(1)世界選手権惨敗 実績偏重、進まぬ世代交代
2007.12.23 09:00
「ここで取りこぼしなんて冗談じゃないぞ」。柔道全日本男子の斉藤仁監督は怒鳴った。今月7日の嘉納杯初日、アテネ五輪男子66キロ級金メダルの内柴正人が2回戦でモンゴル選手に敗れた。終了間際の逆転負け。返し技だった。
ショックな出来事は続いた。女子78キロ超級でアテネの女王、塚田真希が初戦の2回戦で、無名の中国人選手に敗れた。「緊張感がなかった」と塚田。北京五輪の代表選考は嘉納杯からが本番だ。第一人者の言葉としては、あまりに寂しい。エース級の谷亮子、鈴木桂治…ホスト国から7人もの欠場者が出た。
来春の最終選考に間に合えば…。そんな甘さが見え隠れし、どこか覇気がない。9月の世界選手権(ブラジル・リオデジャネイロ)で惨敗を喫したときにはあった危機感まで薄れている。
北京五輪を控えた今季は柔道以外にも陸上、水泳、体操などで世界選手権が開かれ厳しい日本の現実が浮かび上がった。
アテネ五輪では、この4競技にレスリングを加えた5競技で過去最多タイの金メダル16個(柔道で8個)を積み上げた。
だが今季の金は、柔道が五輪種目でわずか1個、水泳もアテネの3個が1個、体操も1個からゼロになった。陸上も夏の地元大阪開催で、メダル候補が次々失速し、銅メダル1個の寂しい結果に終わった。
厳しい結果に、日本オリンピック委員会(JOC)は、北京五輪で獲得できる金メダル数を「現状では5個」と分析した(銀6、銅16)。一体、原因は何なのか。
世界選手権に臨んだ柔道日本代表の平均年齢は男子27歳、女子25歳。2000年以降では最も高い。なにしろトップ選手がなかなか替わらない。例えば谷亮子だ。2年のブランクを経て復帰した4月の全日本選抜体重別決勝で22歳の福見友子に敗れたが、実績を買われ代表入りした。男子重量級の井上康生も今春2度の代表選考会で敗れながら代表に選出されている。
「結局、選ばれるのはベテラン」。そんな空気から無力感が生まれる。女子48キロ級は世界選手権優勝で谷が事実上、五輪切符を手にした。福見は「気持ちが乗らず、(精神的に)だましだましやってきたので…」。嘉納杯は5位に沈んだ。
「谷に圧倒的なものがあることは誰もが認めるが、次の選手を送り出すことに競技団体が踏み切らないと、層は厚くならない」と指摘するのはスポーツプロ デューサーの杉山茂氏。筑波大の白木仁准教授(スポーツ医学)も「(柔道には)本当に勝ったら連れて行くというイメージがない」と手厳しい。
そんな批判が聞こえたのか全日本柔道連盟は強化方法を転換し、全代表を集めた強化合宿ではなく、各階級上位2人に絞った階級別分散合宿による強化に切り替えた。
少数精鋭で効率化を図り、欧州遠征などの経験を優先的に積ませる方針だ。吉村和郎強化委員長は「上位2人はシビアに入れ替える」と語り、右ひざの故障でリ ハビリ中の五輪王者、野村忠宏も特別扱いしない意向だった。ところが、来年1~3月の欧州遠征に選ばれたのは野村、井上らベテラン勢ばかりだった。
「誰が金に近いかという基本線は変わらない」と斉藤監督。アテネで爆発したベテランが頼りになるのは確かだが、若手に目を向けるのが遅すぎたといえないだろうか。
JOCは11月、北京対策会議を発足、有望選手や種目を特定し強化費を配分することを決めた。総額約1億円。だが、最高額の1000万円を受け取る柔道を筆頭に、顔ぶれの多くは4年前と代わり映えしないはずだ。
北京五輪開幕まで7カ月余と迫った。本来なら、本番に向け、目の色を変えねばならない時期だが、日本競技陣の周辺からは緊張感が伝わらない。アテネの「成功」もあって進まぬ世代交代。同時に、この国のスポーツを取り巻く環境の粗末さも見えてくる。


とにかく国をあげて、強い選手の育成と引退後の保障、誇り高い選手になれるよう国が大きく関与してバックアップしていく体制が整いつつあります。