インフルエンザの注射を昨日打ってもらいました。だから安心というわけではありませんが。私の長女は、1シーズンに2種類のインフルエンザに罹ったことがありますから、深刻です。そんなときでも、タミフルがあるから大丈夫ってな感じで、処方していただいておりました。おかげで、重篤化もせず、治りましたが。

さてさて、どうなるのかなあって不思議に思っていたことが、記事となっておりましたので。

MSN産経ニュースより

どうするタミフル服用 9歳以下は大丈夫?

2007.11.14 08:07

インフルエンザによる学級閉鎖が出始めた。インフルエンザの患者は11月下旬から増え始め、2月ごろにピークを迎える。この冬は昨シーズンと異なり、異常行動との関連も指摘される治療薬タミフルの10代への使用が原則として中止されている。10代の患者の治療はどうするのか。9歳以下なら心配ないのだろうか。

 17%に異常行動

川崎市で小児科医院を開業する廣津伸夫医師は昨シーズン、インフルエンザと診断した18歳以下の患者217人の家族に、異常行動を経験したことがあるかどうかアンケートをした。

家族が「いつもとは違う」と判断したのは37人(17%)。泣き叫ぶ、奇声を上げるといったものから、カッターナイフで手首を切りそうになった(15歳男子)、トイレに行くと言って玄関のドアを開け出て行きそうになった(同)まで、さまざま。

カッターの男子はタミフル服用11時間後、玄関に向かった男子は同2時間後と差があった。また37人のうち12人は治療薬を使う前にすでに異常行動が見られたという。

異常行動があった患者となかった患者でワクチン接種、最高体温、治るまでの経過などとの関係を調べたが、異常行動につながる要因は見いだせなかったという。

日本臨床内科医会インフルエンザ研究班副班長も務める廣津医師は「インフルエンザは神経症状を伴うことが多い。異常行動とタミフルとの因果関係は、ないのではないか」と考えている。

この下線部にあるように、もともとそういうふうに学術的にも認知されているとしたらどうなんでしょうか。この異常行動といわれることが、全体患者の何パーセントで、更に確実にタミフルとの因果関係が証明できるようなデータを取ることが可能だとしたら良いのですが、それがない状況で、使用ができなくなるのも、残念な気がします。

因果関係は不明

厚生労働省によると、タミフル服用後に異常行動を起こした患者は、平成13年の販売開始から200人以上報告されている。16年2月に岐阜県内の男子高校生=当時(17)=が服用後に国道に飛び出し、トラックにはねられて死亡したケースなど、死亡例もある。

同省の薬事・食品衛生審議会は2つの作業部会で調査。10月24日の部会では、タミフルを輸入・販売する中外製薬の動物実験の途中経過を議論し、同省は「因果関係を示す結果は出ていない」との見解を示した。ただし、「今回のデータだけでは結論は得られない」として、臨床試験や疫学調査の結果を踏まえ、できるだけ早く因果関係を判断する方針だ。

ご不幸にもたまたま死亡事故につながっているのが、薬が原因であれば大変なことです。しかし、逆に、劇的な効き目で救われている人がどれほどいるかも考えていきたいものです。

薬の使い分けも

インフルエンザの治療によく使われる薬は、タミフルのほかに、専用の吸入器で吸入するリレンザがある。いずれもウイルスの増殖に欠かせない酵素の働きを抑える薬で、A型とB型の両方のインフルエンザウイルスに対して効果がある。

廣津医師は、タミフルとリレンザの効果も比較。A型インフルエンザでの効果はほぼ同じ、B型ではリレンザの方が約1日解熱が早かったという。

厚労省が3月に出したタミフル使用中止の対象は「10歳以上の未成年」。10歳で線引きしたのは「それ以上だと体が大きく、異常行動が起きたときに親が止められない恐れがある」という判断だ。同時に、9歳以下はインフルエンザで死亡する危険性を考慮して対象から外し、服用させる場合は患者の様子に注意するよう求めている。

廣津医師はこの冬は、10代の患者にはリレンザを処方、10代以外ではB型患者にはリレンザを勧めA型にはタミフルかリレンザか選んでもらうつもりだという。

タミフルへの不安は、9歳以下の子供を持つ親の中にもある。廣津医師は「薬を飲まないという選択肢もあるが、小児を中心に起きるインフルエンザ脳症は、年間100~200例報告され、死亡することもある。うわ言など通常とは違う様子があれば医療機関を受診して」と呼び掛けている。

薬というのは、悪い部分を人工的に化学的にとでもいうのでしょうか、とすればどこかに副作用の影響が出ることはある程度覚悟しなければならないのではと思います。更には、だからこそ、慎重に、その副作用がどれほどの影響かということを厚生労働省が厳しくチェックするわけです。そのチェックに長い年月とお金がかかっているわけです。それを、メディアの報道でクローズアップされたことによって、使用できないことになり、患者が重篤化するケースが増えたり、より多くのインフルエンザ患者が毎回増えることを良しとすることが、正しい道なのでしょうか。