MSN産経ニュースより

李登輝氏訪日めぐり日中神経戦

2007.10.27 21:34

今年6月にドイツで開催された主要国首脳会議(ハイリゲンダム・サミット)での安倍晋三首相(当時)と中国の胡錦濤国家主席との首脳会談をめぐり、中国側がその直前の台湾の李登輝前総統の訪日を理由に会談を拒否していたことが27日、複数の関係者の証言で分かった。しかし、日本側が譲らず、中国側が全面的に折れるかたちで決着、会談は行われた。こうした安倍政権の遺産をどう継承できるかが、今後の対中外交の焦点になりそうだ。

関係者によると、サミット開催に合わせた日中首脳会談は、日中間の戦略的互恵関係の促進や北朝鮮問題などを話し合うため、早い段階で日本側が呼びかけ、中国も応じる構えだった。

ところが、中国側は、5月末になって会談中止を通告してきた。理由は、5月30日の李氏来日だ。中国政府は、28日の日中外相会談で楊潔(=簾の广を厂 に、兼を虎に)外相が麻生太郎外相(当時)に李氏訪日への懸念を表明していた。それにもかかわらず、日本側が李氏の入国に何の制限も加えなかったことを問題視したのだ。

毎度毎度、李登輝前総統の訪日のたびになんらかの圧力をかけてくる中国ですが、まあその時々に外務省、外務大臣は踊らされている感じでした。そのつど各種マスコミが報道しておりました。

そもそも、台湾は中国の一部です。と言っていて、日本もそうですね。って公式には言っています。そこの人が訪日する。政治的懸念はあってもねえ~。と思います。そもそも、実際は、多くの台湾籍の人たちも中国籍(これらの言い方もおかしいかもしれませんが)の人たちも中台間を行き来をしているのですから…。それとこれとは違うと言うのかもしれませんが、日本に来ることに関しては、日本国が入国をどういう形で求めるかは日本国の主権の問題で、いちいち言われる筋合いはないのです。それを今まで、何の問題でもそうですが、言われると言いなりだった日本が悪いのです。

そもそも、外務官僚同士のお付き合いでは、我々なんかとのお付き合いとは違うでしょうけど、どちらが本音で付き合うかといったら、国対国になった場合は、あの国はしたたかですから、絶対無理です。

これに対し、日本政府は、「サミット正式参加国は日本だ。招待国の中国と無理して会談することはない」(当時の官邸筋)と会談の提案そのものを引っ込めた。

これですこれ。「言うのはタダ、ダメもとで言ってみようぜ」の世界が存在しています。すべてがそうだといっても過言ではないと思います。だから、こういう強気に出ないとダメなんです。むしろこれくらいのところからがゼロの出発点だと思います。「そんなことはないよ」っていう官僚や国会議員さんがたくさんいると思います。そうです、もちろんあなた方と接するときはおくびにも出さないでしょう。

これにあわてたのが中国だった。すぐに「李氏は日本で講演を予定している。これを(マスコミなどに)完全クローズにするなら安倍氏と会談してもいい」とハードルを下げてきた。

こうなるのです。彼らは、「平等互恵の原則」とか、「子々孫々まで」なんて言葉を多用しまして、非常に真摯な態度で、穏やかに重みのある口調や話法を使い、会談に臨んできます。

漢字を使う民族同士ですからなんていわれた日には、もう大変です。でも、日本語の漢字と中国語の漢字とでは大きな違い。ましてや、かなりの中国語使いでなければ、シビアな話し合いなどできません。隠語やたとえ話などでかなり独特のものがあり、何十年と中国との取引をしていた大手商社マン出身の私の上司だった方でも、たとえ話などでは、いつも驚いていました。地方によっても違いますから、大変だったようです。

それでも日本側が「会談開催に李氏訪日の件を絡めるならば、会う必要はない」という安倍氏の考えを伝えたところ、中国側は6月3日になって「条件はつけない。ぜひ会談を行いたい」と全面的に譲歩。8日の首脳会談が実現した。

最終的にはこうなるのです。だからこそきちんと原理原則に基づき外交というものに取り組んでいただきたいものです。

だいぶ前のニュースで、加藤紘一先生が中国のことを話していて、それって完全に間違ってる、ということを平気な顔しておっしゃっていました。外務省チャイナスクールの出身議員さんがこれかよ~って思いました。まあ、本当に中国の方々は、プライベートで個々に籠絡していくのはお上手ですからねえ。

李氏は7日に靖国神社参拝と講演を予定通り行い、講演では、「多くの人々が中国経済の高度成長に惑わされ、危機の存在を否定するが的外れだ」などとも語った。

日本側は「首脳会談で胡主席が、李氏に靖国を参拝させた日本を批判すると予想した」(官邸筋)。だが、胡主席は李氏の靖国参拝にさえ触れなかった。

こんなものなんですよね。

中国側が強硬姿勢をあっさり転換したことについて、外務省幹部は「それが中国の交渉術」とした上で、「これまで日本は中国の機嫌を損ねることばかりを恐れ、相手の思惑通りに動いていた。しかし、このときは日本がぶれず、譲歩を引き出した」と振り返る。

わかっているんだったら、すべてに関してこういうふうにすべきだろうということです。

外交筋は「安倍氏は靖国神社に行くとも行かないとも言わない『あいまい戦術』というかたちで靖国カードを保持していたので、中国も強く出られなかった」と解説する。中国としては、あまり日本を刺激すると安倍氏が反中国の姿勢を鮮明にし、結果的に、安倍氏の靖国参拝を招き、中国国内の暴動や反政府活動を誘発しかねない状況になるのを恐れたというわけだ。

政権交代後の今月11日に北京で開かれた東シナ海のガス田開発に関する局長級協議で、中国側は、改めて強硬姿勢をみせている。

こうした状況から、外務省内には「親中派の福田康夫首相に花を持たせる考えはない」との見方も広がり始めた。外交筋は、「福田首相は早々に『靖国には参拝しない』と述べ、靖国カードを手放しており、くみしやすいとみている」と指摘している。

まあ、日本国と中華人民共和国との間の平和友好条約(日中友好平和条約)締結時の内閣総理大臣が父上ですから、親中国は間違いありませんが、新しい形の日中間の関係を築いていただきたいものです。両国とも完全に世代交代が進んでいるのですから、もう過去を引きずらないで、前向きの議論をお願いしたいものです。それは中国の若い世代も望んでいることであろうことは明白です。