MSN産経ニュースより

【主張】選挙違反冤罪 民事で捜査の実態を暴け

2007.10.22 03:08

平成15年の鹿児島県議選をめぐる選挙違反事件(買収容疑)で、無罪となった元被告ら17人が国と県に対し、総額2億8600万円を求める国家賠償請求の民事訴訟を鹿児島地裁に起こした。自白を強要し、長期間身柄を拘束するなどの違法捜査を受けたためで、今回の提訴は当然のことである。

そもそもどうしてこんなことになったのかが理解できません。17人もの方々が罪をでっち上げられた。ということなのですが、本当に~?という感じです。しかしながら、そもそもの裁判結果が無罪ですから、間違いないのだと思います。だとしたら、警察と検察はどうしたのでしょう。

元被告たちは、鹿児島地裁の刑事裁判で無罪を言い渡され、検察側が控訴を断念したことで無罪が確定した。同地裁は判決の中で、「客観的証拠は全くなく、買収資金の原資も解明されていない」と述べ、検察・警察のずさんな捜査を厳しく糾弾した。

さらに、警察の取り調べについて、「被告らが長時間の取り調べの末、捜査官の強圧的な誘導に迎合した結果、苦しまぎれに供述したとうかがわせる」と指摘し、検察・警察当局を批判した。捜査当局の「完敗」であり、猛省とともに真相究明を求めたい。

まさにそうですね。私は常に警察官の皆さんは、人員不足でいながら、犯罪の件数が増え、大変な過重労働をなさっており、更には、使える経費の制限や、世間の警察に対する風当たりが強い中でのお仕事は、過酷極まりないものだと思っております。

でも、99.9パーセントの警察官の皆さんが国家、国民のために日夜頑張っていらっしゃることに感謝申し上げながら、この件についてはコメントをさせていただきたいと思います。こういう本当にほんの一握りの方の捜査ミス、取り調べミスあるいは意図的なでっち上げにより、全国の警察官の信頼を失ったことは大変遺憾なことでもあります。

同じ事件で、不起訴処分とはなったものの、任意捜査の段階で、警察官から家族の名前を書いた紙を無理やり踏ませる、いわゆる「踏み字」という屈辱的な取り調べを受けた人もいた。この人は、県を相手に損害賠償を鹿児島地裁に起こし、すでに60万円の賠償命令が確定している。

信じ難いことだと思うのが、この「踏み字」です。任意の段階でこういうことが行われるとは驚きです。私も、友人や知人が捜査に協力したり、逆に犯罪を犯してしまい、逮捕された者もいて、取り調べの話はよく聞くのですが、これはないなあ~という感じです。確かに、もう犯罪を犯した人への調べは厳しいようです。それは当たり前の話。そして、執拗に繰り返し、様々な質問、詰問があるようですが、それも当たり前。ですが、本件はどうなんでしょう。

このように、鹿児島県警が「摘発」した選挙違反「事件」は、度を越した厳しい取り調べや綿密な証拠収集もしない捜査で無実の人を強引に逮捕・起訴した「冤罪(えんざい)事件」だった。

私も、さまざまな方々に選挙をお手伝いいただいて、初めて選挙ができるのです。そういう意味でもこの事件は人ごとではないのです。こんなことがまかり通ったら、だれも怖くて選挙などお手伝いに来てもくれません。

しかし、そもそもなぜこのような事件が仕立てられたのか。事件そのものがなかったのかどうか。事件の真相や背景などが不透明のままである。

まさに、この部分が一番大事です。火のないところに煙を無理やりだしたのか?警察が動いた何かしらの理由があるのではとも思うのです。そうでなければ、逮捕・起訴ってあり得ないことです。日本の法体系でもそうなっているのですから。どうしてなんでしょう?検察のゴーサインの根拠が知りたいなあと思います。

原告団長は、「誰が、何の目的で我々を苦しめたのかが明らかにされないと、この事件は終わらない。これは警察、検察の犯罪だ」と、提訴の理由をこう語った。まさに、その通りであろう。自白偏重の捜査は冤罪を生む。それを教える典型的な事件だった。

警察官、検察官は、子どもたちが最もあこがれる職業の一つでなければなりません。前段で、批判めいたことを書かせていただきましたが、ほんの少しだけ信じたい気持ちもあります。どうか日本全国の警察官、検察官の皆さんは今後も頑張っていただきたいと思います。

一般の国民が職業裁判官とともに有罪か無罪かを決め、量刑も判断する裁判員制度があと1年半後に導入されることになっている。

検察・警察の捜査手法が国民から不信感を持たれないためにも、この民事裁判で捜査当局の捜査の実態を徹底解明し、検証する意味は大きい。

まさに、この裁判員制度が始まるわけですから、公正公平な裁判が行われるようなさまざまな方策がとられ、法治国家としてよりよい国になっていくことを願ってやみません。