朝のワイドショーで、自民党の女性議員が党の代議士会と思われるところで、「日刊ゲンダイ」を振りかざし、郵政造反議員の復党問題で熱弁をふるっていました。それに対する、そのワイドショーのコメンテイターたちが、もう、非難ごうごうでした。おもしろおかしく見ちゃいましたが、コメンテイターのおっしゃる通りでございます。って感じでした。すぐ隣には、安倍総裁、その隣には麻生幹事長。怖いもの知らずと言うか、アホと言うか、そのアホさ加減をさらにその番組で暴露されていました。

この方、東大を卒業して、歌手でインディーズのCDも出している。当選した衆議院選挙の前は、民主党から参議院の選挙に立候補。落選。その後、自民党から衆議院に立候補、当選ということのようです。そのときにまた、コメンテイターが、「議員になることが目的の人はこういう行動をとるんですよ」ということでした。なるほど、久しぶりにこの人もいいこと言ったなあ~と思いました。

船橋市議会も本当に前から書いているように、選挙に当選するために常に活動している議員が多すぎます。先日も、自分の地元以外で、同じ会派にそこの地元の先輩議員がいるにもかかわらず、その地域のちょうど西のはずれの方から東のはずれの方まで行って、選挙のために活動をしていたということがありました。一般質問で、その地域の問題点を取り上げ、「私がやりましょう。よっしゃよっしゃ」みたいに発言をしていました。傍聴にわざわざ関係者を呼んでいました。議会で発言してくれた、市長にまで言ってくれた、というパフォーマンス。市議会議員の本来の仕事ってなによって聞きたくなるくらいです。本当に選挙のためのパフォーマンスって困りものです。

市議会議員の選挙というのは、私は、「個人」対「個人」だと思っています。自分自身が直接話をして、知ってもらう。その人格や能力など総合評価してもらう。うわべだけでなく。それで間違いなく当選できます。逆に、駅頭で毎日顔と名前を覚えてもらう。これも、一つの平常時(選挙時ではなく)の活動として定着してきました。しかし、その方々に対する投票行動は、これまた以前も書きましたが、「毎日、毎月、一年間立ち続けているから偉い」と言っている人は、移り気です。残念ながら。そして、何か問題があったとき、ビラも受け取ってくれない、弁明の機会を与えてくれない厳しい方々です。いわゆる無党派層といわれる方々です。非常に厳しいです。我々選挙を行う者とっては。ですから、当選できる確実な票数を過去のデータから算出して、自分を知ってもらう努力をしておくしかありません。

何か市政に対する苦情を言われたとき、まさに説明責任を果たすことが重要です。何でもかんでも、「おっしゃるう通りです、なんとかしましょう」は言ってはいけないことです。市政に対する苦情をはじめ、いろいろと不満があって相談が来る。そのとき、相手方の有権者の方を肯定してしまっては、自分の首を絞めるだけです。「何か事情があるんでしょうかねえ、ちょっと調べてみましょう」が適切な答えではないでしょうか。

そして、きちんとその方の意図を理解したうえで、よく調べてみて、苦情の内容について「調べたらこうでした。」から始まって、相手方が理解しやすい実例などもあらかじめ調べておいて、わかりやすく説明をしてあげることですね。それが本当に市役所の怠慢や、一方的な理不尽なことがあれば、厳しく問題提起をしておかなければいけないですし、議会で取り上げるのもよいでしょうし、方法はたくさんあります。しかし、なんでも支持者、有権者の言いなりではいけません。仮に、強引にクレームを入れた有権者の言いなりになって、市役所を説き伏せても、もし、その有権者のお隣が真逆のクレームを入れたらどうなるのでしょうか。対応不可です。ですから、きちんと事情を聴いて、どうしたいのか、なぜ不満なのかを適切に聞き取る努力をして、対応しなければなりません。

「個人」対「個人」と書きましたが、もっと適切な言葉は、「Face to face」かもしれません。その関係が維持できれば、何かいやなうわさが流れたり、言葉足らずで誤解が生じたりすることがあっても、修正可能です。ところが、うわべだけで、クレーム案件の処理だけや駅頭のビラだけでのお付き合いは大変な危険をはらんでいるのです。「メディアリテラシー」という言葉がありますが、残念なことにメディアに大きくその考え方が左右されないと言い切れません。そういう日本社会において、「政治」を冷静に考えるということは、まだまだ定着しいていないようです。