長女が、メキシコへ出発しました。ガールスカウトの活動で、言ってみれば聖地のような場所へ行くようです。世界中から、と言っても英国、米国、マレーシア、カナダ、日本からの参加が主体のようです。

私の子ども時代と大きく変わってきたのだなあと思ったのは、空港での風景です。見送りに成田空港に行ったのですが、単に夏休みの賑わいだと思ったのは大間違い。海外旅行客の性質がだいぶ想像とは違っておりました。あきらかに、高校生年代と思われる幼さが残る少年少女が多いのです。しかも、高校の制服だったり、私服でもそのほとんどが団体でした。夏休み中の短期の留学や、語学研修などの任意の学校行事のようです。

すばらしいことですね。海外の駐在経験をした者としては大賛成です。ぜひぜひ、若いうちにというのか、学生として勉強をしている時代に、実際に「経験」をすることを期待します。単なるパッケージツアーの海外経験ではなく、ぜひとも、文化や生活習慣の違いなどさまざまなことを身をもって経験してほしいですね。

私は駐在中に「中国の常識は世界の非常識」なんて言って、けっこう中国人を批判していたのですが、実は日本人のほうが世界的に見て非常識な振る舞いをしたりしています。駐在を終える頃には、「日本の常識が世界の非常識である」と認識せざるをえない、そういう光景にずいぶんと遭遇しました。

それから、中国駐在中に思った日本人の振る舞いは本当に嫌なものが多かったですね。確かに当時の中国は食糧も満足とは思えない、生活自体も先進国とは思えないものでした。しかし、自国を愛する気持ちや誇りを持っているという点では、国旗、国歌をいまだにおかしな扱いをする日本とは大きな違いでした。そんな中国人を蔑んで見る日本人観光客。何でもお金にものを言わせる日本人。本当に成金趣味の人が多かったですね。お金の使い方をまったく知らない日本人。これは欧米人もあきれている部分だと思います。お金に関する部分では、ある意味、異様な?あるいは異常な?民族ではないかと思います。

そういう意味でも、日本人が海外に出るケースはものすごくたくさんあり、若年世代の業務渡航も増えましたから、だいぶ変わってきているとは思いますが、若いうちに、世界標準を身につけておくと良いと思います。

人種の問題、習慣の違い、食べ物の考え方の違い、お金の考え方の違い、国を思う気持ち、自分の国の歴史、他国との関係の歴史、宗教、家族、交通機関の利用の仕方、レストランでのマナー、公共の場所でのマナー、服装に関するマナー、等々数え上げたらキリがありません。でも、日本と違うなあと感じることを、なぜなんだろうと考えられる柔軟性をもって海外を旅行すると、すばらしい出会いの連続になると思います。

昨年、私は米国に仕事で行きました。そこで感じたのは、飛行機に乗ることは、バスに乗るような感覚であることでした。以前、米国に行ったときもそう思いましたが、昨年の米国行きでそう強く感じました。日本はまだ、新幹線に乗ることも、飛行機に乗ることもけっこうたいそうなことで、妙にめかしこんで、妙にハイになっている人を見かけます。これは、交通機関の発達や、経済の発展などとは関係なく、国民性なのかもしれません。

いずれにしても、若いうちに、とにかく、日本だけにこもっていないで、文化や習慣の違いを直に感じる生活をし、自分がこの地球上で正しいとは限らないということをわかってほしいと思います。世界中の人々が、みんな考え方が違うし、その国の文化や歴史があって、それを他国のものが侵すことはできないんだと学習できれば良いのだと思います。お互いを認め合うこと。大切です。