議会主催の議員の研修会がありました。

講師は野村稔先生でした。議会関係の著作が数多くありますから、ちょっと議会の裏側とか、議会に関することを知りたい場合はぜひお読みになったら良いのではと思います。議会運営のエキスパートといいますか、議事論というか、議会の運営のイロハから各種処理の理論づけや裏づけに関しては、最もお詳しい先生ではないかと思います。以前もお話を聞いたことがあると思いますが、今日も大変参考になるというか、今日はどちらかというと、議会の事務局スタッフの普段言えない、「言いたいこと」を代弁しているようなお話が中心でした。議会のさまざまな原則論を述べていらっしゃいました。ぜひ、著作のチェックをしてみてください。全国県議会議長会事務局にお勤めでした。

しかし驚くべきことが起きていました。議会の予算で議会が主催しているのに、出席議員は十数人。新人議員向けの設定だったようですが、議会の原則論を普段からわかっていない発言、行動をとっている議員さんに限って出席していないなあ、という感じ。というより、出席した議員さんの質問も高度な野村先生向けの質問かと思いきや…。

しかし、よく考えてみたら驚きです。実は船橋市議会というところは、議会事務局がかなり積極的に効率よい議会運営を目指し、いろいろな部分を改善してきました。それは、保守系の長老議員が議長経験をすることにより、経験に基づき、かなり議事の運営を改善してきたわけですが、私が離れた4年間でずいぶんと会議原則論を、あるいは経験に基づく改善を、昨今はやりの「パフォーマンス政治」の舞台に変えつつあったようです。「小泉劇場型政治」と同じことをやっているつもりなのか、はたまた、選挙のための議会活動なのか。

少なくとも、小泉前総理は、昨今の軽薄なパフォーマンス政治とはまったく異質なところで政治を主導してきました。20代から衆議院議員を務めてきた老練な旧タイプの政治家であることは疑いもないことです。さまざまな辛酸をなめ、叩かれ、罵られ、何度も何度も苦難を乗り越えた政治家の小泉前総理は、それはそれは計算づくの、平成研(旧田中派、竹下派)つぶしに一気に行きました。それも世論を誘導しながら。世論の誘導の仕方を含め舞台の演出は、過去の経験によるものであることは間違いありません。そうでなければ、うわべだけの机上の理論だけでのことであれば、あそこまで成功もしなければ、やりもしなかったと思います。

道路公団、日本医師会、日本歯科医師会、特定郵便局長会、etc

恐ろしいほどのピンポイント攻撃でした。議員生活の間中どう考えたってずっと思い続けた怨念だけだと思います。しかも、それだけがすべてではなく、どうしてもいじらなければいけないことを、決死の覚悟で行ったこともたくさんあると思います。自由民主党の歴史の中で、当然であったこと、その時代その時代でベストな選択だったことでも、時代の変遷とともに変化させなければいけなかったことを、してこなかった問題点だけを変化させたことも多いと思います。

そういう意味では、自由民主党の長い歴史に裏打ちされたさまざまなことをぶち壊したことは、旧来の政治手法でしか生き残れない議員さん方には許されるべきことではないと思います。例えばですが、年功序列の閣僚人事をはじめとする各種人事などです。これは市議会議長のところでも思いましたが、もう、そういう時代ではないのです。実力主義である程度は行かなければならないのです。

歴史が証明すると思いますが、小泉純一郎という政治家は確実に政治家の間では評価されると思います。しかし、小泉前総理のみならず、歴代の総理はそれはそれはすばらしい仕事をなさったと思います。これはとってつけているのではなく、総理大臣になる方は、必ず人間的な魅力があります。総理大臣でなくても、国会議員になる人はすべてすばらしい人です。その高レベルの世界での戦いに勝ち残っていくのですから、それはそれはすばらしいに決まっています。

ですから、日本共産党の方も、公明党の方もみ~んな、それはそれは人間としてはすばらしいと思います。しかし、日本という国の舵をとることをまかせられるかどうかですから、その考え方や姿勢でとらえていかなければなりません。

船橋の議会でも、一人ひとりの個人としてお付き合いしたらみんな「いい人」です。でも、議員研修会の野村先生のことばでいうと、議員とは、家族に迷惑をかけて、回りに迷惑をかけて、お金を使い、身内のための時間を使わず、自分のための時間ももたず、「変わった人」だそうです。その通りだ~と思います。み~んな人のために働くことに喜びを感じている人が多いんですね。そうじゃない、自分の本来の仕事のためや、お金のための人もいないわけじゃないのですが。