自由民主党・北海道の長谷川岳です。

早速質問に入らせていただきます。

 

今年7月より、北海道内160市町村をまわり、コロナ対策、アフターコロナの街づくりの意見交換を行ってきました。市町村の評価の大半は、ワクチン接種であり、スピード感ある接種体制に感謝する声が大きくありました。改めて岸田政権そしてワクチン接種の礎をつくっていただいた菅前政権にも敬意を表します。

 

一方で、2~3万人以下の人口規模の小さい市町村では、街の飲食店等の時短が実質的菜営業閉鎖に近いという声が多く、10万人以上の街の早期ワクチン接種を含めたコロナ対策と、2~3万人以下の市町村のコロナ対策を、今後変えていくことが肝要と考えます。

岸田政権では、①何よりも痛んだ市町村の経済対策②地域のコミュニティの復活に向けた支援③コロナ後の新しい日本の成長戦略、この観点で質問します。

 

1-① 雇用調整助成金が果たす役割

まず、冒頭、雇用調整助成金について伺います。

様々な報道も出ているところですが、雇用調整助成金について、そもそもの意義と意味、また、誰を対象としたものかも含め、総理として、明確にお考えをお聞かせください。    (対総理)

 

○岸田文雄内閣総理大臣

雇用調整助成金ですが、雇用保険法上の事業であり、雇用保険の保険事故であるこの失業を防いで雇用の安定を図る、これを目的として実施されるものであります。

 

ありがとうございます。

そこで、総務省統計局「労働力調査」に基づいて、おたずねいたします。

折れ線グラフで「完全失業率」、棒グラフで「就業者数」を示しております。

この折れ線グラフをみていただきますと、岸田政権において、完全失業率は2.7%に押さえられています。これは高く評価されることだと思います。

一方で、完全失業率と雇用調整助成金との関係について、伺います。

この2.7%は、雇用調整助成金が入った上での、雇用を保つ上での数字だと思いますが、

仮に、雇用調整助成金がない場合は、どのくらいの完全失業率の数値になるか、厚労大臣に伺います。(対厚労大臣)

 

○後藤茂之厚労大臣

雇用調整助成金による完全失業率の抑制効果について、今一定の仮定の下に推計をさせていただきました。先生の御指摘だったのでやってみましたが、相当の幅を持って見る必要があるものの、雇用調整助成金等の支給により、二〇二〇年四月から十月の完全失業率が二・六%ポイント程度抑制されたと見込まれております。

 

この雇用調整助成金によって、この失業率というものの抑制効果が出ているという話を、今、大臣から伺いました。

政府では現在、雇用調整助成金は来年3月までとしていますが、雇用調整助成金をなくした形で、完全失業率のこの低水準を、3月以降も維持できると考えておられますか?総理に伺いたいと思います。    (対総理)

 

○岸田文雄内閣総理大臣

 まず、雇用調整助成金については、これまで前例のないこの特例措置を講じて雇用の維持、支援してきたところですが、今般の経済対策において、雇用調整助成金の特例措置、令和四年三月まで延長する、これに加えて、この経済対策の中に、人材育成の強力な推進に取り組むため、この人材、人への投資を抜本的に強化するため、三年間で四千億円規模の施策パッケージを新たに創設するなど、様々な施策を用意いたしました。

 二・七%、これ維持できるかということでありますが、こうした様々な施策を通じて是非この低い水準を維持するようしっかり努めていきたいと考えております。

 

【パネル1】をもう一度ご覧ください。

懸念材料として、直近の2021年10月の調査結果を見ると、対前年同月から35万人(棒グラフ)の就業者数の減少が見られます。この点について厚労大臣どうお考えか、伺いたいと思います。(対厚労大臣)

 

○後藤茂之厚労大臣

 足下の二〇二一年十月の就業者の数の動きを見てみますと、前年同月と比較しまして三十五万人の減少となっております。その産業別では、宿泊業、飲食サービス業などで大きな減少が見られております。

 こうした背景には、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、感染状況の変化に応じて人流が抑制され、それに伴いまして社会経済活動が停滞したことなどが考えられると思います。足下の雇用情勢については引き続き厳しさが見られるという認識でございます。

 厚生労働省としては、引き続き雇用と暮らしを守るために必要な対応を全力で進めてまいりたいというふうに思っております。

 

コロナ禍では、この就業者数も非常に懸念されることであり、非正規雇用の方々のシフトが増えず低賃金のままぎりぎりの状態が続いていることも、大臣として、何らか手を打たれるべきではないかと思います。要望とさせていただきます。

 

 

次に、パネル2をご覧ください。

総務省統計局の「労働力調査」によると、コロナ禍における産業別就業者数としては、宿泊業・飲食業、卸売業・小売業、生活関連サービス業・娯楽業が、圧倒的に数値が低いです。この減少幅 上位3産業のデータに基づき、経済対策や補正予算案ではどのような対策を講じていますか?

 

○山際大志郎経済再生担当大臣

 委員御指摘のとおりに、特に飲食サービスにおいて、しかも非正規の女性の雇用が相当失われてきたというのがデータで出てございます。ですので、これは一つの政策でそういう方々を全てサポートするということは不可能なので、大変多くのものを複合的にやらせていただいてまいりました。

 まず、そのお店というものに焦点を当てれば、協力金、今まで、まん延防止等重点措置だとか、そういうときの協力金等々ありましたし、また雇用調整助成金、先ほどのお話もございました。あるいは、中小企業の地域、業種を問わない事業復活支援金もございますし、無利子無担保のゼロゼロ融資と言われるようなものも続けてございます。あるいは、住民税非課税世帯への十万円給付というようなこともありますし、様々なメニューはあるんですけれども、おっしゃるように、これからどうするかということについては、この今回の補正予算を通して、この施策を通して、その次の段階で更にきめ細かく見ていかなくてはいけないと思っております。

 

 

落ち込みの大きい、宿泊業に対してはどうか?(観光庁長官)

 

○和田浩一観光庁長官

お答え申し上げます。

 観光産業については、新型コロナウイルス感染症の影響によるインバウンドの落ち込みなどによりまして極めて厳しい状況に陥っており、インバウンドが回復基調に戻るまでの間、しっかりとお支えしていく必要があると考えております。

 そのため、新たな経済対策においては、需要喚起策のほか、地域一体となった宿や観光地の再生、高付加価値化、また、デジタル技術を活用した宿泊施設による顧客管理の高度化、さらには、地域独自の観光資源を活用した、地域の稼げる看板商品の創出などに対する支援を盛り込むなど、投資喚起、またデジタル化などの観点も含め、観光産業を多面的に支援していくこととしております。

 今後も、その時々の経済動向等に応じて必要な支援を継続的に実施できるよう、適切に対応してまいります。

 

 

今お話をいただいた宿泊業、サービス業については、数値が低い大きな要因として、インバウンドがいまだ回復していないということだと思います。オミクロン株等も含め、インバウンドが復活しない中で、コロナ対策予算は、インバウンドが従前の水準に戻るまで続ける認識を総理がお持ちかどうか。インバウンド、アウトバウンドが、コロナ対策予算の今後のひとつの基準になることが明らかではないでしょうか。総理のお考えを伺いたいと思います。(対総理)

 

○岸田文雄内閣総理大臣

 インバウンド、アウトバウンド、この観光関連産業を含めて事業者の皆様方の事業の継続と雇用を守り抜くこと、これは強い決意を持って臨まなければならない課題であると認識をいたします。

 この今回の経済対策においても、既に手厚い支援を講じているところです。観光関連では、GoToキャンペーン等の国内の需要喚起の事業、これは準備をし、状況を見ながら、こうしたこの対策を再開するタイミングを計っていきたいと思っておりますし、また、このインバウンドについては、そのポストコロナの時代、これをしっかり見据えて、観光地の再生、あるいは高付加価値化に向けた宿泊施設の改修等の支援、こうした予算も盛り込んでいるところであります。

 

ありがとうございます。

次に、コロナ対策における中小企業支援および中小企業、小規模事業者の皆様を支える支援者、つまり、商工会、商工会議所の支援体制について伺います。

 

今回の補正予算案においては、手厚い支援が行われていると認識しています。

 【パネル③】中小企業関係補正予算案 をご覧ください。

事業復活支援金、事業再構築補助金、あるいは資金繰りの支援、「がんばろう!商店街」事業など、多岐にわたっています。

 一方で、多岐に亘るメニューで、どのように申請を上げたらよいかを迷う事業者の皆さんが多くあります。特に、市町村の商工会、商工会議所には、会員事業者の皆様から相談が殺到しています。①問い合わせ ②申請のお手伝い ③採択もしくは不採択についてのフォローや、あるいはクレームも全て請け負っていただいているだけでなく、市町村の臨時交付金を使った事業者支援にも大きく関わっていただいています。市町村の商工会、商工会議所は、パンク寸前です。

コロナ前に地域経済を支えた事業者の皆様、ホテル、旅館、土産物店、観光地は待ったなしの支援策が求められている中で、一刻も早く支援策をお届けすることが非常に重要である、と考えます。

それと同時に、中小企業、小規模事業者の皆様を支える支援者、すなわち商工会、商工会議所の皆さんがしっかりと企業の悩み、それから、希望を共有し、新しい一歩をともに踏み出していくことが重要であると考えます。

コロナ禍の今は、平時ではなく、まさに非常事態であります。

通常であれば、三位一体改革、地方分権は、非常に重要な取組である一方、この非常事態においては、平時とは異なり、現場の声と真摯に向き合うことが重要であります。すなわちコロナ禍においては、地方自治体任せではなく、国も商工会、商工会議所等に対してしっかりと支援を行っていくことが必要と考えますが、補正予算案ではどのようになっていますか?(対経産大臣)

 

○萩生田光一経産大臣

 中小企業の抱える課題を把握し、各種支援策をお届けするためには、身近な支援機関である商工会、商工会議所の役割は極めて大きいものだと認識しております。

 このような状況を踏まえ、商工会、商工会議所の体制強化等を支援するため、この度の補正予算案においては、事業環境変化対応型支援事業として百三十億円を計上しました。

 本事業では、事業者の抱える経営課題の解決や各種申請のサポートなど企業に寄り添った伴走支援を実施するため、商工会、商工会議所等の支援団体に相談員を追加で配置をし、相談体制の強化などを実施する計画であり、今後も中小企業の相談体制の強化に取り組んでまいりたいと思っております。

 

ありがとうございます。

総理がおっしゃる「新しい資本主義」を起動し、成長と分配の好循環を実現し、経済を自立的な成長軌道に乗せていくことがウィズコロナ、アフターコロナの重要な政策であります。

成長と分配の好循環の中軸を担うのは、日本の事業者の99.7%を担う中小企業、小規模事業者であり、この皆さんを支援する商工会、商工会議所の現場をしっかりと支えることが重要と思いますが、改めて総理にも伺いたいと思います。(対総理)

 

○岸田文雄内閣総理大臣

 おっしゃるように、このコロナ禍を乗り越えた先の経済の再生を考えた場合に、成長と分配の好循環を実現して新しい経済モデルをつくっていかなければならないと思っております。その際に、成長においても分配においても、中小企業あるいは小規模事業者の方々、経済の中心において、また、地方において大きな役割を果たしていただかなければならないと思っています。

 中小企業等が成長においてもしっかり役割を果たせるように、また、分配においても、従業員に対する給与所得の引上げができる大企業と中小企業の関係を構築するとか、この政府の立場からも、成長と分配両方で中小企業・小規模事業者の方々が活躍していただけるような環境を整備をしていかなければならない、このように思っています。

 そして、おっしゃるように、この中小企業あるいは小規模事業者を支える大切な存在である商工会、商工会議所に対して政府も地方自治体とともにしっかりと支援をしていく、こういった姿勢は重要であると認識をいたします。

 

総理、ありがとうございます。このような様々な支援メニューがございますので、地域の商工会や商工会議所と連携し、円滑に支援事業を進めていくということも大事ではないかということを申し添えたいと思います。