〇長谷川岳議員

続きまして、対ロシア経済協力、それから北方領土隣接地域の活性化について問いたいと思います。表三を御覧いただきたいと思います。


実は、北海道はこの十年間で観光客、外国人観光客は十倍に増えました。増加の一方、肝腎なこの北方領土隣接地域が平成十四年からずっと下がっておりまして、一時盛り返してはいますが、七割にとどまっています。非常に低迷しています。領土教育の拠点、それから四島交流のこれからの拠点とするためにも、修学旅行あるいは教育旅行、若い方々の交流人口の増加が是非とも必要であると考えております。
今までの施策ではなかなか難しいという状況になっておりまして、全く異なる画期的な形で施策を打つべきだと考えております。例えば、この隣接地域対策としてLCCの導入によって中標津空港を拠点とする路線開設などの後押しが、こういった安倍政権が掲げる四島の帰属を解決して、平和条約を締結して、日ロ交流に貢献できると、そのように思っておりますが、内閣府特命担当大臣と国土交通大臣にそれぞれ思いを伺いたいと思います。


○鶴保庸介 沖縄北方担当大臣

長谷川委員御指摘のとおり、私も先日、北方四島隣接地域の方へ行かせていただきまして、同感でございまして、その隣接地域の振興こそがまずはこの北方四島に対する認識、啓発につながるものであるというふうに痛感をいたしました。
したがいまして、内閣府におきまして、御指摘のようなLCCの就航も視野に入れた、北方領土隣接地域の交流人口拡大に向けた関係省庁の連絡会議を近々立ち上げる予定にさせていただいております。


○石井啓一国土交通大臣

委員御指摘いただいたように、北方四島との交流拠点、領土教育の拠点である北方領土の隣接地域について、交流人口を増やすことは重要であると考えております。
LCCは、低運賃で観光等の新たな旅客需要をつくり出しまして、航空ネットワークの充実を通じて地域の活性化に寄与するものと考えております。
国土交通省としては、中標津空港へのLCC就航につきまして、関係府省庁の取組と連携をしつつ取り組んでまいりたいと考えております。


〇長谷川岳議員

鶴保大臣始めとして、「LCC就航を視野に入れた」という力強い答弁をいただきましたのでしっかり自民党の北海道として後押しをできるようにしてまいりたいと思います。
また、北方領土の状況も踏まえまして、これからは四島交流の拠点として中標津―四島内の空路の確保も重要になってくると思います。今、「えとぴりか」が出ておりますが、「えとぴりか」で行きますと、寄って、着くには大体十一時間ぐらいと、大変時間が掛かる状況になっております。
そこで、これからの、今後の状況も踏まえた上で、四島内への空路の確保が大きなテーマとなると思いますけれども、将来を見据えた検討を始める、そういった必要があるのではないかと思いますが、いかがお考えか、それぞれ大臣に伺いたいと思います。

 


○鶴保庸介 沖縄北方担当大臣

先ほど御答弁申し上げましたとおり、関係省庁の連絡会議を立ち上げますので、それも踏まえた上で、今後何ができるか、今後のことでありますから、情勢を見極めつつ取り組んでまいりたいというふうに思います。


○石井啓一国土交通大臣

中標津空港と北方四島とを結ぶ航空便の就航は重要であると考えておりますが、実現に当たりましては外交上の各種課題が解決されることが必要でございます。
国土交通省といたしましては、関係府省庁の取組と連携をしつつ取り組んでまいりたいと思います。


〇長谷川岳議員

続きまして、対ロシアの経済協力について伺いたいと思います。
今回、大きな目玉になっております安倍政権の八つの対ロシア経済協力プランにつきまして、ロシア経済分野協力担当の世耕大臣からポイントを伺いたいと思います。


○世耕弘成 経済産業大臣

お答えいたします。
今提示をいただいている八つの協力プランというのは、これは五月に行われました日ロ首脳会談で安倍総理の方からプーチン大統領の方に提示をしていただいたものであります。
これは、もう見ていただいたとおり、町づくり、都市環境整備から農業、医療、あるいは人的交流に至るまで、非常に多岐にわたる内容になっております。私も首脳会談の現場に同席しておりましたが、ロシア側からもその場で高い評価と大きな期待が示されました。
また、この内容には、ロシア国民の生活に大きな影響を与える、あるいは生活環境を向上させるという内容が多数含まれているものですから、ロシアのマスコミでも報道をされて、ロシア国民世論の期待も高まっております。
今後は、どちらかが一方的に与えるということではなくて、お互い日ロがウイン・ウインの成果を上げられるようなプロジェクトにしていかなければいけないというふうに思っています。
今、具体的には、この八つのプランの中にはそれぞれ具体的なプロジェクトが、候補が幾つもあります。そして、ロシア側からも、こういうことをやってほしいというのが複数の閣僚から私に直接提示をされています。今、それを事務方で、関係省庁の事務方が担当大臣である私の下で精査をしておりまして、そしてロシア側ともいろいろ協議をしておりまして、そのうちどれがどういうスピード感でやっていけるかというのを今組み立てているところであります。
次回、十一月には、ペルーで安倍総理とプーチン大統領の首脳会談が予定をされております。そこまでには何らかのまず最初の一定の成果を出したいというふうに思っておりまして、国会にお許しをいただけるなどの諸般の事情が整えば、私は、総理がペルーに行かれる前にモスクワを訪問して、ロシア側の関係大臣とよく調整をしてまいりたいというふうに思います。
今、十二月の山口での首脳会談に向けて、日ロ関係は更なる発展の機運が盛り上がっているというふうに思います。それを更に盛り上げるために経済分野の協力でしっかりとした成果を出してまいりたいというふうに思います。


〇長谷川岳議員

是非ともお願い申し上げたいと思います。
そして、表四を御覧になっていただきたいと思います。

これは、実は政府が掲げる八つの協力プランを踏まえて、五つの協力パッケージというのを既に北海道としてどうロシアと協力し合うかということを打ち出させていただいているわけであります。

例えば、安い電力をロシアから買い入れ、道東、道北 電力特区などをつくっていくことや、道産の農水産物の輸出および飲料の輸出を進めること、あるいは北海道で培った寒冷地用道路建設、あるいは4Kカメラ、8KカメラといったICTの技術を導入したクラウド活用による遠隔医療連携等、地域としての経済協力というのは十分可能だと思います。
今後、このような地域あるいは中小企業を含めた政府後押しの経済セッションを是非行っていただきたいと思いますが、大臣のお考えを伺いたいと思います。


○世耕弘成 経済産業大臣

お答えします。
長谷川委員御指摘のとおり、安倍総理がプーチン大統領に提示された八つのプランに即応する形で北海道が早速五つの協力パッケージというのを提示をしていただいているということ、これは本当に高く評価をしたいというふうに思います。
元々、北海道は極東地域との経済交流に熱心に取り組んできていただいていますけれども、まさにこれから日ロの経済協力が更に進展することで、北海道の地域経済にとって大きなチャンスがあるという機運が盛り上がっておられるというふうに感じております。その中で、やはり特に農業を含む北海道地域の中堅・中小企業にとって大きなチャンスがあるんではないかなというふうに思っておりまして、これは国全体として日ロの間で中小企業交流、協力について非常に重視をしております。
先日、ウラジオストクの東方経済フォーラムというのが行われまして、総理に同行して私も行ってまいりましたが、その際には、ロシア側のウリュカエフ経済発展大臣との間で中堅・中小企業分野における協力のためのプラットフォーム創設に関する覚書、これに調印をいたしました。これはどういうことかといいますと、中堅・中小企業がロシアでビジネスをやるに当たって、どういうニーズがあるのかなかなか中堅・中小企業じゃ分からない、あるいは何かトラブルが起こったときにどう解決していいのか分からない、あるいはロシアの法制度がよく分からない、そういうのを全部この一元的プラットフォームでそういう中小企業の疑問や不安を解消する、そういうために立ち上げさせていただきました。
九月二十九日には、このプラットフォームの日本側の初会合を開催をいたしまして、北海道からも辻副知事に早速御出席をいただくなど熱意を示していただいております。そして、このプラットフォームの活動として全国で中堅・中小企業向けのセミナーを開催してまいりたいというふうに思っていますが、最初のセミナーを十月三十一日に札幌で開催をさせていただく予定であります。
北海道やジェトロ、あるいは札幌市、札幌商工会議所などとも連携をして、北海道の中堅・中小企業の今後のロシアでのビジネス展開を国としても支援してまいりたいというふうに思っております。

〇長谷川岳議員

ありがとうございます。どうぞ力強くお願いを申し上げたいと思います。