10月13日(木)予算委員会集中審議での質疑内容を暫定版ですが4つに分けてアップします。

 

 

○ 自由民主党、北海道の長谷川岳です。
まず、北海道の台風の被害について質問をさせていただきます。

政府の素早い激甚災害指定に感謝しております。

農地、農業用施設以外にも南富良野町のポテトチップス工場や美瑛町の野菜集出荷施設など共同利用施設も被害が出ています。一定程度年数の経過した施設についての補助対象経費がとても少ないものであるが、対応の程は如何か、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。


○山本有二農林水産大臣

今般の一連の台風災害を受けまして、農林水産省といたしましては、十月七日金曜日に支援対策を取りまとめたところでございます。
この中で、被災した先生御指摘の共同利用施設の再建、復旧についてこれを定めました。激甚指定を受けた地域におきましては、農林水産業共同利用施設災害復旧事業により、被災した施設の残存簿価に対して補助率最大十分の九で支援する、また、強い農業づくり交付金によりまして、残存簿価のあるなしにかかわりませず、補助率二分の一で支援するというように考えております。このように、被災した施設の残存簿価や事業内容により適切な事業が異なることについて、効果的な事業選択となるように丁寧に助言して指導してまいりたいと思っております。
そこで、これら支援対策につきまして、本日から、特に被害の大きかった北海道、岩手県などに本省職員を派遣しまして、自治体や関係団体の皆様を対象とした説明会を行うこととしております。被災された農業者の皆さんが今後の営農意欲を失うことのないように支援対策の周知に努めてまいりたいと考えております。

 


○長谷川岳議員 

よろしくお願いいたします。
災害によって被害を受けた農地復旧に当たって、非常に北海道は広大でございますし、今回は農地そのものが川に流されるという事態が起きております。更なる自己負担軽減に対してお伺いしたいと思います。


○山本有二農林水産大臣

特に、農地が流された点にかなりの農家負担費用が掛かるというように見込まれております。そこで、この災害復旧に対して復旧限度額がございます。被災した農地に代わる農地を新たに造成するために必要な標準的な費用として定めております。これを超える事業費は、費用対効果の観点から、災害復旧事業の対象外ということになってしまいます。
現在の北海道に関する復旧限度額は一ヘクタール当たり六百七十万円となっておりまして、この復旧限度額を超えた部分につきましては、国庫補助の対象とならないため、全額が地元自治体や農業者の負担となってしまうことになります。


○長谷川岳議員

更に伺います。
現在、全道規模による被害によって、復旧に必要な業者の皆さんの人手あるいは技術者が大変不足しております。農家自らが土砂の排出、排水対策など施工を行う「自力施工」をしないと、もう北海道は雪ですから、冬までに間に合わない、来年の営農ができないという状況になりますけれども、政府のお考えをお聞かせいただきたいと思います。


○山本有二農林水産大臣

農地、農業用施設の早期復旧のために、市町村等が事業主体となる災害復旧事業を速やかに実施することが重要でございます。これと併せまして、農家の皆さんに身近な復旧作業に自ら取り組んでいただくことがまた一方で重要であると考えております。したがって、農林水産省といたしまして、十月七日付けで取りまとめました被災した農家等への支援対策におきまして、こうした取組に対する支援を位置付けたところでございます。
具体的に申し上げれば、まず、災害復旧の円滑な実施と就労機会の確保の観点から、災害復旧事業等におきまして被災農家の優先的な雇用に努めていただくよう文書にて要請しております。また、損壊等の被害を受けた農地周りの小規模な水路等につきましては、多面的機能支払交付金制度を活用することによりまして、集落の共同活動での復旧作業に対し日当を手当てするなどの支援を行うことができます。また、農地等の復旧と一体的に行う除れき、客土等におきまして、被災農家の労力あるいは保有機械を活用することによりまして、農家の作業対価への支払や金銭負担を軽減できる定額助成による支援を実施することとしております。
農林水産省としましては、農家の皆さんが自ら取り組まれる復旧活動が効果的に行われますように、全力で取り組んでまいりたいと思っております。


○長谷川岳議員

今回の被害は、共済対象外の作物というのも結構出ています。こういった共済対象外の作物への支援をお願いしたいと考えておりますけれども、来年以降の営農継続に向けて、これは衆議院の予算委員会では種子購入等の助成とおっしゃっていただいたんですけれども、さらに、この種子購入「等」とは、ここを更に詳しくおっしゃっていただきたい。


○山本有二農林水産大臣

今般の支援対策におきまして、ナガイモ、ニンジン、ネギ、大根、ゴボウ等の畑作物共済対象外の品目につきまして、種子、種苗のほか、先生御指摘のところは、基肥、マルチ、流失したナガイモの支柱といった次期作の栽培開始時に必要な生産資材の購入に要する経費を助成することといたしました。


○長谷川岳議員

ありがとうございます。
続きまして、観光のキャンセルについてお話をさせていただきたいと思います。
今、この大雨、台風の被害によりまして、道東地区、十勝地区の観光キャンセルというのが続出しております。具体的な支援策について、風評払拭に対する対策を観光庁長官にお聞かせをいただきたいと思います。


○観光庁長官

お答え申し上げます。
北海道には、世界遺産の知床や富良野を始めとして魅力的な観光地、たくさんございます。観光客にも人気の旅行先の一つでございますことから、風評被害の防止が急務であるというふうに考えております。
そのため、北海道観光に関する正確な情報を知っていただくために、関係者と連携しながら、宿泊施設の営業状況、それから交通機関や道路の運行状況等につきまして情報発信を実施しておりまして、引き続き正確な情報発信に努めてまいりたいと考えております。
また、今後、観光需要の回復を図るため、風評被害の払拭を念頭に、海外に向けて北海道の観光魅力の発信を実施しまして、外国人旅行者の誘客を図ります。それから、国内旅行者の誘客を図るためには、これは旅行業協会等を通じまして、旅行会社が旅行商品を造成するよう働きかけを強化してまいりたいと考えております。
道東地区の観光需要の回復に向けまして、これらの施策をより効果的に推進していくために、しっかりと最新の状況というものも確認しつつ、地元の関係者とも力を合わせて取り組んでまいりたいというふうに考えております。


○長谷川岳議員

長官自ら来道していただくという認識でよろしいでしょうか。


○観光庁長官

私も含め、しっかりと確認をさせていただきます。


○長谷川岳議員

よろしくお願いいたします。
台風の被害についてもう一つ、今日はパネルを持ってまいりましたけれども、(
資料提示)

今回の台風による河川の氾濫が原因による被害が相次ぎました。これは国交省に問いたいと思います。
特にこの十勝川水系の糠平ダム、電力ダムなんです。発電ダム、つまりは水をためておくことが大前提なんですけれども、この度の台風によって大雨はかつてない規模になりました。したがって、今後は、河川法に基づき、予備放流水位(ダム放流を行う目安になる水位)を思い切り下げていく必要があるのではないかと。あるいは、洪水を避けるためにより多くのダムの水を放流するというためにも、ダムの操作規定の見直しを今後していかないといけないと、私はそう思っています。
また、今回、ダムの地元の流域協議会には気象庁が入っていないということがありまして、是非今後このメンバーに気象庁も入るべきではないか、さらには、電力ダムといえども洪水調整の機能を持たせるべきではないかと、そのような考え方を持っておりますが、国交省、国土大臣に伺いたいと思います。


○石井啓一国土交通大臣

今、委員から御紹介いただきましたが、一般に発電専用のダムで洪水の前の操作によって水位低下させるためには、下流の安全管理を行いながら長時間を掛けて放流を実施する必要がございまして、現在の降雨予測の精度等から技術的な制約がございます。
このため、発電用の糠平ダムにつきましては、洪水を貯留する効果を高めるよう操作方法を見直すに当たりましては、予備放流の水位を下げることを含めて十分な技術的な検討を行う必要がございます。その上でダム管理者が作成する操作規定の見直しを行う必要があるわけですが、河川管理者である北海道開発局にはこのダム管理者と連携してこれに取り組ませることといたしたいと思っております。その際、十分な技術的な検討が必要であることから、音更川の流域連絡協議会には関係気象台も参加をさせるようにしたいと思います。
また、洪水調整機能の確保についても重要であると認識をしておりまして、全国的に実績を重ねつつあるところでありますが、個別の既存ダムの有効活用のための方策につきましては、関係者の意向等を踏まえつつ適切に対処していきたいと思っております。
十勝川流域の水害対策につきましては、ソフト、ハード、あらゆる手段を駆使しながら、被災地の一日も早い復旧復興に向け全力を尽くしてまいりたいと存じます。


○長谷川岳議員

利水ダムと治水ダムの多目的ダムとして人の命を守る、十勝の農業を守っていただくということをお願いを申し上げたいと思います。